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エピソード36 まさに魔王③


少年「はわわわわわわ!!!」



少年は【魔獣王】を倒した有名な

『英雄達の(つど)いし光景』を目の前にしている。


全員揃っている訳ではないが

その光景に少年の身体は身を震わせ感動し、

目に焼き付けるようにして見つめていた。



宙に浮いているザナトスが

メガネをクイッっと上げては

【魔獣王】を討伐する為に途中まで共に旅をしていた

英雄達に挨拶をしたのだ。



ザナトス「英雄と呼ばれし皆さん。

     お久しぶりですね。

     そしてはじめましての方もいますね。

     弟のジナトス、、、

     この私を止めるつもりか?(クイッ)

     この溢れ出てくる魔力を見てみなさい。

     くっくっくっ。

     この魔力があれば、

     〈絶望の谷〉の奈落の底に存在する

     【深淵なる漆黒の闇】を、

     この世界に解き放てるのだぞ?

     『魔獣王』や

     遙か昔の『魔王』ですら、

     成し遂げれなかったことを、、、

     そう、

     私が実現するのだよっ!!!

     くっくっくっ、

     あーはっはっはっ!」



ザナトスは英雄達を前にしても気にもせずに

自らの野望を堂々と打ち明けていた。



 ジナトス「兄さん!

      そんなことは誰も望んでいないよ!」


明日(あけひ)リオン「ほんとザナっちは

      どうやってその情報を知り得たん?

      〈魔獣王との最終決戦〉の時には

      ザナっちいなかったよね?」



ジルバード「おや?

      長生きしていてなんでも知っている

      リーちゃんが不思議がるなんて……

      珍しいさね。」


明日(あけひ)リオン「もぅ〜

      ジルちゃんったらぁ〜。

      長生きってぇ〜

      リオンなんてまだ数百年しか

      生きてないんだからぁー♪」


【最後のエルフでもあり英雄】の『明日(あけひ)リオン』と、

見た目はおばあちゃんだが

【最強のアサシン】と呼ばれている『ジルバード』。


どうやらこの2人は

ジルバードが小さい頃からの知り合いで

とても仲良しのようだ。

エルフの寿命はとても長いので

数百年も時を生きているのも納得だ。



そして英雄の1人でもある

『双剣の剣士りゅのくん』が、

なにやらコソコソと

みんなから何かを指摘されないようにして

不自然な流れでその場を離れようとしていた。


りゅのくん「じゃ、じゃあ俺は

      あのラジャオウのお猿さん達でも

      倒してくるわ!」……そろーり


  ムジカ「ん?

      おぃおぃりゅの!

      お前……魔剣はどうしたよ?」


りゅのくん「……へ?」(ギクッ)



りゅのくんの顔からなにやら冷や汗が流れている。



『英雄でもあり王様のムジカ』が

双剣の剣士りゅのくんの背中にあるはずの、

魔剣が無いことに気が付いたのだ。


その魔剣とは、、、


変形自在の優秀な紫の魔剣【魔剣アルト】を

所持していないことに疑問を持ち問い詰めたのだ。



「い、いやさぁ、、、

 うちの嫁さんがさぁ、、、

『魔剣は宿屋に置いていきなさい!

 この宿屋が〈英雄の宿屋〉ってことを

 証明できなくなるでしょ!

 あとパンダちゃんは連れ出さないでよね?

