タイトル未定2025/01/31 14:47
すっかり人の通りもなくなり、夜が更け始める頃となった。道楽人二人でゆらり、コンクリートの味気ない道を、街灯がポツポツとあるだけの平凡な道を歩くのだ。こちらは程よい田舎であるのだ。電車やバスなんてものも昼間はそれなりに通ってはいるが、夜になるとめっきり鳴りを潜めてしまって、最終列車はとうの昔に通り過ぎてしまった。然しまぁ、田舎にしては夜中までひっそり明かりを灯している珍しい銭湯なのだ、散歩道に調度良いだろう。夜闇に酔いしれて進もうでは無いか。
自動車も通らない時間の閑静な住宅街は、少し夜更かしをするいたずらっ子の部屋、孤独晩酌の部屋から漏れる橙の灯りと、またまた心細い街灯と、赤色が点滅する信号機だけしか無かった。あまりにも何も無い。平和であるその道を私と同居人とが歩くと、寂しいコンクリートの道はじゃり、じゃり、と小石を伴った音を反響させた。その音が子気味よくて家を出て暫くは何も話す気にならなかった。
暫く進むと寂れた公園に出会う。そこでようやっと同居人が口を開いた。
「夜のこの街は昼間を嘲るかのように静かであるね。孤独だよ、全くもって孤独だ。」
そういえばそうであった。この同居人は、仕様がない。悪癖である。普段は何事もありませんでしたよと恍けるくせ、夜にはどうにも寂しくなってしまって、たまに感傷に浸るのだ。
「なんだい、珍しい、君、さては溺れているね。良い機会だ散歩道の話ネタにしよう。馬鹿にしてるのじゃあ無いよ。私も友のことは気になるのだ。本気さ。」




