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番外編【神話を演じて『魅せた』青年】中編


馬に乗った騎士達に連れて行かれた先は

大きな城の地下にある牢屋だった。



なんでもこの世界は2つの大きな国があり、

そしてその2つの大きな国が1つになるべく、

最終戦争『ラグナロク』が始まり

今まさに激しい戦争の最中なんだとか……


『ラグナロク』なんて聞くと、

神話の神々の戦いをイメージしちゃうけど、、、

この世界では人と人の争いのことみたいだ。


そして若い青年の俺が捕まったのは、

どうやら敵対している〈向こう側〉からの

スパイだと勘違いされて

この地下の牢屋に拘束されたのだと……



若い青年「そう言うんだな?……『とうや』」



意外な人物とはもちろん、

弟の とうや のことだ。


……いや『あなた様』。

そんな目で見ないでくださいっスよ。

こんなに早く再会できるなんて思ってなかったんスから!

前編の最後に

ちょっと大袈裟(おおげさ)に言ってしまって

なんかすみませんっス。

そもそもタイトルからして大袈裟(おおげさ)なんスよねー。


なんスか神話って。


……オホン 失礼。

話を戻しますか。

↑これ1度言ってみたかったんスよね♪



さて、

本当に話を戻すと

とうや はこの国から丁寧な扱いを受けているのだとか。


なんでも崇められているのだと。


その理由は

とうやが『天啓(てんけい)の若者』と

そう呼ばれているらしく、

国を見守り導いてくれる存在

っと、

この国の古い書物にそう書いてあったらしい。


代わりに〈向こうの国〉では、

『神話を再現する青年』が現れて

戦況を大きく変えると伝えられているらしい。


まぁラグナロクが神話の話でも、

この世界ではただの戦争みたいだし

そんな青年が現れても

きっと大袈裟に言っているだけなんだろうな。

だから対したことじゃないんだろうきっと。


俺は他人事のようにそう思っていた。


珍妙な格好をした男が捕まっていると聞き、

とうやが面会に訪れてみたら

捕まっているのがまさかの兄の俺だったわけよ。



とうやは【神の使者】に選ばれ、

この異世界で戦争を最後まで見届ける

役目(やくめ)〉を受けているのだとか。


……なんだよ【神の使者】って。



しかも、しかもだ!


話を聞くと【神の使者】とやらは

『魔法』を使えるとのこと。


異世界空間を作れたり


転移魔法を使えたり


そんなことができるんだとさ。


いいよなぁー魔法。憧れるよなぁー。



いや、待てよ……



これはもしかしたら……



若い青年「異世界から来た俺にも

     何かしらのスキルがあるのでは?

     名前が似てる某アニメの

     ナツキなんたらと同じようにさぁ

     もしかして俺にも

     〈死に戻り〉とか出来ちゃったりぃ?♪

     うわー!

     そう考えたら、

     テンションめっちゃ上がるぅぅぅ!

     ちょっと死んでみるかぁ!♪」



とうや「いや、なつき兄さん……それ無理だから。」



な、なに⁈

【神の使者】とやらは心でも読めるのか⁈

あっ違った。

テンション上がって普通に声に出てたわっ……



(それにしても とうやのやつ、

様子がおかしかった頃より違って

なんか妙に落ち着いてるなぁ〜。)



若い青年の俺はジィーっと弟のことを見つめた。


そんな俺のことなど気にもしないで、

弟の とうやは俺に疑問をぶつけてきた。



とうや「なつき兄さんは

    どうやってこの世界に来れたの?

    てか

    この世界では『名前が無い』でしょ?」



とうやの言う通りなのだ

なぜか俺は自分の名前を言えないでいるのだ。


弟のとうやは俺の名前をちゃんと言えているのに……

不思議だ。



若い青年「そうなんだよなぁー

     なぜか名前が言えねぇんだよ。

     こっちに来たのは、

     もちろん

     お前らを探しにだよ?

     このは の誕生日の次の日の朝に、

     お前の部屋を覗いて入ってみたら

     こんな感じになってた。

     そう言えばこのは は?

     一緒じゃないのか??」



俺はてっきり妹の このは も

とうやと一緒にいるものだと思い込んでいた。



とうや「な、なんだって⁈

    僕の部屋を覗いたらここに??

