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予言の聖女は囚われる  作者: ナルハシ
最終話 蒼穹の賢者
32/45

7-1 約束は守った方がいい

 神よ……


 神よ、あなたは何故、僕にこの眼を授けたのですか?



 ある御方は、僕のこの眼を素晴らしいものだと言った。

 その人は僕が視たものを信じた。

 自由を求めて戦いを挑み、国を創り、病により命を落とした。


 僕の視た通りに。



 またある御方は、僕のこの眼を忌まわしいものだと言った。

 その人は僕の視たものを否定した。

 支配を望み戦いに赴き、国土を広げ、戦いの中で命を落とした。


 やはり、僕の視た通りに。



 神よ、僕はこの眼を以って何を為せばよいのですか?


 僕は視たくない。

 栄えたものは必ず衰える。

 僕はそれを見続けることが辛いのです。

 それが視えてしまうことが恐ろしいのです。


 神よ、何故、何故、僕に――……




 ――意味を求めているのか? 存外、面倒な奴だな。


 人には天に与えられた役割があります。

 僕にも、あなたにも。


 ――お前の話はつまらないな。


 ――誰に与えられたモノであろうと、お前のその力はお前のものだ。

 ――視たくないと言うのならば、その眼を閉ざせばよかろう?


 しかし……


 ――暗闇が恐ろしいと言うのか? 本当に面倒な奴だな。


 ――ならばその眼をほんの少しだけ開いておけ。

 ――足りぬ分は、我が照らしてやろう。


 ……あなたは、御自身が神であるかのような物言いをするのですね。

 ……あなたは、神を信じてはいないのですか?


 ――信じていない訳ではない。その存在の有無を知らぬだけだ。

 ――だが、お前にはその不確定な存在が必要なのだな。


 僕は……


 僕はどうすればいいのでしょうか……?



 ――そうだな、では……




「約束するか?」

「はい……約束します」

「うむ。ならば我も、お前の望みを叶えられるよう努力しよう」


 ――それで良いな? 蒼穹。

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