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日常
11時32分。二度寝から目覚めた蓮は、瞼を擦りながら重たい身体をベッドから起こす。
「ちょっと寝すぎた…。」
タンスにぶら下がった制服を見て、深いため息をついた。
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キーンコーンカーンコーン
昼休憩のチャイムがなる中、蓮は鞄を背負いながら靴を下駄箱に収めている。
「あいつ…また遅刻。」
「どうせ退学するでしょ。」
女子は噂話や陰口が大好きだ。それならまだしも、本人に聞こえてしまったらそれはただの悪口なわけで。
(聞こえてるよくそったれ。)
悪口を言っている女子生徒たちに面と向かってそう言えたらどんなに楽か。そんなことを考えながら蓮は女子生徒たちを避けながら階段を駆け上がった。