    しかも このはの誕生日の次の日って、、、

    ま、まさか!

    僕が〈ねるねるじくね〉を使って

    初めてこっちの世界に来た日のことを

    なつき兄さんは言っているの???

    な、な、なつき、に、兄さんっっっ

    お、お、落ち着いて聞いてくださいね!」



若い青年「お、おうっ。

     てかお前がまず落ち着け!」



とうやは深呼吸した後、

俺が置かれている状況を詳しく説明してくれた。



「……なつき兄さんは同じ日に

 僕の部屋に入ってこの世界に来ています。

 ただし時間にして2年近く経ってから、

 ここに現れてます。

 つまり僕がこの世界に来た日よりも、

 2年と少し経った後から

 こっちに来てると言うことです。

 そして妹の このは は無事ですが、

 僕と同じく【神の使者】に選ばれていました。

 今は違う異世界で〈役目(やくめ)〉をこなしています。

 2年前に『神の使者の集まり』で、

 このは と顔を合わせた時はお互い驚きましたが。」



若い青年「なんだって⁈」

(あっ、また口癖が似てしまった)



……2年後??

その割には とうやは歳をとってないように

見えるのだが??

まぁ2年じゃそんなに変わらないか、、、

てか、俺と同い年になったのかよ!


なんだかいろいろ頭が追いついてこないな。



「なつき兄さん。

 なつき兄さんの誕生日って

 このは の誕生日の1ヶ月後でしたよね?

 今は2年とちょっと経っているから、、、

 そう考えると今日が誕生日にあたるのか……

 ちょうど明日に

 『神の使者達の集まり』があるから、、、

 ま、まさか!

 なつき兄さんも【神の使者】なのかも⁈」


とうやはなぜか驚いているのだが

俺には とうやが何を言っているのか

まったく理解できなかった。


しかし、


とうやの予想通りだった


なぜなら俺も、

【神の使者】とやらに選ばれてしまったからだ。


とゆーか、


その日の晩に地下の牢屋で寝ていたら、

(牢屋から出してくれよと頼んだけど

なにやら手続きがいるらしく

すぐには出れないとのことだった……)

勝手に俺の頭に直接、

身に覚えの無い記憶が流れてきたんだ。



その記憶には【神の使者】としての役割や、

魔法の使い方、

戦ったことも無いのに戦闘技術や

知識などが頭の中に流れてきては

自然とできるようになっていた。



『異世界に渡り役目(やくめ)を受ける』

この為だけに生まれてきた運命(さだめ)かのような

そんな強い使命感だけが頭の記憶に刻まれてきたんだ。


それをこなして数々の世界を修復し、

軌道修正をしなければいけないっとね。


役目(やくめ)の内容は様々みたいで、

「こんなことが?」って思う役目(やくめ)

実は後にすごい影響をその世界に与えていたりする。



名を残した世界では魔法を使うことが許されていて

代わりにその世界での役目(やくめ)が流れてきて

その役目(やくめ)を終わらせないと帰れ無いのだ。


しかしこれには例外があって


自分達がいた元の世界には帰れないが、

神の使者達がいる違う異世界には行けるのだ。

まぁ、そこで名を残せば

また帰れなくなってしまうから

神の使者達はお互いに

暗黙の了解で気をつけてはいるようだ。


メインの役目(やくめ)とサブの役目(やくめ)って感じかな。


そして1番の問題は、

役目(やくめ)が頭に流れてきたら

とてつもない使命感に駆られるってこと。


「今すぐやり遂げねば!」てな感じで、

すさまじい衝動が心に働きかけてくるのだ。


そんな身に覚えのない様々な記憶が、

一晩で一気に頭の中に刷り込まれていた。



偶然か……必然か……

こうして俺も無理矢理に誕生日を迎えさせられ、

【神の使者】とやらに選ばれてしまったのだ。



「なるほどね。

 【神の使者】になった今だからわかるわ」



俺は歳を重ねても老いることのない不老の身体になってしまった。


しかし不老であっても不死ではないんだよなぁ。


傷を受けたら血がでるし もちろん死ぬ。

そこは普通の人間と対して変わらない。



自分が選ばれたと言うことは、

【神の使者】だった前の誰かさんが

事故や故意に殺され亡くなっているのだと、

なぜかわかった。

そしてなぜかきっちり7人になるように

【神の使者】は調整され、選ばれているみたいだ。



朝になって とうやが会いに来てくれた。


どうやらこの牢屋から出られるみたいだ。



とうや「説明長かったね。

    お疲れ様。

    僕はこの世界で戦争を見届けるよ。

    それが僕の〈役目(やくめ)〉だからね。

    なつーー。

    危ない危ない……

    若い青年の兄さんが寝ている間に

    僕が異世界空間を作っておいたよ。

    それで兄さんの〈役目(やくめ)〉を受ける

    異世界へと行けるはずだから頑張ってね!

