17.二つ名《新種キラー》
新種の討伐依頼を請け負う事にした賢也は、梶の元を訪ねた。
「梶さん、雑魚の怪物の爪や牙を使ってナイフとか作ってたりしますか?」
「どうしたの?剣がまさか無くなったの?」
恐る恐る賢也に尋ねる。
「いえ、今ニュースで話題の新種討伐の依頼を受けたので、念には念をと思ったんです」
「だったら、20本くらいストックがあったかな。ちょっと待ってて」
そう言うと梶は、奥に入って行った。暫くして、戻って来ると
「あった。あった。28本あったよ。全部持って行くかい?」
「お願いします。あ、それと今までの剣も含めて、代金は?」
「何を言ってるの?協会から給料出てるし、何よりいい素材を持って来て貰って、こっちの方が有難いくらいだから、代金なんて要らないよ」
「そう言って貰えるなら。分かりました。今回も、新種の素材持って帰りますね」
「頼むよ。楽しみにしてるから」
ナイフを貰うと支部局長の阿部の元へ向かう。
「おはようございます。阿部さん、新種の討伐依頼を受けることになったんですが、何か連絡はありましたか?まだ、自分の方にはその後の連絡が来ていないので」
「龍崎くんか。来ているよ。君の準備が出来次第、こちらでヘリを出してくれと要請が来ている」
「そうですか。じゃあ、一度帰って支度をしてきます」
賢也は、一度帰宅する。【銀狼】を背中に、【紅蓮】を腰にぶら下げ、28本のナイフをバッグに入れて、
「よし、行ってくる」
「行ってらっしゃい。気を付けてね」
賢也は拳を握りしめ、掲げ家を後にした。
協会支部に着くと、屋上にはすでにヘリが到着して待っていた。
「今、怪物は福島辺りを移動中らしい。用意はいいのかい?」
「大丈夫です。お願いします」
賢也はヘリに乗り込み、新種の元へと出発するのだった。
移動を始めて、3時間程経った時、ヘリに連絡が入った。
「新種の位置が判明した。今から10分位で到着するから、準備をしてくれ。森の中にいるらしいから、着陸は出来ないぞ」
「え、パラシュートでの降下なんてしたこともないですよ」
「大丈夫だ。降下して、ブザーがなったら、この紐を引け。パラシュートが開くから」
「怪物討伐より、こっちの方が心配なんだが…」
賢也は、ぼそっと呟いたが、他の乗組員は、聞かないふりをしていた。
「よし、降下しろ!」
仕方なく賢也はヘリから飛び出す。暫くすると、肩に付いていたブザーが鳴り出した。
「この紐を引くんだな」
紐を引っ張るとパラシュートが開く。賢也はゆっくりと怪物のいる森に向かって降下していった。
森が近付いてきたが、怪物の気配を感じない。
(おかしいな。風で流されたのか?)
