うっかり契約しちゃった
久しぶりの人間の世界…前に来た時は300年前か?父上がなかなか人間の世界へ行かせてくれず、精霊の国で精霊の歴史、人間界の歴史について勉強させられてたからな。そして、今僕のいるところは前来た時との様に花々が咲き乱れる森の中であまり変わっていないように見える。
「ねぇ、君たち。人間が多くいる場所を知ってる?」
と妖精に問いかけた。
『愛し子様!』
『知ってます~!』
『王都!王都!』
とあちこちから妖精が嬉しそうに答えてくれた。…うん。可愛いわ
僕って可愛い物が好きだからさ、こんなに妖精集まってくれたら嬉しい。
精霊の国ではほとんど精霊で、妖精は人間界で成長してからくるからなかなか妖精とは会えないんだよね。
おっと、話がそれてしまった。
「王都?」
『はいです~』
『人いっぱい!いっぱい!』
『たーっくさん!』
ふむ…王都か…。
300年前とどう変わったか見に行ってみるか…
ん?何か服を引っ張って…
『愛子様~』
妖精がキラキラした目で僕の袖を引っ張っていた。可愛いは正義だ。うん。よしよし…と頭を指で撫でていると
ぱぁーっと妖精が輝きはじめた。
「あ。しまった」
どうやら妖精と契約してしまったらしい…
妖精は力を蓄える間に主を決めて力を分けたりする。精霊になっても主としたり、主から去ったり…。自分が気に入って決めた人間に賛意を貰うと契約が完了する。それは妖精しか解除できない、精霊との契約だと、精霊からも解除が可能だが………。
『愛子様〜! よろしくお願いしますー』
とキラキラした笑顔でされたら解除できないだろう!まぁ、できて困るものでもないか…