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不思議な世界の冒険

この作品は、作者の趣味が含まれています。

ご注意ください。

プロローグ

私達が住んでいる世界とは全く違う魔法が栄えた世界。

澄んだ空気、心地よい風、地平線まで広がる大地。まさに最高の場所である。

そんな草原の丘に一人の少女が立っていた。

ポニーテールにサラサラとした赤い髪、スレンダーな体格、見事に着こなした動きやすい服、その背中には大きなコルト(この世界での銃)、そして片手には一冊の本。

彼女はA。名前はない。

いや、奪われたのだ。


運命

それは彼女がまだ幼い時、ある日村を襲った魔神によって両親を失った。

村には彼女しか生き残っていなかった。

「どうして・・・こんなことに・・・」

齢二桁にも満たない少女は、ただ立ち尽くすことしかできなかった。

「生き残ったのはあなただけ?大丈夫?」

ふと聞こえた女性の声。

振り向くとそこには大人の雰囲気を出した美しい女性が立っていた。

ロングの黒髪に、とんがり帽子。

フリルのついた服に変な形をした杖。

年齢は20代前半に見える、いや、それ以下かもしれない。

すぐにこの人が魔女だとわかった。

「・・・だ、だれ?・・・」

「そう怯えないで、大丈夫よ、私はあなたに悪意はないわ。 私はライコール・フォンデット。

あなたの名前は?」

「・・・」

とても簡単な質問・・・のはずだった。

「どうしたの?」

「・・・出せない・・・」

「えっ?」

「・・・思い・・・出せない・・・」

名前を思い出そうとすると頭が真っ白になる。

こんな初めてだった。

「・・・もしかして・・・名前を盗られたの?」

名前を盗られた・・・その言葉に少女は信じられないような顔をした。

「もし、本当に名前を盗られたなら、世界からいなくなったとして消えてしまうわ」

この世界では、名前こそが存在を証明する唯一の印。

名前がなくなると、周りの人に認識されなくなり、24時間で消滅する。

それがこの世界にある絶対不変のルールである。

「・・・どうしてあなたは私が見えるの?」

「私は普通の人には見ることができないもの見ることができるの。でも、消えてしまったら・・・本当に見えなくなるわ」

「うそ・・・いやだ・・・消えたくない・・・」

”消える” その言葉に・・・少女は恐怖に震えた。

”消える”は”死ぬ”とは違う。

”死ぬ”はいろんな人に見守れながら、神の祝福を受け、天へと向かう。

しかし、”消える”は・・・人々に忘れられ、祝福も受けず、天へも昇れず・・・その後、どうなるのか誰も知らない・・・神でさえも。

「・・・安心して、あなたに新しい名前をあげる」

「・・・えっ?・・・」

この世界では、新しく名前を付けられるのはスキルが必要である。

だが、そのスキルを持っているのは世界に数人しかいないといわれている。

「君は今日からAと名乗りなさい。仮の名前よ。」

”A"・・・とてもシンプルではあったが、自分には響きがよかった。

まるで、昔からそう呼ばれていたかのように。

「・・・あなたは本当に何者・・・?」

「通りすがりの魔女よ」

「魔女・・・」

「ただのね、・・・さて、あなたはこれからどうしたい?」

「?」

「ここでのたれ死ぬのもよし、ほかの町に行くのもよし・・・私についてくるのもよしよ」

「えっ」

「・・・親の仇を討つつもりはない?」

「!?」

「実はね、君の両親を殺した魔神はほかにも幾つもの村を破壊してきた奴なの。」

話を聞くと、その魔神は、人を殺して、名前を奪い、新たなモンスターを生み出すらしい。

「今まで襲われたすべての町を見てきたけど、生存者は一人もいなかった。だけど、あなたは生き残った・・・普通ではありえないことよ、あなたには他の人にはない才能がある。どう? 私の弟子になる気はない?」

「・・・私なんかが魔法使いになれるんですか?」

「なれるわよ。最強の魔法使いに・・・ね」

少女はとても戸惑った。

だが、同時にある思いが芽生えた。

両親を殺した魔神を倒せる、そしてなにより・・・自分の名前を取り戻すことができるかもしれない!

