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この島は、名前で戦ってる」――台湾・民主と圧力のあいだで

第一章:「ひとつの中国? “違う”って言いたいのに…」


ひとり:「あの、台湾って“国”じゃないんですか……?パスポートあるし、大統領もいますよね……?」


リョウ(肩をすくめて):「国際的には“未承認国家”扱いだ。国連には入ってないし、正式に“台湾”って呼べる国も少ない。」


千束(少し語気強めに):「でもね、台湾の人たちは自分たちの政府・選挙・教育をちゃんと自分たちでやってる。これが“民主主義”のかたちじゃなきゃ、何がそうなのよ?」


圭介:「中国(中華人民共和国)は“台湾は中国の一部”という『一つの中国』原則を堅持していて、これに反する言動をすると企業や国ごと制裁対象にされる。」


夏美(真剣な顔で):「でも、台湾には自分たちの未来を“自分で選ぶ”という文化があるの。私たちはそれを“国じゃない”と切り捨てられる?


第二章:「民主化って、涙のあとに来るものだから」


ひとり:「えっ、でも台湾って昔から民主主義だったんじゃ……?」


リョウ(冷静に):「ノンノン。実は1987年まで戒厳令下だったんだよ。国民党が独裁してて、野党すら禁止だった。」


千束:「“選挙で殴られる”“言論で捕まる”そんなの当たり前の時代。民主化って、声を上げた人の数だけ血が流れた後に来るのよ。」


圭介:「転機は“1996年”。初の総統直接選挙が行われ、台湾の人々が自分の手でリーダーを選べるようになった。これは中華圏では“革命的”だった。」


夏美(語りかけるように):「それでも、選挙の日は不安だったの。“もし中国が攻めてきたら”って。それでも投票所に向かう人たちがいたのよ。未来のために。


第三章:「蔡英文というリーダー――対立と希望の境界線」


ひとり:「あの、ツァイ…エイ…ぶんさん? その人ってすごいんですか?」


リョウ(頷きながら):「蔡英文。法学博士で英語ペラペラ。理知的で国際派。2016年、女性として初の総統に。支持基盤は若者と都市部。」


千束:「彼女は“台湾は台湾だ”ってはっきり言うの。中国に媚びない、でも挑発もしない。ギリギリの綱渡りよ。私は、彼女みたいな人を“戦う人”だって思う。」


圭介:「2020年には過去最多得票で再選。背景には香港デモの影響が大きい。“香港が飲み込まれたなら、次は台湾か”って不安が広がってた。」


夏美:「蔡さんの演説で、“台湾は、恐れずに、自分の道を歩みます”って言葉があったの。あれで泣いた若者、たくさんいたのよ。


第四章:「中国の圧力と、“静かなる侵攻”」


ひとり:「で、中国は……武力で攻めてくるんですか?」


リョウ:「攻撃はミサイルだけじゃない。“サイバー攻撃”“フェイクニュース”“経済圧力”……全部、静かに台湾を蝕んでる。」


千束(鋭く):「あと、台湾海峡の“越境”飛行。戦闘機が台湾の防空識別圏に毎日のように入ってくる。心理戦よ、これは。」


圭介:「“戦わずして屈服させる”のが中国の戦略。政治的孤立、国際的排除、経済依存。台湾が“世界の中で消える”のを狙ってる。」


夏美(悲しそうに):「それでも台湾の人たちは、“民主主義をやめない”ことを選んでるの。誰かの声に従うんじゃなくて、自分たちで未来を決めるって……それが、一番強い抵抗なのよ。


キャラクター別モノローグ総括:


後藤ひとり:


「なんか……“国”って、線を引くことじゃなくて、“選ぶこと”なんですね……ちょっと、泣きそう……」


山田リョウ:


「“存在する”ってだけで圧力を受けるなら、それはもう国家と呼んでいい。台湾は、事実として、そうなってる。」


錦木千束:


「自由って、もらうもんじゃないの。守るものよ。歯を食いしばってでも。」


須賀圭介:


「この島は、“何もしていない”わけじゃない。“何も譲らない”という態度を、静かに世界に示し続けてる。」


夏美:


「台湾の街角に灯る明かりは、祈りに似てる。あの明かりが消えないように、私たちは、見ていなきゃいけない。

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