 マスコットキャラなんだからぁ』

 とか言い出してさぁー」



頭をポリポリ掻きながら

必死に言い訳をしている英雄のりゅのくんだった。



ジルバード「ひゃっひゃっひゃっ。

      あの気弱なお嬢ちゃんが

      言うようになったじゃないか」


明日(あけひ)リオン「ムーちゃんも魔剣がないくらい

      気にしない♪気にしない♪

      リオンも魔剣を森に返してるからね」


ムジカ「まぁ相手はザナトス……

   『人間』だしな。魔剣は必要ないか。」



魔獣王を相手にした英雄達は

甘飴甘味(あまあめかんみ)の魔力を手に入れたザナトスの今の実力を

とても軽視していた。



今のザナトスの魔力は

まさに『魔王の領域』だと言うのに……



ジナトスだけは

甘飴甘味(あまあめかんみ)の魔力を模擬戦にて

自らの身を持って肌で体感していた。


小太刀のように小さい黒の魔剣

【魔剣アーレアヤクタエスト】を握り締めては

いつでも能力を発動できるように身構えていたのだ。



ムジカ「まぁいい。

    オレとりゅので

    3体のラジャオウの相手をしてくる。

    リオン。

    こいつに『魔法剣』を二本出してやれ」


明日(あけひ)リオン「いいよー♪」


前回のアカベコとの共闘と同じように

明日(あけひ)リオンの手から魔法の剣が作り出されている。


りゅのくんは二本共受け取りそれを装備した。


「うわー。懐かしいなぁ!

 リオンの『魔法剣』で戦うのって何年ぶりだ?

 魔法剣士になったみたいで好きなんだよなぁ。

 戦闘は久しぶりだけど、

 ちゃんと身体が動くかなぁ?」


そう言いながら本気モードのラジャオウを相手に

二本の剣を巧みに使って華麗に斬り伏せていた。


ムジカも自慢のデカい戦斧を振り回しては

ラジャオウを簡単に薙ぎ倒していた。


残った1体のラジャオウは2人の連携攻撃で倒した。


あっと言う間に

三体のラジャオウを倒して見せたのだった。



アカベコ「すっげぇ……魔剣なしでアレかよ」


甘飴甘味(あまあめかんみ)「王様も豪快やんなぁ♪

     海賊王と

     親友でもありライバルだったって噂……

     きっとほんとやであれ!♪」


甘飴甘味(あまあめかんみ)とアカベコは

英雄達の実力に感心していた。



りゅのくん「やっぱ久しぶりに戦うと

      鈍ってるなぁーって実感するわぁ〜。

      ほらほらザナトス、早く次こい。

      どんどん出して来ても構わないぜ?」


両手に持つ『魔法剣』をクルクルっと両手で回しながら

ザナトスのことを(あお)っていた。


ムジカも戦斧を肩に抱えては次が来るのを

待っている様子だ。

「ウォーミングアップにはちょうど良かった」

っとでも言っているかのような表情だ。



ザナトスは少し苛立ちながらも

英雄達のリクエストに答えようと、

また魔獣を出現させる為に奈落の底へと

魔力を放とうとした。



……が、



そこへすかさず!



ジルバードと明日(あけひ)リオンはお互いに目を合わせ

コクリっと頷き、

瞬時にザナトスに向けて攻撃を仕掛けたのだった!



明日(あけひ)リオンが魔法で無数の風の刃を

ザナトスに向け飛ばした。


その魔法を利用し、


ジルバードは人間技とは思えない荒技をやってのけていた。


それはなんと、


魔法の風の刃を蹴りながら素早く移動していたのだ。


一気にザナトスの目の前にまで迫った最強のアサシン

こと、おばあちゃん。


そんなおばあちゃんの顔が鬼のような形相になり、

物凄い殺気を出しては

ザナトスの何重にも張り巡らせてある結界を

手に持つナイフで次々と切り裂いていった。




そのナイフがザナトスの喉元に届く!!



