最終話 ハーレムを辞めた
今回で連載は終了です!
最後までお読みいただきありがとうございました!
その夜、俺はエリザとはじめて愛し合った。
魂が抜けるような感覚があったのかどうかわからないけど、エリザはすごくきれいで、かわいかった。
「アルトさん、大好きです」
「俺もだよ、エリザ」
あんまり、魂が奪われると困るけど――
エリザが嫁でいいや。
◇
次の日。
俺はミルカ姫に伝説の剣を返しに行った。
だって、魔法の効果が切れたら、俺は剣をあげたいと思うこともないただの男かもしれないから。
「えっ? なんで返しに来たんですか?」
でも、姫の反応はこれまでと何も変わらなかった。
「お前はどこまでも殊勝な男だな。そんなお前にこそ、その剣はふさわしいぞ」
マリシャもそれは同じだった。
「アルトさん、何を不思議がってるんですか?」
エリザがいたずらっぽく言った。
「あくまでも、この人間関係はアルトさんが自分の力でちゃんと作ったものですよ。別に力の悪用だけでこうなったわけじゃないでしょう?」
どうやら、俺の生活はこのまま続くらしい。
「そうだ、今度、藤の花がきれいに咲いているんですよ! また、お花見をいたしませんか?」
姫がそう提案した。
「いいですね、姫、では大魔導士殿にも早速手紙を書きましょう」
マリシャも乗り気らしい。
ああ、よかった。
せっかく仲良くなったみんなと別れるのは嫌だからな。
「あっ、そうだ、姫にも伝えておきたいことがあるんですよ~」
エリザが陽気な声で言った。
「あっ、冒険者のエリザさん、何ですか?」
姫がくったくなく尋ねる。
「私、アルトさんの妻になりましたので!」
その瞬間、部屋の空気が凍りついた。
「昨日、アルトさんと契りを結びました! 子供は三人は作る予定です!」
「お前、こんなところで言うことないだろ!」
「むしろ今言わないでいつ言うんですか? 変な期待を持たせたままのほうがひどいですよ! それに不倫でもいいって言う人がいるなら止めはしませんし!」
「もう、いい! 黙れ!」
このあとの藤の花見もすごく怖くなってきた……。
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