気配を探っている内に、パラシュートが木に引っ掛かってしまった。
「うわ、しまった」
賢也は、パラシュートのベルトを外し、飛び降りた。
「うーん。何処だ。まさか、襲われるのが怖くて、離れたポイントに降ろされたのか?」
仕方なく、気配を探しながら進んでいると、遠くから爆発音が聞こえた。
「あっちか!」
賢也は、音のした方に走り出す。2分程走るとまた爆発音が聞こえた。さっきよりも近くなっている。
「間違いない。誰か戦っているのか」
更に進むと、遂に怪物の気配を感じ取った。他に人の気配が3人程いるようだ。
気配を感じてからすぐに怪物の姿が目に入った。その怪物と2人のハンターが戦っている。もう1人の気配は、少し離れた所にいた。どうやら、カメラを撮っているようだ。
賢也が現場に到着すると、戦っていたハンターが驚く。
「おい、お前何処から現れた」
賢也の走るスピードが速すぎ、突然現れたように見えたのだ。
「いや、走って来ましたよ。それより、あれですか?例の新種は」
「走って来た?いや、突然現れただろ。まあ、いいか。お前もハンターなのか」
「はい。協会から依頼が来たので、討伐に来たんですが、あれ、どう見てもカブトムシ…」
「あ、あぁ。そうだよな。皆、思っているよ」
怪物は、カブトムシの特徴である立派な角があり、腕が4本で2足立ちしている。体の表面は、黒い鎧を来ているようで、背中には羽らしきものもありそうだ。
その怪物にもう1人が、マシンガンを撃っているが、全く効いていないようだ。
「お前、ランクは?」
「この間、Eになったばかりですけど、何か?」
「E!何で協会はお前みたいな低ランクの奴に依頼を出すんだ。あいつは、堅すぎて、全く攻撃が効かないんだ。俺達はCだぞ。さっきグレネード弾を当てたが、全く効いていない。それ以上の火力がいるって言うのに!俺達は退却しようとしてたんだぞ」
「なら、下がっていて下さい。俺がやりますよ。所で、あそこでカメラ持っているのは誰なんです?」
「あいつは、俺達が討伐に行くって言ったら付いてきたテレビ局の人間だ。今、生中継してるぞ。それより本気であいつとやる気か。止めておけ。死ぬぞ」
「やってみないと分からないでしょう。カメラマンの人、危ないから、撮影は止めてこっちに来て、この2人と逃げるんだ!」
そう言うと、背中の【銀狼】を抜く。
「剣なんかじゃ無理だ」
その時、マシンガンを撃っていたハンターが、怪物に向かって手榴弾を投げた。
「よし、逃げるぞ!」
ハンターが走り出す。カメラマンも仕方なく、こちらに向かって走り出した。土煙の中から怪物の姿が見えてきた。
こちらにハンターとカメラマンが着くのと同時に、賢也は怪物に向かって走り出す。
「あ、おい!えっ?」
呼び止めようと声を掛けた時には、既に賢也は怪物の目の前にいたのだ。
「何だ。あいつ。足速すぎじゃないか?」
「そんな事より、どうするんだ。逃げるのか?」
ハンター達が揉めているのもお構い無しに賢也は怪物に攻撃を始める。
(体が堅いって言ってたけど、どの程度かな?)
気で強化した【銀狼】なら斬れるだろうと思っていたが、ギャリィッ!という音がすると、堅い皮膚に剣が弾かれた。
「おい、おい。マジかよ。堅いなんてものじゃないな」
剣を持っていた手が痺れている。剣を左手に持ち替え、軟らかそうな腹を狙ってみるが、先ほどのような衝撃はないが、やはり、刃は通らない。
そこに怪物の4本の腕が賢也を殴り掛かってきた。
賢也は、さっと躱す。動き自体はそんなに速くない。攻撃を受けることはなさそうだが、ダメージを与えることも出来そうにない。
「なら、こいつはどうだ。飛燕!」
闘気の刃が怪物に直撃するが、やはり無傷だった。
「だったら、こいつの出番だな」
【銀狼】を鞘に戻すと、腰に差している【紅蓮】を抜く。
