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エピソード21 休息


迷宮近くの村に戻り

空見夏妃(そらみなつひ)』に迷宮での出来事を説明してから

お礼と別れの挨拶をした

そして東の大陸の港へと戻ったのだった。


迷宮から帰還した一同は身体を休める為に

王都にて2日間の休みを取ることにした。



「では僕は国王様に報告してから

 『十六夜(いざよい)』の所にでも顔を出しにいくよ」


「あっ、わたしも行くわ」


レートとりと!が集合時間と場所を確認してから

去って行った。



リンクがなにやら そわそわ している。


(リンクさんは彼氏さんが気になるのかなぁ?)


少年はそう思いながらリンクの顔をチラッと見た。



「アっ、アタイはちょっと

 『ゆっきぃ』の様子でも見に行ってこようかなー

 べ、別に気にしてなんか

 ぜっ全然、なっ無いけどなー」



(リンクさんって

いつもはサバサバしてるのに

ゆっきぃさんのことになると

急に乙女になるんだね)


「ゆっきぃさんによろしくね。

 リンクさん行ってらっしゃい!」


少年は笑顔で見送った。


リンクはウキウキした幸せな顔をしながら

彼氏に会いに行ったのだった。



「かんみは今からみらいさんとこに行ってくるね♪

 シャウぴも行こ?♡」


暴走した後のことを

まったく覚えていない甘飴甘味(あまあめかんみ)


アカベコが

「暴走したことなんだが……

 甘味(かんみ)は絶対に気にするから話さなくていいだろ」

っとみんなに伝えていたのだ。



「わりぃかんみ。俺はちょっと用事があるんだ」


シャウラは甘飴甘味(あまあめかんみ)の誘いを断った

なんだが少し機嫌が悪そうだった。


残念そうな表情の甘飴甘味(あまあめかんみ)

1人で【七星(ななほし)みらいの保健室】へと向かった。

それと同時にシャウラは音もなく姿を消していた。


……ほんと毎回いつのまに。




「アカベコさんはどうするのぉ?」


少年は残ったアカベコに聞いた。


「オレは1日休んだら

七色(なないろ)音色(ねいろ)】のことを

 後で詳しくみらいさんに聞いておくよ」


甘飴甘味(あまあめかんみ)と一緒に行かなかったのは、

迷宮(ダンジョン)での出来事を

甘飴甘味(あまあめかんみ)に聞かれたりしないためであろう。


「……わかったぁ」


少年は何かを(さっ)し、

深く追求(ついきゅう)せずに

アカベコに集合時間と場所を確認してから

休みは王都を散策(さんさく)することにしたのだった。




       〜休息1日目〜



少年が王都の街をぶらぶらと歩いていると、

オシャレなカフェからなにやら聞き覚えのある3人の

話し声が聞こえてきた



「僕もそう思う!」


レートが十六夜(いざよい)の言葉に同意していた。



「レート!やはりあなたわかってるわね!」



同じテーブルで紅茶を飲んでいたりと!が

十六夜(いざよい)の発言に同意したレートのことを

褒め称えては嬉しそうにうなずいていた。


「……やっぱり"受け"は

 男になった場合のシャウラかなぁ?」ボソッ


珍しく外に出ている十六夜(いざよい)

ボソッと小さな声で2人にそう言った。


「いやいや、

 べこも"受け"にまわるのもアリだと

 僕は思うな。」


レートはハッキリと元気な声で言った。


「むふふ♡

 少年が大きくなって2人を"攻める"ってのは?♪」


りと!が興奮気味に提案した。



『アリだな!』『……アリだね』『アリよね♡』


レート、十六夜(いざよい)、りと!が、

それぞれが同じ意見に達したようだ……


(受け???攻め???

おねえちゃん達は何の話をしているんだろぉ?)


少年が3人の話を近くで聞いていることにも

気付かないほどに、

3人は話に夢中になっていたのだった


「……ねぇ。

 ギルド学園時代の時に

 アカベコとりと!が真面目な話をしている所にさぁ

 僕がいきなり何かを言ったこと、覚えてる?」


ボソっと十六夜(いざよい)が2人に質問した。


「あれかな。」


レートには心当たりがありそうだった。


「わからないわ。……なにかしら?」


りと!はどれのことを言っているのかわからなかった


十六夜「アルカロイド。」

レート「アルカロイド。」


2人は口を揃えてりと!に教えてあげたのだ。


それを聞いたりと!は思い出した。


ギルド学園の授業が終わり、

薬学のことでアカベコと真面目な話をしていたら

急になんの前触れもなく十六夜(いざよい)が、

「アルカロイド」っとボソっと言ってきたものだから、

りと!自身もなぜかテンションを上げて

「アルカロ〜イド〜♪」(ガンッ)

