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信仰  作者: 蝉丸けいほ
4/5

四 信仰とは

 なぜだろうかと考えた、


同じ村に生きて多少の変化はあれども基本的な生活は全く変わらない貧しく厳しい日々だ

それなのにこんなにも「楽しさ」を感じるのはなぜなのか?

何年もの自問自答を続け遂に己の内にはっきりとした答えを見つけた、


それは常に自分の中にあり「真なるもの」「善なるもの」「優しさ」へと志向させる心の確信であった、それに比べれば大金も他動的な精神性も物の数ではない、思わず涙が流れる、少年のころ「楽しさ」について思いを馳せてからすでに40年以上もの月日が経ちすでに老境へと差し掛かっていた。


 それから彼は変わることのない「楽しみ」のある生活を送った、

もはや意識することなく水の流れるように自然と行いに現れていた、

徐々に村の中にも彼の姿に不思議さを感じるものが現れた、

なぜ貧しく厳しいまして孤独なこの老人がこの村の誰よりも楽し気に生きているのか?

彼にそのこと聞きに来る者があるとその者が話を終えるまで静かに聞き、


それから心の持ちようについてあますことなく話をするのであった、

それが例え子供であっても大人と同じ言葉と熱心な態度で接した、

時に相手が納得しない場合はさらに相手の話を聞き、それに即した即興の例え話をしたり若き日の自分の人生を語ってみせた。


 彼は食事の後などに祈ることがあった、明かりの前であぐらをかきジッと目を閉じている姿は見る人に不思議な印象を与えた、

それを見た村人の中にはひっそりと彼に倣うものが現れ始めた、


彼はそれに対して何も言わず黙って祈り続けた。

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