炎を纏えば【銀狼】よりも切れ味はいいと梶は言っていた。
怪物に向かって走り出す。怪物は賢也を迎え討とうと、腕を振り上げる。賢也は、怪物のパンチを躱すと、【紅蓮】に炎を纏わせ、腕を斬りつけた。しかし、【銀狼】の時と同じく黒い鎧に弾かれる。だが、賢也はその弾かれた勢いを利用して、腹を斬りにいった。
「弧月!」
炎を纏った【紅蓮】の剣筋に炎の三日月が浮かび上がった。
弾かれた勢いの乗った剣技で、刃が腹に1mm程食い込む。その傷には、炎が残っていた。
「くっ、この程度か」
大したダメージを与えることも出来ずに、一旦離れる。
怪物は、炎の残った傷を手で擦っていた。そして火は消えるが斬り傷は残っている。初めて付けられた傷を見ているようだった。暫くすると、顔を上げ、賢也を見る。そして、背中の羽らしきものが開いた。どうやら、羽で間違いないようだ。体を前屈みにすると、羽が高速で羽ばたき出す。ふわりと体が浮いたと思った瞬間、これまでにない速度で、賢也に突進をしてきた。
賢也は横に飛んで躱すと、賢也の横を通り過ぎていった怪物に向け、ナイフを投げ付けた。怪物はナイフをものともせず、弾き返しながら、賢也に向かって再び突進してくる。
賢也はこれをまた躱しながら、ナイフを投げ付けた。また、弾き返される。怪物は今度は着地した。
ナイフが1本だけ、怪物の腕に刺さっていたのだ。刺さっていた部分をよく見ると関節のようだ。
「なるほど。関節も堅かったら、動けないよな」
関節部分は軟らかく、剣でも斬れそうだ。
賢也は、怪物の元に向かって走りだそうとした時、怪物の口の辺りに黒い玉が浮かび上がった。
(嫌な予感がする)
怪物が黒い玉を放ってきた。
賢也は、受けずに躱した。黒い玉が地面に触れると、半径2m程の球状に抉れ、消滅した。
遠くで見ていたハンター2人とカメラマンは、慌てている。
「おい、あんなの巻き添え食らったら、洒落にならないぞ」
「もっと離れるんだ」
「凄い。カメラを回せないのが残念だ」
「何、言ってるんだ。行くぞ」
その間、怪物は再び黒い玉を作っている。賢也はその玉目掛け、ナイフを投げる。命中し、ナイフは消滅してしまったが、玉は弾け、消えてなくななった。だが、さっきの地面のように周囲の消滅は無かった。
玉が出来上がる前に消滅させれば、問題なさそうだが、もうナイフが手元にほとんど残っていない。後ろにいるハンターに撃ってもらう手も考えたが、自分が被弾する可能性もある。
怪物は賢也が対策を練っている間にも、黒い玉を作り出す。
しかも、今回は口の前だけではない。4つの手からも作り出されており、さっきより玉の完成が早い。賢也がナイフを投げるよりも早く、黒い玉が放たれた。
なんとか、5つの黒い玉を躱し体勢を整える。
5つの玉が当たった場所は、半径30cm程の球状に抉れている。
数が増えると、消滅する範囲は狭くなるようだった。
賢也は左手にナイフ、右手に【紅蓮】を持つと、再び突進する。
怪物が黒い玉を作り出した瞬間にナイフを投げる。黒い玉が消滅すると同時に、怪物の懐に潜り込んだ。
「この距離なら撃てないだろう」
そして、怪物の関節を目掛けて斬り掛かる。
怪物も賢也の剣擊をガードするが、賢也の手数の方が多く、ついに、腹から生えている右腕を1本、肘の下から斬り落とすことが出来た。
「よし!」
続けて、他の腕も斬り落としにかかる。腕が1本無くなったお陰で、さっきよりも攻撃しやすくなった。ズバッ!今度は肩から生えている左腕を斬り落とした。堪らなくなった怪物は、至近距離にも関わらず、黒い玉を作り、放ってきた。
「ふぅ。危ない、危ない」
間一髪で、後ろに飛び躱す。
ここまでの賢也と怪物の戦いを見ていたハンター達は、愕然としていた。自分達では、手も足も出なかった怪物が、自分達よりもランクの低いハンターが、止めは刺せていないとはいえ、腕を2本も斬り落としたのだ。あいつは人間なのかと話していた。
