エピソード33 語るべき夢
「……え?ここは???
私はたしか、、、
冒険者達に追いつめられていて、
捕まりそうになってたはずだけど……
それにさっき頭の中に響いてきた声は??」
銀狐と呼ばれている少女は
いきなり転移させられ現状を把握する為に
辺りをキョロキョロと見渡した。
そこは先ほどまでいた街中ではなく、
なぜか街の外の街道にまで転移されていたのだった。
すると……
キョロキョロしている銀狐の前に
上空から ふわっと 1人の僧侶の格好をした
ツインテールの女の子が舞い降りてきたのだ。
七夢ゆめこ「で?あんたが銀狐でしょ?
ほらっ。
さっさと『夢』を語りなさいよ」
ツンデレ口調のツイテールの女の子が
いきなり訳の分からないことを言い出してきたのだ。
当然だが
銀狐の少女は理解できるはずもなかった。
……ゆめこさん?
1から説明しないと伝わりませんよ?
七夢ゆめこ
「あーもぅ!
あんたを助けたのが私なの!
そしてあんたの『夢の手助け』をするのが
私の〈役目〉になってるの!
わかったらさっさと語りなさいよねっ!
ちゃんと聞いてあげるんだからねっ!」
りゅうちゃ「は、はぁ……
助けてくれてありがとうございます。
いや、あの?
はい??
ごめんなさい!
まったくわかりません!!」
……ですよね。わたくしもそう思います。
ツイテールのツンデレ口調の女の子は
あの某アニメの女の子が言うセリフみたいに
「あんたばかぁ?」っと罵りながらも、
ちゃんと1から説明してくれたのだった。
……ゆめこさんのアニメ版の声優さんは
これで決まりましたね。
ではわたくしも『あなた様』とご一緒に、
ゆめこさんの経緯を見て参りましょうか。
ーーー
ツンデレ娘
「ふーん。
ここが【七星みらいの保健室】って所ね。
噂には聞いてたけど、
なかなかの治癒力じゃない。
それになんだか居心地がいいわね。
……あっ、みらいさんだ」
七星みらい
「あら?
あなたは『七夢ゆめこ』ちゃん?
わざわざ遊びに来てくれたのね!
嬉しいわ♪
ゆめこちゃんの大好きな、
『十六夜まんじゅう』もあるから
後で一緒にたべ……
……あっ。」
七夢ゆめこ
「ちょっとぉぉぉぉ!!
なに名前を出しちゃってるのよぉー!!
私は初めてこの世界に来たんだからね?
あぁぁぁ⁉︎
名前が残ってるじゃない⁉︎
てか名前が出る前の私って、
ツンデレ娘って表記だったんだけどぉ⁈」
七星みらい
「ふふふ。
ツンデレ娘だって。
ゆめこちゃんにぴったりね♪
って、そんなことよりごめんなさいね……
みらいってば、つい、〈うっかり〉……」
七夢ゆめこ
「うっかりとかバカなの⁈
あぁぁぁ
さっそく〈役目〉が頭に流れてきたじゃない!
せっかく私の世界では
〈魔王との最終決戦〉の前の
貴重な休みだったのにぃぃぃ。
早く〈役目〉を終わらせて
元の世界に帰らないと!
あいつら私が居ないと
何もできないんだからねっ!」
七星みらい
「ふふふ。
勇者さん達のことが心配なのね。
がんばってね♪ ゆめこちゃん♪」
七夢ゆめこ
『誰のせいだと思ってるのよっ!!』
ーーー
……な、なるほど。心中お察し致します。
りゅうちゃ「はぁ……【神の使者】さんですか。
それでわざわざ
私を助けてくれたんですね。
『夢』ですかぁ……私のゆめぇ??」
銀狐の少女はとても悩んでいた。
(私の職業は盗賊だしなぁ。
普通の盗賊ならダンジョンでお宝を見つけたり
パーティーでは索敵でのモンスターの発見や
戦争なら斥候の役割などがあるけど……
私はソロだしなぁー。
盗みを働いても盗賊だから当然だと思っているし、
私は悪い貴族からしか盗まないのだから
自分が悪いことをしているなんて
まったくもって自覚はしていないわ。
むしろ貧しい民衆を救っているのだから、
正しいとすら思っているのよ。
だからいきなり『夢を語れ』と言われてもねぇ……)
七夢ゆめこ
「はぁ……ほんとバカね。
まぁいいわ。
じゃあ1つだけ質問をするから、
とりあえず目を閉じなさい。」
りゅうちゃ「?」
銀狐の少女は言われるがままに目を閉じた。
「準備はいい?じゃあ始めるわよ?