    あっ。それと。

    時間にして今日の夕方には

    特殊な空間で

    『神の使者達の集まり』があるからね?

    遅刻しないでよ?」


とうや は俺が遅刻しないように釘を刺した。


若い青年「わかってるよ。

     遅刻はしないって!

     それにしても悪いな……

     〈ねるねるじくね〉分けて貰って……」


なんでもこのアイテムは時空をねじる?ことが

出来るアイテムなんだとか、、、

だけど俺達【神の使者】の力しか扱え無いんだとさ。


「それに俺の為に異世界空間まで作ってくれて

 助かったよ!

 ありがとな とうや!」



俺はとうやと別れの挨拶を済ませ、

作ってくれた異世界空間へと入って行った。



『さぁって、

 俺が【神の使者】になって初めての異世界だな

 この先がどんな場所で

 どんな〈役目(やくめ)〉が

 俺を待っているのやら!』



出口が見えてきた。


さぁ……新しい異世界は!!



空を見上げれば青空が広がっていた


山の上に

赤い国旗のデカいお城が1つ

ちょうど向かい側の山の上にも

青い国旗のお城が1つ……



それぞれが向かいあっていた


どちらも距離は離れているのだが、

なんとかお互いの城が見える距離だった。


まるで睨めっこでもしているかのようだった。



若い青年「……」


若い青年「いや、ここって、、、

    『さっきいた異世界やないかーい!』」



ワクワクしながら異世界空間に入って出てみたら、


何のボケなのか、、、


とうやが〈役目(やくめ)〉を受けている

先ほどの異世界だったのだ。


違う展開があるとすればひとつ……

〈向こう側の国〉に居るってことだけ……



『なんだ貴様!

 その珍妙な格好は!

 さては〈あちら側の陣営〉の者だな?

 お前たち!捕らえよっ!』



……おいこら またか。



こうして俺は再び牢屋に入れられたのだった。


しかも今回はとうやは反対の〈あちら側〉にいる。

もちろん助けなど来るはずも無かった。



いやいや なにこれ?

新手のいじめ?

それかループ物の話なの?

ぜんっっぜんっ物語が進んでないんだけどぉ??

この作者さんはアホなのか?

もしかしなくても頭が悪いのか?



俺はこの状況にとてもイライラして

作者さんに対して八つ当たりをした。

いや暴言ではなく、

これは正当防衛だと思っている。



( 仕方ねぇ……こうなったら、

転移魔法を使う為に

この世界で名前を残してみるか)



「俺の名前はナツキスバル……じゃなかった、、、

 マジでごめん。

 俺の名前は『七月(ななつき)なつき』!!

 おっ!

 【神の使者】になったからなのか、

 やっぱり名前が言えたな♪」



1人牢屋の中で名前を叫んでみた。


すると、


俺の頭に〈役目(やくめ)〉が急激に流れ込んで来たのだ


(うわっ⁈

この衝動はヤバイなぁ

『早く役目(やくめ)を成し遂げねば!』

って衝動に駆られる!!)