賢也が離れたことにより、怪物はまた黒い玉を作り出す。もう賢也はナイフを使い切ってしまっていた。
【紅蓮】や【銀狼】で攻撃することは、さすがに躊躇いがある。躱しながら距離を詰めるしかないかと賢也は身構える。
賢也が考えていた間に黒い玉が今まで以上に大きくなっていた。すでに今までの倍の大きさになっているが、まだまだ大きくなっていった。
「あれは絶対まずい」
どれだけの範囲が消滅してしまうのか分からないぐらい大きくなっていく。仕方なく、賢也は怪物に向かって走り出した。
怪物は賢也が近付いても関係無く、玉を大きくしていく。賢也も攻撃しようとするが、玉が邪魔で攻撃することが出来ない。その時、地面に落ちていた怪物の右腕に気が付いた。その腕を拾うと、後ろに下がりながら、玉に投げ付ける。しかし、大きくなった玉に吸い込まれるように腕は消えてしまい、玉は無事だった。
「あいつを殺すしかない」
だが、黒い玉が邪魔で、前から斬ることは出来ない。背後からとなると堅い鎧が邪魔で刃が通らない。
とりあえず、賢也は怪物の背後に回り込む。そして全ての気を【紅蓮】の刃に集中させる。
すると、刃に纏っていた炎が凝縮されていく。メラメラと燃えていた炎が、ガスバーナーの炎のようになったのだ。
「これは。どうだぁー」
「奥義、鳴神、改!」
本来、上段振り下ろしである鳴神を横薙ぎに改良し、首を斬る。凝縮された炎によって、更に切れ味が上がった鳴神によって、怪物の堅い鎧を貫き、首を切り離した。
黒い玉も怪物が死んだことにより霧散し、消えた。
「嘘だろ」
「あいつ、1人でやりやがった」
「カメラ回しておくんだった…」
ハンター、カメラマンの3人が呆然としている所に、賢也が声を掛けた。
「皆さん、大丈夫でしたか?」
「あ、あぁ。大丈夫だけど…」
「あんた、何者だ?何で剣なんかで勝てるんだ?」
「いや、何でって言われても」
賢也は質問に困ってしまった。カメラマンが、またカメラを回し始める。
「すみません。あなたのお名前を伺ってもよろしいですか?」
カメラマンが賢也に質問する。
「あ、龍崎です」
カメラマンがうん?という顔をする。
(どこかで聞いた事が…)
「あっ、あの怪物の群れを1人で討伐したっていう。あの龍崎さんですか!」
どうやら、ニュースで報道された龍崎の事を思い出したようだ。
「そうですね」
「凄い。こんな短期間に強力な新種を2体も討伐したんですね」
「うーん。正確には3体ですね。ハンターになる前にも1体討伐してるので」
「本当ですか!じゃあ、新種キラーですね」
「新種キラーって…」
「そうですよ。新種をこんなに討伐した人はいないですよね」
隣にいたハンターに質問する。
「え、あぁ。協会が立ち上がったばかりの頃を除けば、そうかもな。そもそも、こいつが討伐した怪物自体がAランクばかりだからな。こんな奴は他にはいないな」
どうやら、ハンターも龍崎の名前を聞いて、思い出したらしい。ハンターの中で噂になっている新人の事を。
「新種キラーのルーキーか。実力は本物なんだな。心強いルーキーが現れたものだ」
ハンターが感心していた。
カメラマンが、辺りをカメラに一通り収めると、賢也を映しながら、
「皆さん、移動を続けていた新種の怪物を、ご覧の通りハンターの龍崎さんが、見事、討伐に成功致しました。これでまた1つ脅威が去りました。これからも、新種キラーの龍崎さんのご活躍を祈りたいと思います」
賢也は、初めてのカメラに照れくさく逃げ出したいと思っていた時、ヘリから連絡が入って来た。
「そこにテレビ局来ているのか?生中継で、お前の勝利が放送されているみたいなんだが」
(グッドタイミング!)
