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番外編ふたりは【あいおらいと】前編『白い涙の歌姫』

この番外編は、

【あいおらいと】の2人のことを知ってほしいと思い

出来上がったストーリーです。





1人の年老いた老婆が、

ゆりかごのような椅子に座っては

昔の日記を読み返していた。



日記をぺらっと めくっていくと、

日記に挟まれてあったのであろう"ボロボロの手紙"

が、

床へと滑り落ちてしまった。


それを孫らしき幼い女の子が拾ってあげては、

老婆に手渡した。



「おばあちゃん、これなぁにぃ??」



不思議そうに見つめる少女。



そんな少女に老婆はお礼を言い、

ボロボロの手紙を受け取ると、

拾ってくれた孫の頭を優しく撫でた。

そしてこの手紙のことを、

懐かしくもどこか寂しげに少女に優しく微笑んでは

語りはじめたのだった、、、



(おほほ……

ほんとうに、、、

懐かしいですわね。ほんとうに……)




ーーー



時は老婆がまだ学生の頃まで遡る。



ギルド学園の館内放送が鳴り響いていた。


「ギルド学園の保健室が燃えているから避難するように」

っと、

学園の生徒たちは告げられ一斉に外へと避難をはじめた。


避難した学園の生徒たちは皆、何かに注目していた。



視線の先は、


紫陽花(アジサイ)コンビ】と呼ばれている伝説のコンビが、

保健室に閉じ込められた『七星(ななほし)みらい先生』を救出しようと動き出していた場面だった。



他の先生たちや生徒達は手に汗を握り、

その場面を見守っていた。


そして【紫陽花コンビ】の1人、

甘飴甘味(あまあめかんみ)が、

見事無事にみらい先生を救出してみせたのだった。


周りは拍手と喝采で包まれた。



「おほほ。

 さすが憧れのかんみ先輩ですわ♪

 それにシャウラ様も凛々しくクールで素敵でしたわ♪

 お一人だけ余裕の表情を見せていたことを、

 わたくしはけっして見逃しませんことよ?

 ……あらっ!

 なんとまぁ!!

 あちらで泣いておられる殿方は⁈

 魔法剣士アカベコさまでは⁈

 こっ、これはレアですわ!

 魔道カメラぁぁぁ

 早く魔道カメラに収めなくていけませんわっ!!」



なにやら1人慌ただしくしている学園の生徒がいた。


そう、、、


この学園の生徒こそが、

若かりし頃の老婆なのだ。



髪は長く、

ふくよかな胸でいてスタイルが良い。

見るからに良い所のお嬢様なのだが……


顔はどこにでもいるようなモブ顔だった。



このお嬢様はとにかく【紫陽花(アジサイ)コンビ】の大ファンなのだ。



最初は普通のお嬢様だった。

しかし、

このギルド学園に入学してから

"魔道カメラ部"と呼ばれている部活に入部し、

そこの先輩から、

世界を救った伝説のコンビ……

紫陽花(アジサイ)コンビ】を含む、

『やべーやつら』と呼ばれた世代がこのギルド学園にいたことを教えてもらったのだった。



そんなお嬢様の名前は『モフ子』。


モフ子はなんと!


ギルド学園の学園長でもあり、

ギルド長の"賢者モフ郎の孫"と言うのだから驚きだ。



モフ子が遠くから魔道カメラで撮影していると、

紫陽花(アジサイ)コンビ】の近くにいる1人の少年が

カメラに写りこんではその様子を捉えられていた。



「むむっ⁈

 おほほ。

 あの少年は【紫陽花(アジサイ)コンビ】に

 ぴったりと付いておりますわね。

 なんて熱心なファンですこと。」



モフ子はこの時はまだ少年が、

紫陽花(アジサイ)コンビと共に行動をしている仲間だということを知らなかったのだ。



「おほほ、少年くん。

 本当のファンと言うのはね?

 プラベートには一切触れず、

 一定の距離を保ちながらも、

 陰ながら応援するものなのですわよ。

 そんなファンの(たしな)みの一つも、

 ご存知ありませんこと?

 まだまだですわね少年くん。おほほ♪」



なにやら1人勝ち誇った様子で隠し撮りを続けているお嬢様のモフ子


この少年が"紫陽花(アジサイ)コンビの仲間"だと知ったのならば、

このお嬢様は発狂するかもしれない……


 

(あら?

あちらのアイドルみたいな二人組はなんですの???

なにやら青い衣装の方は、

シャウラ様にちゃんづけされてデレているご様子ですわね!

おほほ。

青い衣装の方は見る目がありましてよ♪

それにしてもあなた、、、

シャウラ様の側にいるなんて羨ましいですわね……)



隠し撮りのはずがいつのまにか夢中になってしまい、

モフ子は気づかぬ内にどんどん距離を詰めていた。



『モフ子?

 そんな所で何をしとるんじゃ??』



カメラを覗き込んでいたモフ子の耳に、

おじいちゃんのような声が聞こえてきた。



「ひゃあ!

 お、お爺様⁈

 びっくりさせないでほしいですわっ!

 わ、わたくしは、、、

 そう!

