表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/20

18 告白

 男の娘かよ!


 そうか、女神が言っていたのはこれだったのか。

 対象範囲が女性から女性っぽいものにまで広がったんだ。


 待てよ、これ、さらに範囲が伸びて人間すべてとかになったら、大変なことになるぞ……。


「ボク、古着屋に生まれたせいで、いろんな服を着てたから、女の子の格好するのも好きだったんですけど……こうして男の人を好きになったのははじめてです……」


 これはダメだ。


「悪い! 君の性癖は尊重するけど俺には無理だ!」


 走って試着中のまま出ていった。


 店の中ではエリザが物色していた。


「あれ、なんで急いでるんですか?」


「逃げるぞ! 男の娘に【チャーム】が効いた!」


「えええ! 節操ない能力ですね!」


「俺もそう思う!」



 そのあと、俺は強引に昼寝した。


 女神が出てくるかもしれないと思ったからだ。


 女神はちゃんと出てきた。


「あの…………その……すいませんでした……」


「起こったものはしょうがないですけど、この能力ってどうなるんですか……?」


「おそらく【チャーム】は女子っぽい見た目の人を超えて、人間全部に効くようになりそうです……」


 地獄か。


「もういい! 今のままでいいから【チャーム】を停止してくれ!」


「はい、たしかに【チャーム】の効力が生まれなくする方法はなくはないです……」


 そのあと、女神は俺に方法を言った。



「あっ、目が覚めましたね。おはようございます」


 目を開けると、エリザの顔があった。


 ちょっと、その顔を見るのが照れくさい。


「女神に対処法を聞いた……。【チャーム】は悪化するけど、それ自体を止める方法はある……」


「それはいいですね。どうするんですか?」


 俺はごくりと唾をのんだ。


 エリザの目をそらしたけど、やっぱり、もう一度エリザのほうに目を向ける。


「一線を……超えると【チャーム】は止まるらしい……」


 しばらく、俺たちは黙って見つめあった。


 エリザがゆっくりと口を開いた。


「それを私に言うというのは何か特別な意味があるんですか?」


「魂の懸念はあるけど……お前にしようと思う……。り、理由はあるぞ……」


 理由があるのは本当だ。


「だって、お前以外の人間には【チャーム】の影響があるかもしれないからな……。そういう子と相手をするのは、その……よくない気がする……。ハーレムを望んだ俺が言うのもおかしいかもしれないけど……」


 毎日顔を合わせてるのになんでこんなに恥ずかしいんだ。


「でも、お前だったら、もともと俺が好きだったわけだし、【チャーム】も効かないし、いいだろ……?」


 エリザはふふふっとやさしく笑った。


「いいですよ、アルトさん」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