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神の名のもとに戦う時代」――イラン革命とイラン・イラク戦争

第1章:「イラン革命――王様が消えて、神が国を支配するようになった」


ひとり:「あの…なんで国王がいたのに、宗教の人が政治をする国になっちゃったんですか……?」


リョウ:「それが1979年のイラン革命だ。王政(パフラヴィー朝)による西洋化と貧富格差に民衆が怒り、イスラム教シーア派の最高指導者ホメイニが亡命先から帰国して政権を取ったんだよ。」


千束(目を細めて):「民衆は“自分たちの声が届く国家”を求めた。でも実際にできたのは、“神の代理人が支配する国家”。選挙はあっても、最後に“認可”するのは神学者たち。それが“イスラム共和国”。」


圭介:「ホメイニ政権は“反アメリカ・反世俗主義”を掲げて、アメリカ大使館を占拠。“反西洋革命”の象徴となった。」


夏美(複雑そうに):「でもそれで、女性たちはどうなったと思う?髪を隠さなきゃ罰せられる。音楽や映画も制限。革命が“自由”だったのは、ほんの一瞬だったのよ。


第2章:「イラン・イラク戦争――サダム・フセインが仕掛けた“宗派の壁”」


ひとり:「で、その後に戦争が起きたんですよね…?でもイランもイラクもイスラム教でしょ……?」


リョウ(地図を指差しながら):「イランはシーア派(多数派)、イラクはスンニ派(少数支配)。宗派も国家体制も水と油なんだよ。」


千束:「しかもフセイン(イラク大統領)は、“革命の波がイラク国内に飛び火する”のを恐れたの。だから“混乱してる今がチャンスだ!”って、国境を越えて侵攻したのよ。1980年、全面戦争開始。」


圭介:「この戦争は“中東冷戦”だ。アメリカもソ連も、敵味方を超えてイラン革命の拡大を止めたかった。だから、イラク側に武器を流していた。」


夏美(怒りをにじませて):「でもその結果、使われたのは化学兵器だったのよ? 民間人の村で、子どもたちの肌が焼けたの。“宗教の違い”で死んだんじゃない。武器を持った大人たちの都合で死んだのよ。


第3章:「8年の泥沼戦争――なぜ止まらなかったのか?」


ひとり:「戦争って、誰かが“もうやめよう”って言えば終わると思ってたのに……」


リョウ:「イラン・イラク戦争は1980年から1988年まで続いた。両国合わせて100万人以上が死傷。だけど停戦交渉は何度も拒否された。理由?“面子”と“殉教”。」


千束:「戦争が始まると、国家って“引き返す理由”を探さない。“勝つ理由”しか探さない。だから若者たちが地雷原に突撃させられて爆死していったのよ。」


圭介:「さらに問題なのは、国連の対応が遅すぎたこと。冷戦構造で利害が分かれ、何度も停戦決議が無効化された。1988年、ようやく国連安保理決議598号で停戦成立。」


夏美(静かに):「でも、その間に生まれた子どもたちは、“戦時教育”しか受けてなかったの。彼らの世界は、“敵がいるのが前提”だった。


最終章:キャラクターたちのモノローグ(現代への視座)


後藤ひとり:


「なんか……“革命”って聞くとカッコよく思ってたけど、その後に“何を壊して何を作るか”が、いちばん難しいんだなって……」


山田リョウ:


「宗教、政治、石油、革命、戦争。それらが組み合わさると、戦争は止められなくなる。“正義”が多すぎる時ほど、殺し合いは簡単になる。」


錦木千束:


「正義は武器になる。そして、敵が“同じ神を信じてる”ほど、その武器は鋭くなるの。いちばん壊れるのは、信じた人自身よ。」


須賀圭介:


「イラン・イラク戦争は“忘れられた戦争”だ。でもあの戦場で交わされた祈りと絶望は、今の中東の“根”にある。」


夏美:


「革命で勝った国も、戦争で勝った国も……市民にとっては、“明日も生きられるか”がすべてなのよ。

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