はじめに
俺にだけ塩対応。
その言葉には偽りがない。
冷たいって宣言していたら、どうせ脈アリなんでしょ、と、思うだろう。
だが、現実はそう甘くない。
普通に考えてほしい。
好きな相手に塩対応なんてするか?
答えは否。
ただたんに嫌われているだけなのだ。
わざわざ塩対応みたいなことをしてしてアタックする奴なんているわけがない。
好きな相手には優しく接する方が付き合える可能性が断然に高いだろう。
......科学的根拠はないけど。
でも、逆の立場で考えてくれれば分かると思う。
目の前に好きな人がいます。
なんて声をかますか?
一般的には、「おはよう」と、挨拶や、適当な話題をネタにして話すだろう。
彼女の場合、視線をキリッと冷たくし、「何?」と、威圧的な言葉だ。
笑っちゃうくらい冷徹だろう。
きっとこれが彼女の素なんだろう。
全校生徒に伝えたいくらいだ。
そんな彼女の名前は、
猫野 寧々。
本名の方は。
けれど、猫野は声優をしている。
そのことを知っているのは、この学校で俺だけだ。
声優活動をしている方の名前は、
猫野 一夏
見ての通り名前を変えただけだ。
猫野と変わっている関係になってしまったのは、全部あの人のせいだ。
あの人というのは、担任の先生のこと。
まぁ、後々説明すると思う。
俺にとっての悲劇の日は今から3日前の出来事だ。