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区切り

しばらく泣いて、私たちはハッと我に返った。

「あー、ハルヒ、終わったね。学外。色々あったけど、終わった。」

ハルヒも鼻をかんで言った。

「三郷さんが、私のこと……。指導教員に言ってくれたの。そしたらね、神田さん、退学になった。」

その言葉を聞いて、巴原さんは私の方を向いてピシャッと言った。

「本来ならそれやるのはあんたの役目なんだからね。」

そして、「奈津にも教えてやらなくちゃ。あんな身体だけど、あなたのこと……本当に心配してたんだよ。」と言ってまた目に涙を浮かべた。


「巴原さん実は泣き虫なんだなぁ……。実は情があっていい人なんだなぁ……。」と私は1人思っていた。入学式の時の印象とは少し違う印象になっていた。


その日の夕食の時に学年会が開かれ、神田さんがいなくなった旨が伝えられた。みんなは淡々とその知らせを聞いた。何しろここでは退学者はそんなに珍しくない。四年生になるまでに半分近くは消えてしまうのだ。


だから……。大島さんも消えてしまった。

きっと無念だっただろうな、と思う。


その日の夜、神田さんが寮から荷物を持って、迎えに来たご両親と帰るのをハルヒと2人で見た。

「これでひとまず終わったね。あとは学内よ。」

「またレポート地獄ね。」

私たちはそうささやきあった。


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