っと、

急に踊り出しては机に足をぶつけ痛がったのだ。

そしてみんなから爆笑された。


りと!の奇妙な面白い行動は、

今に始まったことではないのだが

急に踊り出し

しかも足をぶつけて

(もだ)えているりと!の姿を想像したら

なかなか楽しい。

3人はその状況のことを思い出しては

懐かしみながら楽しそうに笑い合っていた。



(楽しそうだから声をかけずに行こっと)


話の内容がわからないまま

少年はその場を去っていったのだった……


……少年くん。

受けや攻めのことでしたら、

いつか大人になればわかる時がきますよ、、、

アルカロイドのことはすみません、

有機化合物のことでしょうか?

わたくしにもなんのことだかさっぱり……(クイッ)

(わたくしはメガネは掛けておりませんが

某悪役の方の真似をしてみてすっとぼけてみました)



少年は引き続き王都を散策していると、

向こうの方からお肉を焼いているような

香ばしい匂いが(ただよ)ってきたのだった。


少年は美味しそうな匂いに誘われては

自然と商店街へと足を運んでいった。



(この匂い……ブラキキングお肉だな。)


少年は背中に剣でも背負っているかのような身振りをし、

誰かの真似でもしているのか

わずかな匂いを頼りにどんなお肉か当てていた。


(お肉の行動パターンとしては……

ちっ……マズイな。このままじゃ売り切れにっ!)


少年は『魔法剣士ごっこ』で遊びながら探していて

(番外編【魔剣アブソリュート】のセリフ)

ついに正体を突き詰めてはお目当てのお肉を

発見することができた。

そして無邪気に喜んでいたのだった。



「おひとつください♪」


少年がお店の主人にお肉を注文した。


すると後ろから、、、


「じゃあ僕たちの分もお願いします。

 お金は僕が払います。」



少年の後ろから

優しい好青年エリートの声が聞こえてきたのだ。



「わっ!

 ゆっきぃさんとリンクさんだぁ〜♪」


少年は誰か分からずびっくりしていたが、

2人だとわかりとても喜んだ。



「わぁい♪

 ゆっきぃさん(おご)ってくれてありがとぉ♪

 あれ?

 もしかして2人は『でぇと』って

 やつなのぉ〜???」


(後ろのリンクさんがおとなしくて

なんだか少し不気味だけど……)



少年はそう思いながらもゆっきぃと話をした。



「そうだよ?

 よかったら少年くんも一緒に街をまわるかい?」


少年が1人で商店街にいたことに対して

ゆっきぃは優しく声をかけてくれたのだった。


「わぁぁいぃぃぃイ"ッ⁈⁈」


少年は喜ぼうとしたのだが

ゆっきぃのすぐ後ろから、

リンクが物凄い剣幕(けんまく)

少年のことを(にら)みつけていたのだ。



『いっ、いいです! いいです!!

 2人の でぇと の邪魔はしないですっっ!

 ゆっきぃさんも

 リンクさんと久しぶりに会えたんだしっ

 ふっ、2人でゆっくり過ごしてください! ね!』



少年は命の危険を感じてすぐさま空気を読んだのだ。




「そうかい?

 わかった……。

 じゃあまたね。少年くん。気をつけてお帰り。」


「はい!本当にありがとうです♪」

 MuitoObrigado(ムイトオブリガード)



