エピソード13 海賊王の教え
「え⁈
アカベコさんほんと⁈
【ナイトドラゴン】って、
昔は海賊王のチームだったんだよね???」
少年はまたまたびっくりして目をまん丸とさせていた
……少年くん?
その内びっくりし過ぎて、
昔の漫画みたいに目が飛び出したりしませんよね?
「やつらは今は海賊を辞めていて、
商人たちや冒険者たちの護衛をしているんだぜ?
海を仕切っている【海の覇者】とも呼ばれている」
アカベコが少年に詳しく教えてあげた
2人の男はこちらに近付きつつも、
紫陽花コンビやその仲間達1人、1人に目を配らせ実力を測っているかのように思えた
そして白髪の男が口を開いたのだ
「おぅ、
【ナイトドラゴン】の船長の『ナイル』だ。
紫陽花コンビの噂は聞いているぜ?
リンクから話を聞いたが、
魔法剣士や魔闘士、
それに天才錬金術師もいるんだってなぁ
すごいメンツだなぁおいっ。』
そう称賛の言葉を放ったナイルという男
見た目はスラっとした体格で髪は白く長い
年齢は紫陽花コンビやその仲間たちより少し上ぐらいと思われる
立ち振る舞いから
数々の修羅場を乗り越えてきたのが伝わる
そして腰にはなんと魔剣が!
青く光る宝石のような物が埋め込まれている
その魔剣の名前は、、、
【魔剣アスタルト】
サーベルのような形をしている
この男からは、
少年にもわかるほどに、
凄腕の剣士の雰囲気がビシビシと伝わってきていた
そしてもう1人……
「……副船長の『ズカパン』だ
ナイルは俺の相棒でもある。よろしくな。」
口数が少ない男ズカパンは、
黒い髪をしていて、
背中に大きな槍を背負っていた
並の相手ならひと振りで薙ぎ倒せそうだ……
魔剣使いのナイルを相棒と呼ぶほどなのだから、
この男も相当な実力者なのだろう
槍からの威圧感は凄く、
それにズカパンの顔が厳つくて
少年は少し怖がっていた。
ズカパンはさきほどから自分をじーっと見つめてきている少年に目を向けた
見た目が厳つく怖い目をしていたので、
少年はズカパンと目が合いとても怯えていた。
ギラっと少年を睨みつけるような目、
本人はきっと睨んではいないのかも知れないが、
それでも少年は怖がっていたのだ。
ズカパンが少年に近づいた……
そして一言、
「……アメ 食べるか?」
そう無表情でズカパンは言い、
ポケットから取り出したアメ玉をそっと少年に渡してあげた。
(大阪のおばちゃんか!)
っと、
リンクはツッコミを入れたいのを我慢し、
さきほど放り投げた相棒を拾っていたのだった
「あ、ありがとう!槍使いのお兄さん♪」
少年は最初は怖がっていたが、
見た目とは違い、
子供にとても優しいズカパンに
安心して無邪気な笑みでお礼を言ったのだった
そんな少年を見て、
ズカパンは無表情で少年の頭を撫でてあげた。
そしてズカパンは紫陽花コンビの
甘飴甘味の方をジッと見つめた
「……可愛いな」
ズカパンはボソっと言ったつもりの言葉だったが、
みんなには丸聞こえだった。
それを聞いた白髪の剣士ナイル
「ん?ズカパン??」
ズカパンの顔を見ては、
初めて照れてる感じの相棒が目に映ったので、
ナイルは困惑していた。
「……決めたぞナイル。
コイツらを迷宮近くの村まで運んでやる。」
ズカパンは紫陽花コンビや仲間達を船で運ぶことを決めた
しかし、
船長のナイルはそれを許さなかった。
「ちょっと待ってくれズカパン!
俺たち【ナイトドラゴン】は、
他にも山ほど仕事が来ているんだぜ?
わざわざ迷宮近くの村に行くほど
俺たちは暇じゃないぞ?」
「うるせぇ、
オレが行くって言ってるんだから行くんだよ。」
2人の意見がぶつかり合った
そして2人は同じセリフを言った
ナイル「『意見が分かれたら殴り合え』だよな」
ズカパン「『意見が分かれたら殴り合え』だったな」
そう言いながら2人は殴り合いを始めたのだった。
少年がリンクから聞いたところ、
どうやら『海賊王の教え』とのこと。
紫陽花コンビや仲間達は、
ポカーンとした表情をしては
この状況に置いてけぼりだった
船の中から見ていた船員達は止めもせず、
今回はどちらが勝つかの賭けをしていた。
2人の殴り合いを見ている紫陽花コンビやその仲間達は、
面白いことにそれぞれ違った見方をしていた
レートは真面目に2人の殴り合いを見ては
(なるほど、今のはカウンター狙いだったのか)
っと、体術の勉強をしていた。
いつも見ているリンクは
(また始まったよ)っと、呆れていた。
少年は
(早く止めなきゃ!)っと本気の喧嘩だと思っている。
アカベコは
(はぁ〜めんどくさっ、
なんでもいいから早く船を出してくれよ)
っと言った感じだった
甘飴甘味は
(もしかしてかんみのせい?)っと心配していた。
シャウラはいつもみたいに興味が無いのかと思いきや、
(……ふっ、いつか戦うかも知れねぇからな。
アイツらのクセでも覚えておくか)
っと、2人の動きを観察していた
……おや?
りと!さんの姿が見当たりませんね?
『わたしは黒い髪の方に賭けるわ。』
いつのまにか船員達の方に行っており、
あたかも昔からいた仲間のように溶け込んでは、
船員達と普通に賭けをしていたのだ
……ほんとあなたって人は面白い。
リンクが長引きそうだと判断し、
甘飴甘味に ちょいちょいっと、
手招きをしては呼び寄せ耳打ちをした。
それを聞いた甘飴甘味は、
リンクが耳打ちで教えてくれたセリフを
感情を込めて迫真の演技を披露した
『やめてっ!
かんみの為に争わないで♡』
両手を握りしめ、
瞳をウルウルさせながら言った甘飴甘味
……その演技力、
アカデミー賞の主演女優賞は確実ですね。
それを聞いたズカパンは
「あぁ、愛のパワーで終わらせる!」
っと、
急にテンションを上げ、
デカい拳をナイルの鳩尾に決めたのだった
たまらず膝をつくナイル……
どうやら今回はズカパンの勝ちのようだ。
「愛のパワーだな」
リンクが言った
「愛のパワーね」
りと!も同じことを言った
ナイルは約束通り、
船で運ぶことを了承してくれたのだが、
条件をつけてきたのだ
【ナイトドラゴン】の参謀でもあるリンクの船を出してもよいが、
迷宮近くの村に行くまでに、
海の怪物が最近よく目撃されている場所があり、
そいつを討伐するようにと言ってきた。
船を出す依頼料は
そのモンスターの討伐でいいとのこと
すぐに別れることになるが、
途中までは【ナイトドラゴン】も一緒に行き護衛するとのこと
こうして紫陽花コンビと仲間達は、
海の向こうにある迷宮近くの村へと海を渡るのだった。
ーーふふっ。
『海賊王の教え』ですか、
リンクさんのお父さまは
なかなか豪快な方みたいですね。
英雄と呼ばれた人達……
1度見てみたいものです。
そして魔剣の所有者のナイルさんと、
その相棒のズカパンさん。
おふたりはとても強そうですね。
なんでも番外編で登場するとか……
ではまたお会いしましょう。