 この事件を調査していたのですわっ!!

 で、ですから、、、この魔道カメラは、、、

 別にその……あの……」



ギルド長こと学園長こと本当のおじいちゃんのモフ郎に声をかけられたモフ子はびっくりし動揺していた。



『ふむ、、、

 なんでもよいが、

 わがまま言ったりして迷惑をかけるでないぞ?

 そうじゃモフ子や、

 このお二人に

 屋敷のお部屋を案内して差し上げなさい。』



学園長ことギルド長ことおじいちゃんはモフ子に

異世界から来た2人組のアイドルユニット、

【あいおらいと】を、

モフ子も住んでいる屋敷で面倒を見るように説明した。


なんでもこの2人のアイドルユニットは、

元の世界に帰ることが出来ずに困っているみたいだ。


異世界の人が驚異ではないかどうかをこの国の王様と謁見して説明する必要がある為、

しばらく自分達の屋敷に保護するようのだとか……



モフ子は一言、

「わかりましわお爺様♪」と言い、

2人を屋敷へと連れて行った。



ひと通り屋敷の部屋を案内したモフ子。



キッチンから紅茶やお菓子を持ってきては三人で部屋で寛いだ。




「おほほ。

 ご挨拶が遅れましたわ。

 わたしくしの名前は『モフ子』。

 ギルド学園の生徒で、

 趣味は【紫陽花(アジサイ)コンビ】の追っかけを

 しておりましてよ♪

 あなたもシャウラ様の魅力に気づくなんて、

 なかなかやりますわね♪」


紅茶を入れてはそれを2人にもてなしたモフ子。

青い衣装を着た女の人に向けてそう言った。



先ほどシャウラにちゃんづけで呼ばれていた青い服を着たお姉さんが、

モフ子に続いて自分も自己紹介をはじめたのだった。



「ちぃーす。

 コメントに命かけてまーす!

 2人組アイドルユニット【あいおらいと】の

 『海原(みはら)いおり』でーす!

 『みはら』って読むからな?

 "うみはら"とか"かいばら"じゃないからな?

 おっ、

 モフ子ぉ〜。

 お前はシャウラ様の話がわかるやつじゃないか!

 お姉さんと朝まで語るか?♪ん?♪」



上機嫌にモフ子の肩を抱いてはそう言った。


このお姉さんの特徴は、

整った顔立ちにスラっとしたスタイル。

『綺麗なお姉さん』の一言に尽きる。


海原(みはら)いおりのしゃべり方は独特で、

見た目と違い、

アイドルらしからぬワイルドな感じの口調だった。

なによりしゃべりが面白い。



そんな相方を見て、

もう1人の赤い服を来た女の人も自己紹介をはじめた。



「【あいおらいと】の可愛い方♪

 いつも心にバーサーカーぁ♪

 『七森(ななもり)あいす』だよぉ〜♪

 『ななもりあいす』って読むぅ〜

 あっ そのまんまかぁ〜

 おつもり♪すやもり♪ななもり♪」


赤い衣装をきた女の子は可愛くポーズを決めた。



「おぃおぃ、

 自分で可愛いって言うかふつう?

 それだと私は可愛くないってか?ん?」



海原(みはら)いおりが相方の七森(ななもり)あいすに

すかさずツッコミを入れた。


またしても絡むようにして肩を抱いては問い詰めている。

赤い衣装を着た女の子は困った顔をしていた。



この赤い服の女の子の特徴は、

顔は可愛い感じのアイドル顔なのだが、

どこか抜けてる雰囲気を醸し出している。

間延びした声は明るく元気で表裏が無い感じだ。

誰とでもすぐに友達になれるようなタイプなのだろう。



そんな七森(ななもり)あいすの自己紹介を聞いて、

モフ子は心底びっくりした。



(ばっ、バーサーカーですってぇぇぇ⁈

い、異世界の方は心に、〈狂戦士〉を使役(しえき)していらっしゃるのね⁈

お、ほほ……

べっ、べっ、べつに、

お、おっ、驚きはしませんですわよ?お、驚きは……)



「モフ子ちゃんひとつ聞いていい?」


七森(ななもり)あいすがモフ子に何かを質問しようと顔を覗き込んだ。


「ひゃ、ひゃい!(はい)」


声が裏返りびっくりした声を出してしまったモフ子。

恥ずかしくなってはさっきの返事はなかったかのように

澄ました顔をしてもう一度返事をしたモフ子。


「な、なんでございますですわ?

 な、七森(ななもり)さん。」



まだ動揺していた



「あいすでいいよぉ〜。

 わたしもモフ子ちゃんって呼んでるしぃ〜。」



七森あいすは優しく笑顔をふりまいていた。



「こっちの世界には

 アイドルって職業はないのぉ〜??」



七森(ななもり)あいすが間延びした声でモフ子に質問する。



「アイドルですの?

 いるにはいるのですわよ。

 ただ、

 ちゃんとした職業ではないのですわ……

 魔力や気力をあまりお持ちでない方がなる職業

 っとなっているのですわよ」



モフ子は続けた、



「そんな軟弱な殿方より、

 わたくし達の世代の憧れは、

 【紫陽花(アジサイ)コンビ】や魔法剣士様のような

 魔獣やモンスターをいっぱいやっつけるお方が

 カッコイイのですわよ♪」



モフ子は自分の追っかけの自慢をはじめた。



「女の子のアイドルがいないの⁈

 今の聞いたぁ〜?

