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鏡の中

作者: ホニャララ

あれは今から数年前の話です。


当時バーでアルバイトしていた私はその日だけはシフトの関係で閉店まで1人で働いていました

閉店まであと1時間になり、疲れたなーと思っていると1人のお客様が来ました。格好はスーツ姿で仕事帰りかな?お疲れ様ですと思いながら接客をしていました。


お客様が席をたち帰りはじめたのを見ていると不意に靴がおかしなことに気がつきました。きっちりとしたスーツ姿なのに靴だけは古くボロボロで、まるで何十年も履き続けているかのようなのです。


お客様が店から出たとき私はある重大なことに気がつきました。

そう、お金を支払われていないのです。


慌てて私は店から飛び出そうとドアを開けると物凄い違和感を覚え、店の中で立ち止まってしまいました。

違和感の原因を探ると店の外に見える光景が普段と真逆になっていることに気がつき、何で?と困惑したままお客様を追いかけるのを忘れ店内に戻ってしまいました。

そして、いつの間にか寝てしまったようで次の日仕込みにきた店長に起こされるまでカウンターに突っ伏していました。


後日店長に呼ばれ、防犯カメラの映像を見せられました。

そこに映っていたのは



丁度閉店の1時間前、そうあのお客様が来た時間にいきなりバーカウンター内から店内に飾ってある鏡の前に行き1時間ずっとボーッと立っている私の姿でした。

そしてふと、鏡の中にあのお客様が私に向かっておいで、おいで、と手を振っている姿に気がついてしまい、怖くなりその日の話を店長にしました


すると店長は私に「もうこの事は忘れなさい」とだけ言うと私を家に帰らせました


次の日から店内に飾ってあった鏡は無くなり店長に聞いてもなにも教えてくれませんでした。

今にして思えばあの映像に映っていた鏡の中の人は何故か鏡の前の私ではなく、明らかに映像を見ている私に向かって手を振っていました...

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