少女は決心した。

「ライコールさん・・・」

「何?」

「私を強く・・・いえ、私を魔神を倒すことのできる最強の魔法使いにしてください!」

少女は頭を下げてお願いした。

すべては自分の目的のために。

「頭を上げなさい、A」

「・・・はい」

少女は頭を上げた。

その顔は、先ほどのような弱弱しい表情ではなかった。

それは、決意を固めた表情だった。

「あなたが私の弟子になることを認めましょう。このライコール。フォンデットの名に誓って、あなたを最強の魔法使いにしてあげるわ」

「ありがとうございます」

「その前に一つお願いがあるの」

「なんでしょうか」

「できれば”師匠”って呼んでくれないかな?昔から師匠って呼ばれてみたかったの!」

「・・・」

「・・・だめ・・・かな?」

「・・・わかりました・・・師匠!」

「!・・・これからがんばりましょう、A!」

「はい!」


こうして、わたしは師匠こと魔法使い ライコール・フォンデットの弟子になった。

そして、地獄のような修行が始まった。

モンスターとも何度も闘い、私は強くなっていった。

すべては、両親の仇をとるため、そして・・・私の名前を取り戻すため・・・


旅立ち

~10年後~

とある山の中腹にポツンとたつ小屋。

朝日が出てきたとき、小屋から一人の人間が出てきた。

彼女はA。この小屋の主人である彼女の師匠ことライコール・フォンデットの弟子である。

今日は彼女が独り立ちする日だ。


「いい?A。君は10年間の厳しい修行をみごと耐え抜いた・・・もう私が教えることは一つもないわ。あとは己自身で技術をみがくだけよ。」

「はい、師匠」

今年で18歳となった彼女は、10年前の弱そうな面影は微塵も感じられない。

「行く前に一つ、あなたの師匠としてアドバイスをしましょう」

「・・・なんでしょう」

「・・・」

「・・・」

「そんなに緊張しなくていいのよ?」

「・・・ギクッ」

前言撤回 あまり変わっていない

「だって、この先一人で行くとなると少しこわくなって・・・」

「大丈夫よ。あなたには、特別なスキルがあるじゃない」

「・・・そうですか?」

「そうよ!自信を持ちなさい!あなたならきっとできるわ!」

「・・・わかりました!」

「うん!」

「私!Aは魔神を倒し、親の仇を討ち、私の名前を取り戻してきます!」

「その意気よ!がんばってらっしゃい!私も応援しているわ!」

「はい!いってきます!」

「わが弟子よ、また会おう!」

「それではまた!頑張ってきます!ししょおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ~~~~~!!」

「あ、あれ?崖から落ちちゃった?」

崖から落ちてそのまま坂をゴロゴロと転がっていくA。

幸先不安である。



山の下

「わあああああああああああ!いてっ!」

木にぶつかってようやく止まった。

「いたたたぁ、荷物はだいじょうぶかな」

転がっている最中に何か落としていないか確認する。

食料、水、日記帳、ローブ、カメラ、望遠鏡、地図

武器は、長い胴体を持つ魔弾発射砲、通称コルト(この世界でいうスナイパーライフル)

そして、師匠からもらった特別な本<ブック・オブ・クラフト>

「なんとか大丈夫だった、さてとまずは乗り物を出さないと、」

本を広げ、呪文を唱える。

「我の記憶の産物よ、今こそ姿を現し、我に遣えよ!」

ブォン

地面に大きな魔法陣が広がる。

大きい何かが出てくる。

そこから出てきたのは、車だった。

ただの車ではない、どんな荒れ地でも軽々走ることができるジムニーである。

「師匠のおすすめだけど・・・やっぱりかわいくない」

<ブック・オブ・クラフト>

使用者自身の記憶にあるものを実体化することができる魔法道具。

使用者の魔力によって、出せるもの上限が変わる。

いちいち長いので、ブクラと呼んでいる。

「あとは魔弾も出さないとね」

呪文を唱え、赤、青、緑といった様々な弾が出す。

これは魔弾という武器で発射砲を使うことによってその効果を発揮する。

赤は爆発、青は風、黄は感情操作、緑は回復など様々な効果をもつ。

余談だが、通常弾は無色である。

この世界では、色も重要な役割を持っている。

「これでよしと、お次は地図を開いてっと」

鞄の中から地図をだす。

この地図もただの地図ではない。

師匠特製のマジックアイテム<ステルスマップ>

開くときに念じると好きな場所を写し出す。

さらに、魔力を送ることによって、人、生物、物がどこにあるのかもわかる。

師匠によると、別の世界の地図に対抗したとのこと。

さすがは師匠!だれよりも上にいく存在です!

「この近くだと、<ストラーク>っていう場所が近いね。早速出発だー!」

ジムニーにエンジンを掛け、次の目的地である<ストラーク>に向かうA。

まさかこの旅が世界を巻き込むことになるとはその時の彼女には知る由もなかった。


道中こんなことがありました#1

ブオオオオオオォォォォォォ

「いい天気だなぁ~」

どこまでも続く道、窓から入ってくる風、ちょっと丘が見える草原

頭に浮かんでくるのはもちろん

「平和だな~」

ブオオオオオオ

「そうだ、出来るうちにやっておこ」

何を思ったかジムニーを止めた。

ブオオォォ・・・キキー!

「このあたりでいいかな」

~5分後~

ザワザワザワザワ

バァン! カンッ!

突如響く銃声と何かが当たる音

「鈍ってなくてよかった、サプレッサー付けてないけど・・・大丈夫だよね?」

銃声の正体は、Aが使ったコルトだった。

彼女は日課として毎日射撃の練習していた。

ちなみに彼女の腕前はというと、

「今のは2キロくらいだから、次は2.5キロを目指そうかな」

相当うまいです。

※補足

彼女が使ったのは、青の風属性。

使うことにより風を起こしながら、高スピードを出すことが出来る。

基本的、障害物に当たらなければどこまでも飛んでいく。

普通2キロも飛ばねーよ、バカなの死ぬの?と思った方

安心してください、魔法です。

結構長く続くと思います。

読んでくれたらとても嬉しいです。


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