『目の前に神様が現れました。
神様はこう言いました。
「ひとつだけ、
たった1つだけ、
どんな職業でも就かせてあげる」
っと。
これには制限や制約などは関係がない。
例えば……
両腕がなくともピアニストになりたい。
と本人が願えばピアニストになれる。
以上を踏まえて、
あなたならたった1つの職業を選ぶとしたら
何を選びますか?』
ほらっ。
さっさと答えなさいよねっ!」
りゅうちゃ「(変な質問ね。
1つだけかぁ。
しかも
なんのしがらみもないのね)
……じゃあ『料理人』かなぁ」
(ってなに真剣に答えちゃってるのよ私。
盗賊の私が料理人になんてなれるはずないじゃない。
あっ。
わかったわ。
私をバカにしてからかうつもりなのね?
またさっきみたいに、
「あんたばかぁ?」
って言いたいだけでしょ?)
しかし、
そんな少女の思いとはまったく異なる返事が
ツイテールのツンデレ娘から聞かされたのだった。
それは短くも
とても優しい言葉だった……
「ふーん。
いいんじゃない?
『あんたならできる』わよ」
七夢ゆめこは
少女が口にした職業を否定することもなく
ましてや馬鹿にし嘲笑うことなどするはずもなかった。
むしろ全面肯定をしてくれたのだ。
そんな無責任で突拍子も無い言葉だったが、
少女の内なる想いを動かしていた。
気付けば少女は目をキラキラとさせながら
料理人になる『夢』を熱く語っていたのだった。
これがきっかけかどうかは銀狐の少女本人しか知らないことなのだが、
この日を境に、
銀狐の姿を見た者は現れなかった。
代わりによく似た少女が料理人として
少しずつ名を上げ、
ついには
「食後の後のただのお茶さえも
名残惜しくなるほどの料理だった」
っと絶賛されるほどの
『ドラゴンティーマジックの料理人』と言われ、
名を上げるのであった。
……ふふっ。
いいお話でしたね
番外編でもよかったのでは?
え⁈
まだ本編の方が終わってないのですか⁈
し、失礼しました。続きをどうぞ。
アカベコ「やっと見つけたぜ。」
シャウラ「ふっ……」
甘飴甘味「かんみも眠たくなってきちゃった♪」
少年「早く戻らないと他のみんなが心配するよね」
楽しそうに夢を語っていた銀狐とツンデレ娘の2人の目の前に
先ほどの冒険者達がまたしても追って来ていたのだ。
七夢ゆめこ
「ど、どうゆうこと⁈
なんなのあのピンクの髪の女の魔力は⁈
まさかこの世界に『魔王クラスの魔力』を
持ち合わせている人がいるなんて⁈
しかも
あの赤い髪の青年が背負ってるのって、、、
まさか『勇者の剣』⁈
おまけに青い髪のイケメンからは
まったく隙が感じられないじゃない⁈
なんなのこの世界の人達は⁈
まったくもぉ!
……この相手達から転移魔法を唱える時間は
作れそうにないわね
銀狐!
あんただけでも逃げなさいっ!
『夢』……絶対に叶えるのよ?」
りゅうちゃ「ーーッ!ゆ、ゆめこさん!」
七夢ゆめこは1人で立ち向かうつもりのようだ。
杖を持つ手が震えていた。
【神の使者】は歳をとって死ぬことはないが
身体は不死身ではないのだ。
戦闘などにより命を失うことなどもちろんある。
少年「えぇぇぇ
なにこれぇぇぇ。
これじゃぼくたちが悪者みたいじゃん……」
少年の言う通り、
七夢ゆめこやりゅうちゃからの視点では
とてつもない化物達との相手を
今からさせられるのだと、
身震いするほどの絶望的な感覚を体験させられていたのだから……
ーーふふっ。
やはりここはジャンピング土下座の出番ですね。
プライドの高いゆめこさんがはたしてできるのか?
続きが気になりますね。
わたくしもです。
ではまたお会いしましょう。




