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底辺高校、まさかの人気高校に転進
それまで人気も無く
いつも定員割れの、
統廃合候補筆頭だった
悪評高い、地域の底辺高校が
一躍世間の脚光を浴びたのだ
以後、マスコミ関係が
事ある度に
取材や特集を組むほどに
注目の的になっていた
円安、不景気で中小企業らの
倒産が当たり前
ニュースにすらならない程の大不況だ
だからこそ、下町の救世主のような扱いに
俺は憤っていた
それまで鼻つまみ扱いだった底辺高校が
一躍、地元の星、扱いにだ
俺は、世間の呆れる程の手のひら返しに
少なからず苛ついていた
それは
女子駅伝初出場の前回の
香子の区間賞の時とは
また違う苛立ちだった