ゆっきぃにお礼を言い、

恐る恐るリンクの顔を伺った少年……

リンクはデートの続きができて

とても幸せそうな顔をしていた。


そんなリンクの顔を見ては

ほっと胸を撫で下ろす少年だったのである。


……少年くん。

あやうく"幼い死人"が出るとこでしたね。



今度はギルド学園の前を通った少年。


「お腹いっぱいだぁ〜

 ちょっときゅうけぇ〜」


そう言いながら

新しい【七星みらいの保健室】で少し休むことにした


ーーコンコンッ


少年はノックをしてすぐに

「みらいさん入るねー」

っと言って保健室に入っていった。


そこには

甘飴甘味(あまあめかんみ)七星(ななほし)みらいが、

『パジャマ姿』で、

二人してベッドでゴロンっとしながら仲良く

ファッション雑誌を見ていた。


ファッションモデルの

『いちごしろっぷちゃん特集』の記事を見ては

甘飴甘味(あまあめかんみ)が、


「かんみの〈ココ好きポイント〉を

 今から(かた)っていい?♪♪」


っと、

甘飴甘味(あまあめかんみ)が楽しそうにファッション雑誌を読みながら熱く語っていたのだ。


「ふふふ。

 かんみちゃんったら、

 熱くなって可愛いわね♡

 みらいもこの細かいワンポイント好きよ?♪

 あ、あとココとか、ここも!♪」


七星(ななほし)みらいもいつの間にか熱くなり、

気付けば2人して早口オタクになっていた。


『わっ・・・かっ・・・るっ・・・!!!』


甘飴甘味(あまあめかんみ)七星(ななほし)みらいの

ファッションセンスに激しく同意した。


2人はとても仲良く楽しそうだった。


(……なんだか邪魔しちゃわるいよね)


少年はそぉっと保健室を後にしたのだった。



気付けば辺りは真っ暗だった


少年は温泉がある和風の宿屋に戻って部屋に入った。

そこには布団を敷いて

ぐっすりと寝ている赤い髪の青年がいた。


(アカベコさん疲れてたんだね)


少年は起こさないようにしながら宿屋の温泉へと

向かった。


温泉を満喫し

フルーツ牛乳を横長い椅子に座りながら

ぷはぁーっと飲んでいると、

隣で(すず)んでいたおじさん達の会話が聞こえてきたのだ。


なにやら噂話(うわさばなし)をしている



「北の大陸に行って

 1度でいいから、

 『踊り子Rioちゃん』の踊りを見てみてぇよなぁ」


おじさんの1人が

座りながらうちわをパタパタさせている


もう1人のおじさんは

コーヒー牛乳を片手に持ち並んで座っていた。


「あぁ。見てみてぇ。

 それに北の大陸には

 【魔獣王】を倒した『英雄』が3人もいるらしい。

 名前や魔道写真でしか知らないからなぁ。

 1度ぐらい拝んでみてぇよなぁ」


そう言い終わると

コーヒー牛乳を片手でゴクゴク飲み出したおじさん。



「でもよぉ。

 【魔獣王】がいた時はよぉ。

 みんなで一致団結(いっちだんけつ)して、

 『世界の危機を救った』ってのによぉ。

 いざ平和になると

 領土や資源の奪い合いときたもんだ。

 また世界の危機でも起こってくんねぇかねぇ。」


コーヒー牛乳おじさんの瓶はもう空になっていた。


 「おぃおぃ。

  何回この世界は危機を

  迎えなきゃいけないんだぁ?

  遥か昔の守護神龍さまが狙われた時が『1回目』

  そして

  15年ほど前の【魔獣王】が暴れ回った時が

 『2回目』だろ?

  つまり次が"三度目の正直"ってやつかぁ!

  そりゃやべぇ。はっはっは。」


うちわおじさんは冗談混じりに笑うと、

コーヒー牛乳おじさんも

「わっはっは。」っと笑いだした


少年もとりあえず並んで座っていたので

「あっはっは。」っと一緒に笑っておいた。


(北の大陸の噂話かぁー

なんかわかってきたぞぉ。

これって〈フラグ〉ってやつだぁ〜!

きっとぼくたちが向かう次の場所なんでしょ?)



……ギクリ。



少年はフルーツ牛乳を飲み干し

空にしてから回収ボックスに入れた。

ついでに歯磨きをしてから部屋へと戻ったのだった。


のんびりと過ごした休息の1日目が終わり、

次の日の休息2日目に『事件』は起こった。



      〜休息2日目〜


少年は朝は宿屋でゆっくりと寝て過ごし

今日はみんなでご飯を食べることになっていたので

支度をして宿屋を出た。


集合時間にはまだ少し早いが

少年が歩いていると、

七星(ななほし)みらいの保健室】に寄っていたのであろうアカベコと来る途中で出会い

そのまま2人で集合場所である"広場の噴水前"にて

みんなが来るのを待っていた……



すると、



ーーシュン!!!



いきなり物陰から鋭いナイフが

アカベコに向かって飛んできたのだった!





ーーふふっ。

みなさんのそれぞれの休みの過ごし方を見れて楽しかったですね。


『次回!

 ナイフを避けられずにぶっ刺さる魔法剣士!』


おっと、

また彼に怒られることになりそうなので

冗談はこのくらいにしておきますね。


次回はなんと!

"あの2人"の対決が⁈


ではまたお会いしましょう。


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