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呼び方を変えようよ?
「ねぇ、モルダ」
『はい! 愛子様』
「……」
うーん。どうにかならないかなその呼び方。
「愛子様って呼び方変えようよ」
すると、モルダはキョトンと可愛らしく首を傾げて
『愛子様は愛子様です!』
と、可愛らしい笑顔で答えてくれた。
「………」
「モルダ、僕のことディアンで良いんだよ?」
『恐れ多いですー…』
「僕、ディアンってモルダに呼んで欲しいんだけどな…そんなにディアンって呼ばれた事が嫌なの?」
と涙うるうると潤ませていると
『はぅっ! …ディアン様と呼ばせて頂きますー!』
(愛子様が私を上目遣いでうふうると見てらっしゃる…! 反則ですー…)
と、様付けだが名前を呼んでもらうことに成功した。
「よし、王都へ行こうか」
『私も行きたいです!』
『僕もー』
『行きたいー』
『駄目ですっ! ディアン様はモルダと行くんですーー!』
とモルダは頬を膨らませて妖精たちを追い払っていた。ふふふ皆で行っても良いんだけどね。
『ディアン様! 行きましょう』
「うん、行こう。」
王都へ――――