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10.修行開始! 基礎作り

賢也は四候闘剣術を教わるため、剣十郎の後を付いていく。


 家の中を奥に進んで行くと、道場があった。道場の中に入っていくと、剣十郎は賢也に座るように言った。


「まず、教える前に何故剣術を学びたいのか教えなさい」


 剣十郎は、賢也に問いかける。


「家族や友人、知人を護るための力が必要なんです。今、怪物達による被害があります。この間、私達も襲われました。今回は運良く生き延びる事が出来ましたが、次はどうなるか分かりません。自分の手の届く範囲の人を護る力が欲しいんです」

「護る力か…」


 賢也の答えを聞き、剣十郎は、静かに呟く。


「まぁ、良かろう。では、これまでに何か武術を習ったことはあるのか?」

「いいえ。ゲームの中で剣は使っていましたが、あくまでもゲームなので、きちんとした剣術を学びたいです」

「ゲーム?ボタン操作なんかで剣を使っているとは言わんぞ」

「いえ、VRです。ご存知ありませんか?」

「知らんな。興味もない」

「仮想空間の中にいる自分の分身を操作するんです。操作と言っても、体を自分の意思で動かすので、本当に自分が自身が動いている感覚なんですよ」

「ふん。よく分からんが、まあいい。剣が使えるかは、後で剣を交えてみれば分かるわ」


 ゲームに興味のない剣十郎は、どうでもいいといった表情で返した。

 

「まず、最初に言っておく。四候闘剣術は、普通の剣術ではない。操気術を基礎とする。力の必要な箇所に必要な分だけ、強化し、相対する敵に打ち勝つ剣術だ」

「操気術ですか?」

「人の体には気が流れている。これを自分の意思で操るのだ。そうすれば、このような事も可能になる」


 そう言うと、剣十郎は立ち上がる。立ち上がった剣十郎を見ていると、突然、賢也の前から剣十郎の姿が消えた。何が起きたか分からない賢也の背後から声がする。


「こっちだ」


 剣十郎は一瞬で賢也の背後に回り込んでいた。


「今のは、脚力に気を集中し、爆発させる事で、目に見えない速度で動き、お前の背後を取ったのだ」

「凄い!」


 VRではAgl重視の戦闘スタイルだったため、剣十郎の見せた目に見えないスピードで動けるのは、願うところであった。


「まずは気を練るところから始める。明日からしっかり取り組むように」


 こうして、賢也の四候闘剣術を修得するための修行が始まった。


 翌日、朝から特訓が始まった。気を練る特訓として、まず三調(調身、調息、調心)から始める。調身で気の流れやすい状態を作り、調息でリラックス、調心で頭の中を無にする。その後に丹田に力が溜まるイメージで、気を練る。これを昼まで行った。昼からは、山の中に入り、山の起伏を走り体力作りをする。当然、走り込みの時も気を練りながらだ。

 この地味な特訓を1ヶ月続けると、気の流れを感じる事が出来るようになってきた。調身をしながら、


「やっと気を感じ取れるようになったな」


 賢也は、自分の気の流れを感じ取れるようになると、ふと気が付く。


(うん?この気配は何だ?)


 何かの気配が近付いてくるのを感じ取った。近付いてくる気配は、剣十郎だった。


「ほぅ。もう気を感じ取れるようになったのか。筋がいいな。もっと時間が掛かると思っていたが」


 自分の気の流れが分かるようになった事で、周囲の気も感じ取れるようになったようだ。


「よし、次の段階に移るぞ。気を練る訓練はこれまで通り続けろ。毎日練り続ける事で少しずつだが、扱える気の量が増え、強くなれる」

「はい!」

「次は、気を操作する。今のお前なら感じ取れるだろう」


 そう言うと、剣十郎は右手に気を集中する。そのまま近くにあった岩を殴ると、岩が砕けた。


「今のは分かったか?」

「はい。師匠の右手に気が集中していました。それで力が上がっていたんですね」

「そうだ。体に流れる気を一部分に集中し、その力を増幅する。これを脚力にすれば、以前のように素早く動けるし、蹴りが強くなる。これが出来るようになるんだ」


 賢也は、まず気を練り上げた。そして、練り上げた気が右手に集まるイメージを作る。少しずつだが、右手に気が集まっていくのを感じる。


(いいぞ。これは直ぐに出来るようになるんじゃないか?)


 そう思った瞬間、右手に集まり始めていた気が霧散する。


「しまった。集中が途切れたか。直ぐ出来そうと思ったけど、維持するのが難しいぞ」


 こうして操気の修行が始まった。


 操気の修行を始めて1週間後、ついに右手に気を集中することが出来るようになり、剣十郎同様に岩を砕くことも出来た。


「師匠!出来ました!岩を砕けましたよ」

「もう出来たのか。飲み込みが早いな。見せてみろ」

「はい!」


 賢也は、剣十郎の前で右手に気を集中し始めた。


「どうですか?」


 賢也が剣十郎に確認する。


「駄目だ。時間が掛かり過ぎる。もっと一瞬で気を練るんだ。まだ次の段階に移るのは早い」

「はい。鍛練を続けます!」


 賢也は、未だ剣術を教わることは無かったが、剣十郎の言い付け通り、練気、操気の修行を毎日ひたすら続けるのであった。

気の操作。想像の世界で書いてます。

本当に出来たら凄いけど。


賢也はどんどん強くなりますよ


この先も読んでもらえると嬉しいです。

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