angels
●印象に残る要素は多いが、「ある程度の個性」に留まっているところも。
【収録曲】
1.カモフラ-ジュ
2.サマー・イン・サマー
3.歓声をさがして
4.味方
5.綾
6.正直な話
7.翠
8.仕事が終わったら
9.リルフィン・リルフィン
10.ギャグにしようぜ
11.舌
12.白春夢
13.花びらの中に
私は今作で初めて彼らのアルバムを聴いたのですが、平たく言えば「シンプルな3ピースのギターロック」といった感じでしょうか。ただ、ボーカリスト・椎木知仁の声質が結構粘着質だったり、歌詞の世界観が全体的にウェットだったり、ひねくれたラブソングである『正直な話』やコミカルなパンクナンバーの『仕事が終わったら』のような曲がある一方で、『リルフィン・リルフィン』や『舌』のように生々しい描写を見せる曲があったり……と、色々と印象に残る要素が多く、少なくとも「ありがちなギターロックバンド像」からは脱しているように思えます。
しかし、「それが強い個性に繋がっているか」と聞かれたら、簡単に肯定できないところもあります。実際に影響を受けたかどうかは分かりませんが、個人的には、「銀杏BOYZ」と「クリープハイプ」と「それでも世界が続くなら」を足して3で割ったような印象があり、それゆえに「ある程度の個性」に留まっているように感じられました。まあ、これらの3バンドに比べたら「癖」は薄めである意味聴きやすいので、その観点からすると、結構「間口」が広い作品と言えるかもしれません。
評価:★★★★