エピソード28 巨大な魔道兵器の襲来②
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私の名前は『レイジ(桑田)』
北の大陸ではちょっとした名家で有名な
錬金術師(桑田)の一族なの。
あ、
カッコとカッコとじるも名前の一部よ。
私の名前が男みたいな名前ですって?
そんなこと私に言われてもねぇ……
レイジって名前はね。
お父さんが男の子が欲しいと願い
生まれてくる前からつけられた名前なのよ。
お父さんは女の子の私でも期待をしたわ。
私もお父さんの期待に応える為に
いっぱい錬金術について勉強をしたの。
お父さんの作った魔道具はよく売れていたわ。
そう……
あの、
〈天才錬金術師〉と呼ばれる娘が現れるまでは……
東の大陸にいる〈天才錬金術師〉が作った魔道具は
とてもよく出来ていて、
値段もお父さんが作った魔道具より安いし
それに丈夫な物だった。
そのせいでお父さんの魔道具はまったくと言って
いいほどに売れなくなってしまったの……
商品の発注なんて来ることもなく、
来たとしてもせいぜい修理の依頼ぐらいだったわ。
家庭ではすぐに夫婦喧嘩が起こるようになっていた
お母さんは私を残して出て行ってしまったの……
お父さんは毎日お酒を飲んではダラダラと過ごし、
そしてついには病気で亡くなってしまったわ……
私はとても悔しかった……
せっかく【魔獣王】が倒され世界が平和になり
「魔道具が注目を浴びる時代が来た!」
っと思っていたのに……
たしかに〈天才錬金術師〉の作った魔道具はすごいわ。
私は昔に一度だけ彼女に会っているのよ。
東の大陸のギルド学園って場所で
〈世界の魔道具展覧会〉が開催され、
その時にお父さんが出展するから
私も一緒について行ったのよ。
〈天才錬金術師〉のブースを見にいくと
そこには出来上がった魔道具と
その隣に、
分解して中身がバラバラになり
部品や材料などが公開されてあったの。
お父さんと私はそれを見て絶句したわ。
私達には到底作り出せないような工夫や
コストを抑えた材料で作られていたから……
公開された魔道具はとても素晴らしい出来だった。
そしてその時に私は彼女と少し話をしたの。
時は流れ、
お父さんが亡くなってから私は(桑田)の跡取りだったからお店の経営をしていたけど、
魔道具の注文が来なくなり、
もうお店を畳もうかと考えていた矢先だった。
北の大陸の2つの国で戦争が起きたのよ。
その両国から『とある魔道具の注文』が大量に来たの
「え⁈
どうして私の所に注文が??
魔道具のことなら
東の大陸の〈天才錬金術師〉の所に
真っ先に依頼が行くはずでしょ……」
っと、
私はとても不思議に思いながらも
依頼書の内容をじっくりと見てみたのよ。
そこには〈魔道兵器の注文〉っと、
書かれていたのよ。
なんでも東の国の〈天才錬金術師〉は
魔道兵器はまったく作っていないらしいわ。
私はとても驚いた
そして同時にこれはチャンスだと思ったわ。
私は『魔道兵器を作る道』を選んだのよ。
私は必死になって魔道兵器を作り続けた
普通の魔道具では彼女には到底敵わないかも知れないけど、
〈魔道兵器〉なら私の方がきっと優れていると。
誰も作ったことがない兵器をどんどん作り出したわ。
そしてこの〈魔道兵器〉で復讐をしてやろうと決意したのよ。
ーーー
『…………てか、
早く思い出しなさいよ!
いつまで回想シーンを入れさすつもり⁈』
レイジ(桑田)が巨大な魔道兵器のコックピットから
こちらに向かって魔道スピーカーで叫んでいた。
……りと!さんがあなたの名前を思い出すまで
場を持たせてあげるなんて、、、
なかなか空気が読める女の子ですね。
りと!「『レイジしゃん』!
ちょっと黙ってて!!
ここまで、
ここまで出てるのよ?」
っと、
喉の方をまたしてもトンットンッと叩いて
表現してみせていた。
リンク「いやいや、りと!しゃん(にこっ)
『おもいっきし名前をゆうとるやないかーいっ!』
……ってね(にこっ)」
りと!は初めから名前を覚えており、
ワザとボケていたのだった。
そしてそれに気付いたリンクが
すかさずツッコミを入れたのだ。
リンクとりと!は
ボケとツッコミが上手くいったと
2人して喜び笑い合っていた。
それを見ていたレイジ(桑田)は、
身体をプルプルっ、プルプルっ、っと震わせて
怒りを露わにしていた。
『やっぱりワザとだったのね!
てか、
もう1話分が終わりそうなんだけどぉ⁈
あーもぅ!ほんとむかつくぅー!!
もうこうなったら
街をめちゃくちゃにしてやるんだからねっ!!』
レイジ(桑田)はコックピットに再び戻り、
〈巨大な白い魔道兵器〉を動かし始めた。
そして同時に
魔道兵器を持った軍団が街に向かって動き始めたのだ
リンク「さぁーって、
次回はバトル回かな?
りと!しゃんのボケも面白かったよ!」
りと!「むふふ♡
リンクしゃんのツッコミもなかなかよ♡」
2人は満足した顔をしていた。
レート「先に軍団を潰そう。
リンク。援護よろしくね。」
レートは魔道兵器の軍団に突っ込んで行った。
リンクも後方から愛銃の気道銃をぶっ放し、
レートのことを的確に援護した。
2人によって
次々と魔道兵器を持った軍団は倒されていった。
りと!「残りはあの〈巨大な魔道兵器〉だけね」
周りの雑魚兵を倒し
残るはあの白い巨大な魔道兵器だけとなっていた。
レイジ(桑田)『ふーん。
少しはやるわね。
私の武器を見せてあげるわ!
カッコ良いいからって
感動して泣いても知らないわよ』
巨大な白い魔道兵器の背中から……