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もけもけもけ。

作者: 草月叶弥

ねーこみみっ!ねーこみみっ!!


はい、こちら“ゆうな”です。

本名は“立花ゆうな”です。


ワタクシ、現在、超絶テンションたっっかいです。


何でかって?


目の前にテライケメン☆の猫耳男子(推定年齢20代後半)がいるからです!!!


しっぽもあるよ!!!(ここ大事)


「貴様、何を考えている」


たいしたことじゃありませんよ★


もふもふしたい(。・ω・。)

とか。

このゴットフィンガー(自称)でなで回してメロメロにしたい(o´∀`o)

とか。

当たり前のことばかりですよ!言わないけど!!


おにーさんはブルッ、と身体を震わせると「ついてこい」っと言い捨ててどんどん歩いてゆく。


さて問題です。


目の前でゆらゆらと左右に揺れるステキ物体A!!

アナタはこれをどうしますか!!??


答:思う存分なで回す!!!


よっしゃぁぁ!やったるでぇぇぇ!!


大人しく後ろを歩きつつ視線は標的(しっぽ)にロックオン!!

両手をわきわきさせつつできる限り気配を殺して近づきます。

あ、実際には気配を殺すなんてできないので気分ですよきーぶーんー。

ゆらり、と揺れるしっぽをタイミングを見計らってつかみます。

そのまま根本に向かってスーっと手を滑らすと……ふぉぉ!!素晴らしい毛並みっすよ!

やっべ、これ止まんない。

何度も何度も手を滑らして指の腹で優しくマッサージ。

逃げようとしてたしっぽも今では私のされるがまま。

本体も


「貴様、何を!?」

「やめろっ…!触るなっっ!!」

「ひあっ……や……やめ……」

「……(びくんびくん)」

↑イマココ


以上の遍歴をもって道端で倒れこんで顔を真っ赤にしてます。

なでるたんびに『びくんっ』て体が跳ねるのがすごく面白いです。

途中半泣きだった気もするけどしっぽに夢中でスルーしました★

でもいつもなら嬉しそうに気持ち良さそうにしてくれるのに、このイケメンは真っ赤で苦しそうだなぁ。メロメロにするにはまだ足りないののかな?

ならばゴットフィンガー(自称)の名にかけて、メロメロにせねばなりません!!

地面に転がってた頭を膝にのせて、次はお耳と行きましょう。

そっとお耳に触れたら理性はぶっ飛びました。


ふぁー!!お耳も素晴らしいね!!

これはダメだ。人をダメにするお耳だね!


わしわしなでなでさわさわと無我夢中で触っていたらどこからか声が聞こえますよ?

あ、本体さん?どしたの??


「そろそろ離してくれっ!」


えーもっと触りたいのにー

でもなんか凄い必死ですよこの方。


「ここは道端だし、その……続きは家でもさせてやるからっ……!」


言質とったー!やったー!じゃあいこっかー。


「あぁ、こっちだ」


真っ赤になったイケメンおにーさんに手をつながれました。

繰り返します

真っ赤になったイケメンおにーさんに手をつながれました。


ヤバイ。無茶苦茶恥ずかしい。迷子防止とか、おさわり禁止とかその程度の理由なんだろうけど恥ずかしい。


真っ赤になりつつおにーさんに連れられてたどり着いた先は私にとって


パ ラ ダ イ ス 


でした。

どこを向いても獣耳と獣しっぽが標準装備されています。

イヤッホーーイ!!あっちも!こっちも!!そっちも!!!

猫耳犬耳兎耳熊耳狐耳その他もろもろエトセトラ!!!

頭の上にちょこんと生えている様々なお耳たち。

スカートやズボンの切れ目からでている素晴らしいしっほたち。


ここは天国ですか?天国ですね!!!


テンションMAXで走りだそうとしたら繋いだ手を引かれました。


「どこに行く気だ?」


いやーちょっとあの天国に突入してくるだけですから離してくれませんかね?

自分的に精一杯可愛くおねだりしたんですが、イケメンは手を離してくれないどころか、さらに強く握ってくれましたよ。


「本人の許可なく獣部分を触るのは痴漢行為として憲兵につきだされる。

捕まりたくなければ大人しくついてこい。」


衝撃の事実にゆうなビックリ。

では私は先ほどおにーさんに痴漢行為を働いたことになるのですね。

何てこったイ!!!


「さっきのは…あー知らなかっただろうから大丈夫だ。

………気持ちよかったしな(ボソッ)」


呟きは聞こえませんでした、よー。次も頑張ろうとか思ってないよ(ヾノ・∀・`)


あっちにフラフラこっちにフラフラ魅惑のもふもふに引き寄せられそうになる私の手をがっちり掴んだおにーさんに連れてこられたのはでっかいお屋敷でした。


与えられたお部屋でツンツン侍女さんをゴットフィンガーでメロメロにしたり、堅物執事さんをメロメロにしたり、護衛の人をメロメ(以下略)にしたりして幸せ一杯の生活を送っていたらいつの間にかおにーさんと結婚することになってました。


いやまじでなんで?


確かにおにーさんをメロメロにするのは大変で持てる技術を総動員しましたけど!


一旦落ちてからは暇さえあれば撫でられに来てましたけど!!


ま…まぁこれだけ懐かれて愛されたら悪い気はしないんですけど。


ぶっちゃけると、私も好きでしたけど。


でもこの世界にきて色々勉強もしておにーさんが騎士団長さんで偉い人で私はこの世界では希少な人間とはいえ結婚とかそんなんは無理だと思ってたんですよね。


それをね、おにーさんはごり押しで周りの許可をもぎ取ってきたそうで。


私に内緒で準備を進めていて式は明後日だそうで。


王様とか来ちゃうので今更取り止めとかできないそうで。


最近、執事さんの勉強内容がやたらマナーとかその辺りが多かった理由が判明しましたよね。

ご機嫌で帰ってきたおにーさん改めてシュバルツの頬に全力で拳を叩き込んでこんこんと正座で説教してから、ぎゅっとして奥さんにしてもらう事にしました。


そこからは怒濤の日々でしたが今は幸せなので良いとしましょう。


沢山子供もできて、孫の顔も、ひ孫の顔も見れて本当に幸せ。





でもねシュバルツ。





こんなに愛されて幸せで一杯なのに私、元の世界に帰る夢を捨てられなかったの。

だからごめんね。

「来世でも一緒に」

って言ってくれたのに。私、帰りたいの。

だから次は貴方がこちらの世界に来てね。


待ってるわ。


愛しい人。





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