「はい。他にハンターの方が2名います」
「了解。今からそっちに向かう。着陸出来そうなポイントを探して、着陸出来たら座標を送るから、そこにいる全員を連れてきてくれ」
「分かりました。よろしくお願いします」
「皆さん、今から自分が来たヘリがこっちに向かってくるそうなので、待っていてもらえますか。回収してくれるそうなので」
「助かる」
30分程待つとヘリから着陸したと連絡があった。怪物のした死体も回収にくるらしい。
更に10分程待っていると、回収班がやって来た。死体の回収を始める。
「お待たせ。じゃあ、帰ろうか」
ハンター達とカメラマンを福島の協会支部に送ると、ヘリは飛び立った。
帰る途中、福島協会支部から、礼が入って来た。その時の話しでは、ハンター2人は危険な場所に一般人のカメラマンを動向させた事で、かなり絞られたらしい。当然カメラマンもかなり絞られたという事だ。
賢也は帰り着くと支部局長に挨拶し、怪物の死体を引き取って貰った。詳しい話は明日で良いとの事だったので、家に帰る。
「ただいま!」
「おかえりなさい。テレビで勝利が放送されていたから、無事で良かった」
「ああ、何とか勝てたよ。だけど、まだまだ特訓しないといけないな」
「まだ強くなるつもり?」
「ああ、死んじまったら元も子もないだろ」
「そうね。頑張って」
賢也は、疲労からすぐに寝てしまった。
翌日、怪物との戦闘の詳細報告をするため、協会支部へ向かおうと家を出ると、昨日の放送を見た近所の住民が家の前に殺到していた。
「龍崎さん!前からテレビで名前が上がっていたハンターは、貴方だったのかい?」
「どうしたんですか?こんなに集まって」
「テレビ見たよ。こんな近所に凄いハンターがいるなんて。もっと早く教えてくれよ」
「今度、護身術とか教えてよ」
皆、近所に心強いハンターが現れ嬉しいようだ。
「とりあえず、用事があるので、また今度ゆっくりお話しましょう。すみません」
賢也は、挨拶するとその場を後にした。支部に向かう途中も色々な人に声を掛けられ、大変だった。
協会支部に到着し、報告を済ませる。福島支部でも、報告があったようで、簡単に済ませる事が出来た。そこで驚いたのは、既にあの怪物がSランクに設定されていた事だった。
「それで、あの騒ぎか」
「Aランク、Sランク共に初討伐したのが、君だからね。かなり話題になっているよ。外を歩く時は、変装か何かした方がいいかもしれないね」
「帰りは、全力で帰るようにします」
支部局長室から出ていくと、梶の元へ向かった。
「梶さん、あの怪物の死体はどうですか?さすがに剣に出来そうな部位はなさそうだったんで、今回は何も作れないかなとは思っているんですが」
「やあ。あれをよく討伐出来たね。メスが一切通らなくて、解体に苦労したよ」
「そうですね。【銀狼】も【紅蓮】も歯が立ちませんでした」
「銀狼?紅蓮?」
「あ、剣に名前を付けたんです」
「なるほど。いいね。嬉しいよ」
梶は自分の作った剣に命名して貰って本当に嬉しそうだった。
「あれを斬ったのはこれです」
そう言うと、【紅蓮】を抜き、怪物を斬った時と同じように、刃に気を集中する。あの時と同じように、炎が凝縮される。
「凄い。どうやったら出来るのかは聞かないけど、なるほど。炎が凝縮された事によって、熱量が上がり、焼き斬る事が出来たんだな」
梶は、ぶつぶつと呟きだし、ハッと我に返った。
「ごめん。ごめん。あの怪物の部位からは剣はさすがに無理かな。角も鋭くないし。でも、防具には向いているんじゃないかな。君、防具なんて全く装備してないだろ」
「鎧とかは、重いし、動きが制限されるから、邪魔なんですよ」
大半のハンターは、少しでも生存率が上がるように鎧等の防具を付けて、怪物と戦っている。そんな中、賢也は普通の洋服で戦っているのだ。
「鎧は、加工が難しいけど、籠手位なら何とか作れそうだよ。あの外郭、頑丈な上にかなり軽いから、いいんじゃないかな」
「梶さんがそういうなら、お願いします」
「任せて!最高の籠手を作るよ」
梶に籠手の作成を頼むと、賢也は入り口には向かわず、屋上へ上がっていった。
「よし、帰るか」
人に見つからないように屋上へ上がったのだ。
賢也は、屋上から飛び降り、そのまま全力疾走し、家へと帰宅した。
「暫くは大変だな」
賢也は、自分に対する騒ぎが早く落ち着くのを期待していたが、この先も落ち着くことはなく、更に話題になる事を知るよしもないのであった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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