もう一度さいしょから。
濡れた机の持ち主よ
かつての友よ
俯く君よ
君は余計なことを言った
その日から友は友でなくなった
自己責任だ
自己責任だ
自己責任だ
狂ったように脳内で鳴り響く言葉
キャハハと響く下品な笑い声
目の前の悲劇を見ないフリした
ふと合った目が怖いよ
まるで未来の自分を見たみたいで
逸らしてしまった
最低だ
なんて自己嫌悪
どうして君はあんなことを言ってしまったんだ
正義感からか
助けた相手からイジメられるなんて
全く持って阿呆だ
(阿呆だ!)
先生は濡れた机を無視して
綺麗ごとを並べながら黒板に白い字を書く
それをノートに黒く塗りつぶすクラスメート
アイツのノートはゴミ箱の中だ
シャーペンの音とクスクス笑う声が不気味で
逃げ出したくなる
そんなでもどこか誇り高く振舞っている君は
頭がおかしくなったのか?
そっと隠れて声をかけた放課後
「私に構うとイジメられるよ」
私を突き放した君
本当に阿呆だ
(本当に阿呆だ!)
遠のく背中に向かって叫んだ
「私たち友達でしょ!」
バクバク鳴る心臓
振り返った君の顔には
キラキラ輝く涙の筋が流れていた
阿呆だ
阿呆だ
阿呆だ……!
そうだ
そうだった
私たちは友達
最初に君に掛けてもらった言葉も
そうだったね
もう一度さいしょから
始めよう
濡れた机が2つ
それ見ていた私の友達が
自分たちの机も濡らした
濡れた机が7つ
いじめっ子たちの面くらった顔
言葉のない抗議
黒板にぶっかける水
「気付いてるでしょ?」っていう
先生への言葉
問題になった
でもイジメも明るみになった
【既読無視】から始まったらしい
下らない奴ら
救ってもらった奴も友を裏切り
そんな友を私も裏切った
それでも友は――
「今日の授業つまんなかったねー」
友のままだった




