止まった時計と、動き続けるウラン」――ホメイニの死後、核をめぐるイランの30年
第1章:「ホメイニがいなくなった――でもイランは止まらなかった」
ひとり:「ホメイニさんって、イラン革命のリーダーですよね?でも亡くなったら…平和になったんじゃ……?」
リョウ(無表情で):「ノーだね。ホメイニ死去は1989年。だけどイランは“神政国家”のままだよ。次に来たのはハメネイ、ホメイニとは思想が違っても“体制維持”は徹底された。」
圭介:「ホメイニの遺言は“革命を守れ”。つまり、“西側と仲良くするな。核も必要なら作れ”。イランは以後、核技術に本格的に向かう。」
ちさと(腕を組んで、口角を上げつつ):「でもさ、核開発って、“悪い”って誰が決めたの? イスラエルも核あるよね?アメリカなんて何千発もあるのに?」
夏美(静かに):「でも、その論理が通ったら、みんな持ちたくなるじゃない……。いつか、誰かが引き金を…
第2章:「濃縮されたのはウランだけじゃない。“疑念”もだよね」
ひとり:「え、イランってほんとに“核兵器”作ろうとしてたんですか…?」
リョウ:「そこが問題なんだよ。“民間利用”って言いながら、高濃縮ウラン(90%)が検出された。兵器級に近い。でも“証拠”はない。」
圭介:「国際原子力機関(IAEA)は監視してるけど、イランは査察拒否も多い。アメリカやイスラエルは“爆弾寸前”と警告してる。」
ちさと(少し首を傾げながら):「でもね、私こう思うの。“核を作ろうとしてる国”より、“自分は絶対撃たないよ”って言って持ってる国の方がよっぽどこわくない?」
(間)
ちさと(今度は真剣な顔で):「イランの“疑われた”歴史は、ずっと“制裁”で答えが返ってきた。で、生活が苦しくなるの。病院も、食料も。結局、“爆弾”じゃなくて**“経済”で人が死んでる**のよ。
第3章:「アメリカとイスラエルと、イランの三角関係」
ひとり:「アメリカって、イランが核を持つのがそんなに怖いんですか…?」
リョウ:「怖いっていうか、“均衡が崩れる”んだよ。イランが核を持てば、**サウジアラビアも持ちたがる。トルコも欲しがる。**中東が“引き金に手をかけた”状態になる。」
圭介:「アメリカは2015年、イランと“核合意”を結んで、制裁を緩める代わりに濃縮制限・査察を強化した。でも2018年、トランプが一方的に離脱して台無しにした。」
ちさと(苦笑しながら):「あれ、あたしですら“ハァ?”ってなったわ。“合意したのに破る”って、“付き合ってるのに既読スルーで別れる”みたいなもんでしょ。で、イランはキレて濃縮再開。」
夏美:「でも、その結果一番困ってるのは、“今日の薬代”を心配してる普通の人たちなのよ……
第4章:「今のイランは、“内側”から燃えかけてる」
ひとり:「でも、戦争になってないし…イランは大丈夫なんですか?」
リョウ:「いや、社会は揺れてる。“女性の服装規制”に抗議して学生運動が拡大。2022年にはマフサ・アミニさんの死亡事件で大規模デモが起きた。」
圭介:「政権は弾圧で対応したが、若い世代は“神の名の正義”を信じなくなってきている。それが一番の“核の脅威”になるかもしれない。」
ちさと(ふっと息を吐いて):「“銃を持った男より、スマホを持った女の子の方が世界を変える”って、ある国の兵士が言ってた。今のイラン、まさにそれなんだよね。」
夏美(強く):「革命も、核も、正義も……“死なない自由”のためにあるべきなのに。イランの若者は、それを“生きながら証明”してるの。
キャラクター別モノローグ(2020年代のイランを見て)
後藤ひとり:
「自由って、“選べること”じゃなくて、“疑えること”なのかも……。その自由が怖い国もあるんだね」
山田リョウ:
「核とは、“武器”じゃなく“交渉の切り札”になった瞬間が一番怖い。今のイランは、まさにその場所に立ってる」
錦木千束:
「国家は“核”を持ちたがるけど、人は“未来”を持ちたがってる。そのズレに気づけないと、“未来”が爆発するの」
須賀圭介:
「“神の名の革命”と“経済制裁の現実”が交差する時、報道はどこに立つべきか。たぶん、一人の泣いてる市民の側だ」
夏美:
「どんな信仰でも、命より重くなっちゃいけない。そう教えてくれるのが、今のイランの人たちだと思う