「そ、そう言えば、、、くっ、

 かっ『神の使者達の集まり』があるんだっけ……」


俺は必死に〈役目(やくめ)を果たしたい衝動〉を抑え、

急いで特殊な空間を作って集まりに参加しようとした。


しかしなかなか上手く作り出せない。


どうやら俺は空間を作る魔法と

転移魔法が少し苦手のようだ。


集合時間にはもちろん間に合わなかった。

……結果として俺は遅刻した。



初対面なのに先輩達からこっぴどく怒られ、

このは には「どうしてナツ兄がここに⁈」っと、

心底めっちゃ驚かれていた。


集まりの報告会議が終わったので、

とうや に今の状況を説明してみた。


とうやもとても不思議がっていた。


頭に流れて来た俺の〈役目(やくめ)〉を

とうやに伝えてみたところ……


とうやの顔が急に青ざめて

身体はよろめきながら何も言わずに

特殊な空間から出て行ってしまったんだ。


……『あなた様』には

次の後編で俺の役目(やくめ)のことをお教えするが、

俺は(いた)って普通の役目(やくめ)だと

思っているっスからね。



仕方ないから俺も同じ異世界へと帰った。


先ほどの捕まっている牢屋に帰還した

残念ながら入り口と出口は作った場所なのだ。



「さてと、

 とりあえずこの牢屋から脱出して

 あちら側の国にいるとうやに

 もう1度、会いに行くか♪

 じゃあさっそく転移魔法で移動すっかな。」



……作者さん?

次の後編で終わりなんだけど、、、

このまま転移魔法で移動しちゃって大丈夫なんスか?

全然話が進んでなくて逆にすごいっスわ。

まぁ俺には関係ないか、、、


後編へつづ……



『あ!みっけ♪ やっぱりここにあった♪』



……え⁈


明るく元気な声をしたピンクの髪をした女の子が

牢屋を指差していた。


そして他にも複数の人影が見えていた。



ピンクの髪の女の子が指差している方を見てみると、

俺がいる牢屋の中に【赤い本】が落ちていた。


(あ、あれ?

なんだこの本??

『神の使者達の集まり』に行く前はなかったぞ?)




学園の生徒でピンクの髪をした女の子

「あったあった♪

 シャウ……ダーリンの推測通りだったね♪」



学園の生徒で青い髪をした女の子

「誰がダーリンだ!

 付き合ってねぇし!

 それにオレは女だ!

 ふっ……言った通りだろ?」

 



学園の生徒で赤い髪をした男の子

「うげっ⁈

 本当にここにあったのかよ、、、

 しかも

『神話を再現した青年』が捕まってたなんてな」



学園の生徒で黄色い髪をした女の子

「みんな発言には気をつけて。(ボソッ)

 ……それにまだ再現していないよ?(ボソッ)」



学園の生徒で金髪をした女の子

「べこべこ気をつけなよ?

【赤い本】には名前を残すことを避けるようにって、

 そう注意書きが書いてあったんだからさぁ。

 みんなも間違ってもアタイの名前は言うなよ?」



学園の先生で自称20歳の女教師

「キミも気をつけるんだぞ転校生。

 今のはきわどかったぞ。

 みんなも気をつけて行動してくれよ?

 そして早く戻ってあげないと

 みらい先生が倒れちゃう(笑)」



学園の生徒で紫色の髪をした女の子 

「先生も今のは危なかったわよ?

 保健室の先生って呼べば良いのに……

 それに(笑)を使うなんて古いわね。

 さすが自称20歳ね。」



学園の生徒で黒い髪をした女の子

「ほらほら。みんな早く用件を済ませよう。」



黒い髪をした女の子が手を『パンパンッ』っと叩き、

それが合図だったかのように

目の前にいる学園の生徒らしい子達が

サッっと動き出した。


どうやらお目当てはこの【赤い本】みたいだ。


そしてついでに俺の牢屋を開けてくれたのだった。



「ありがとうお嬢ちゃん達。」

(まぁ自力で脱出できたんだけどね。)




俺は赤い本を拾っては

ピンクの髪の女の子に手渡してあげた。


(……え⁈ なっ、なんだよこの本のタイトル⁈)


俺は本のタイトルに目がいっては

そしてそれを見て固まってしまった。


そんな俺に

ピンクの髪の女の子が俺に向かってこう告げたのだ。



『あなたが取った行動を信じて!♪』



……っと。


俺は本のタイトルが気になって

しばらくボーっとしていた。


その言葉が何を意味して

何を指しているのかなんて、

この時にはわからなかったんだ……


気がつけば学園の生徒らしい子供達の姿は消えていた。

ついでに自称20歳の女教師の人も。


直感だが、

あの子達もきっと、

異世界から来たのだと思った。


そしてこの物語もいよいよ終わりを迎えることに。


『誰も知らない神話』を、

この世界の人達は目撃することになるのだ。


それもそうだよな……

ここから出来た神話なんだから……


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