夢オチでしたーなわけ無かった
「…ハッ!!」
………夢か。
『愛子様〜! おはようございます〜』
……じゃ無かった。まぁそうだよね…
実は夢オチでしたーなんてことは無いか。
ちょっと現実逃避したくて仮眠してたわ。
「おはようモルダ」
『えへへ』
モルダは名前を呼ばれて嬉しそうにくるくると飛んでいる。
僕はこの妖精にモルダというマナを与えた。
すると光輝き、肩までの髪が腰まで伸び体も大きくなった。しかし………
マナを受けた妖精は成長する。
そして、主と絆ができ、ともに生活する中で少しずつ主から魔力を貰いながらゆっくりと成長するのだ。
しかし、モルダは僕の魔力でだいぶ成長していた。普通ここまで成長するだろうか?いや、それは無い。
だが…モルダはもう、手のひらサイズではない。実は幼稚園児ほどの大きさまでに成長していたのだ。
…おかしい。成長速度が早すぎる。もう、モルダは精霊へ格が変わるか変わらないかというところまできているのだ。
考えられる理由は、まぁ…思い当たるんだけど。主が僕だから影響されているから、そしてマナを少し魔力を込めた言葉で与えたから。かな?
あ…そういえば。
昔格の高い精霊がマナを与えて妖精を急激に成長させたといった事例が………
まぁ、父上がしたことなんだけど。僕も同じことをしたらしい。事例の時父上は精霊王ではなかったためここまで成長したという記録ではなかったが、僕が精霊王の息子だから、それに影響されてモルダがここまで成長したのだろう。驚きである。
そしてモルダは可愛らしい幼女に成長したのだった。