……っと、



誰もが思った時だった。


なぜかジルバードは手に持っていたナイフを

すぐさまポイッっと奈落の底に投げ捨てたのだ。


そしてクルッと華麗に宙返りをしては

地面があるこちら側に戻ってきたのだった。



ザナトス「ほぅ。

     ……気付いてましたか。

     さすが最強のアサシンと呼ばれるお方だ。

     初見で回避されたのは初めてですよ。」

     (クイッ)


投げ捨てられたナイフに目を向けると、

ナイフは燃えながら奈落の底へと落下していた。


七星(ななほし)みらいの保健室】を燃やした

〈消えない炎の魔法〉をザナトスは使っていたのだ。



ジルバード「そんな見え()いた世辞はいらないよ。

      連発して使ってこない所を見ると

      回数制限でもあるのかも知れないねぇ」



ザナトス「ちっ。(やりづらい婆さんですね)」クイッ



ザナトス「そろそろお遊びはお(しま)いにしましょうか。

     それではみなさんに

     今から素晴らしい物をお見せしましょう。

     ハァァァァァァァァァァァ!!」



ザナトスが全力の魔力を自身から放出し出した。



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!



その魔力の凄まじさに空気が震えている。


そしてその放出した魔力が

どんどん絶望の谷にある奈落の底へと吸い寄せられていたのだ。



ザナトス「あーはっはっは。

     もっとだ!もっとだ!!

     ハァァァァァァァァァァァ!!」



さらに魔力を奈落の底へと放出し続けたザナトス。



すると、


奈落の底から核爆発でも起こったかのように、

空へとキノコ雲を作って

ものすごい勢いで空に【闇】が出現したのだ。



ザナトス「ハァ……ハァ……

     ふ、ふははっ!

     あーはっはっはっ!!

     現れましたかっ!

    【深淵(しんえん)なる漆黒(しっこく)の闇】が!!

     世界を崩壊させる〈絶望の闇〉が!!」


そう歓喜の声を上げたザナトスだった。


しかし、


【深淵なる漆黒の闇】はザナトスの魔力に反応し、

パクリっと食べるようにしてザナトスを覆った。



ザナトス「な、なに⁈

     ぬわーーーーっっ!!!」



ザナトスは世界の崩壊を最後まで見届けることなく

【深淵なる漆黒の闇】に吸い込まれてしまったのだ。



明日(あけひ)リオン

「みんな!

 魔力や気力は出さないでっ!

 この闇は生命エネルギーに反応しているの!」



少年「な、なにあれ。

   こ、怖いよぉ……ここに居たくない……」


少年はその漆黒の闇が広がっていく際を目の当たりにして

心から恐怖し怯えていた。


その恐怖の感情を受けたのは少年だけではなかった……

紫陽花(アジサイ)コンビや仲間達、

ましてや英雄達でさえも、

この【深淵なる漆黒の闇】の出現に

恐怖と絶望を感じさせられたのだった。


【深淵なる漆黒の闇】が世界を包み込んでしまえば

闇が生命そのものを(むさぼ)り枯らしてしまうだろう……

そうなれば世界は崩壊してしまう……



「赤髪くん!

 すぐに【七色(なないろ)音色(ねいろ)】をみんなに聴かせるの!

 みんなの魔力と気力を一旦ロストさせるのよ!」



アカベコは明日(あけひ)リオンの言う通りに従い、

七色(なないろ)音色(ねいろ)】の魔法をこの場にいる全員に聴かせた。


一瞬、

【深淵なる漆黒の闇】はアカベコに反応したが

穏やかな音色と共に一時的だが

みんなから魔力と気力が失われていった……


【深淵なる漆黒の闇】は生命エネルギーを求め出し

世界を丸呑みにしようと動き出した。


空に暗い闇がどんどん広がり世界を包み込もうとしていた。



【深淵なる漆黒の闇】により

世界は『3度目の危機』を迎えてしまったのだ……



はたしてこの無限に出てくる闇を止める手段があるのか……




ーーふふっ。

ザナトスは自業自得ですね。


わたくしもこの【深淵なる漆黒の闇】には

恐ろしくて近づきたくないですね。


続きが気になる所ですが、

ここは一旦休憩といたしましょう。


次回はわたくしの同志でもある

あの三兄弟が出る番外編をご紹介いたします。


ではまたお会いしましょう。


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