 これはチャンスだよ!いおりちゃん!」



七森(ななもり)あいすはなぜか興奮していた。



「はぁぁぁ??

 あいすはこっちの世界にでも住むつもりかぁ??

 私は普通の人間だけど、

 あいすは違うだろぉが……

 自分の"役目"を忘れてんじゃないの?」


呆れている海原(みはら)いおり。


この2人は元々こちらの世界の住人ではない。

2人には元の世界での目標や目的があるのだろう……

そう思って見ていたモフ子だった。



しばらくするとおじいちゃんのモフ郎がやって来ては、

国王と面会するようにと2人に告げた。



モフ子もおじいちゃんの後をついて行き、

国王が座る玉座の間へと

ちゃっかり入りこんでは静かに話を聞いていた。



そこで【あいおらいと】の2人は、

この国の国王から

とんでもないことを告げられるのだった……




ーーー


国王との面会が終わり、

屋敷の部屋へと戻ってきた3人。



ポケぇ〜っと空を眺めている七森(ななもり)あいす



急に筋トレをはじめる海原(みはら)いおり



「ちょっ、ちょっと、おふたりとも。

 気をしっかり持つのですわ!

 た、たしかに、、、

 国王様の依頼は

 とんでもないことでしたけれども……」



国王の依頼、


それは、、、



いまから4日後に開催される予定のお祭り、

『守護神龍さまのお祭り』を、

なんとか成功させて欲しいとのこと。

必要な人材と資金は言ってくれればいくらでも出すとの条件だ。



毎年開催される各国の守護神龍さまのお祭り、、、

大陸で順番ずつ回ってくるのだが、

今年はこの東の大陸が担当になっているのだ。

この東の国の大陸のお祭りは他国からは食べ物以外はあまり期待されていないのだ……




「ふぅ…」


筋トレを終えた海原(みはら)いおりがシャワー室に行こうとしていた


……が、



「はぁ…」


空を眺めていた七森(ななもり)あいすは窓を閉めては

ご飯でも作りに行こうとキッチンに向かおうとしていた


……が、



2人はぴったりと同じ位置で立ち止まり、

同時に2人して天井を見上げ叫んだ。




『なにが必要な人材と資金は出すだぁぁ??

 問題はそこじゃねぇぇぇぇ!!!

 時間だよ!

 じっ・かっ・んっ!!』



海原(みはら)いおりが叫ぶ。




『アイドルなんて言うんじゃなかったぁぁぁ〜!

 守護神龍さまってなに⁈⁈

 守護神龍さまの人間になった姿が

 【歌姫】と呼ばれていたぁ??

 そんなの知らないよぉ〜

 ハードル上げないでぇぇぇ〜』



七森(ななもり)あいすは(なげ)いた



(おほほ、

こ、このお二人……クスクスっ

それにしても面白いですわね……クスクスっ

いおりさんのお顔が、、、

あいすさんの泣き顔が、、、

アニメで言うところの"作画崩壊"を起こしておりますわよ?……クスクスっ

あなた達ほんとはアイドルじゃなく旅のお笑い芸人でも目指していらっしゃるのかしら?……クスクスっ)



モフ子は2人の行動と言動が面白く、

必死に笑いを(こら)えていた。



「し、しかし困りましたですわね」


まだ笑いを堪えている。



「あん?困ってそうには見えないぞこら?」


崩れた顔のまま睨みつけてくる海原いおり。


(作画崩壊した顔が近いですわよ?いおりさん。

あっダメ、

また笑いが……)



「そうよモフ子ちゃん!

 これは『3人の問題』なのよっ!!」



(いえ、

あなた達の問題ですわよあいすさん。

あなた、、、

さりげなくわたくしを巻き込みましたわね?)




「わたくしもこのお祭りには

 何回か参加はしたことはありますわ。

 たけどわたくし……

 守護神龍さまのことについて詳しくは

 知らないですわね……」



うーんっ……と言った表情をしているモフ子。



「とりあえず守護神龍さまについて何か詳しく

 調べないといけませんですわね♪」



「学園の生徒で誰か知っている者がいないか、

 ちょっと聞いてみますですわ♪」



そう言ってはモフ子はポケットから魔道具を使い、

学園の生徒と連絡を取りだした



「なんですって⁈

 図書館の妖精さまが⁈

 い、今すぐ行きますですわっ!」


なにやら(あわただ)しく魔道具での通話を切ったモフ子。



「ちょっとわたくしは今から図書館の方に

 行ってくるのですわ♪

 その間おふたりは祭りで何を披露するか

 考えていて欲しいのですわ♪」


そう2人に言い残し、

モフ子は急いで図書館へと走って行った。




図書館にはすでに長蛇の列があった。


こんなこともあろうかと、

モフ子は先ほど連絡した女の子の生徒に

自分の列の分の確保を頼んでおいたのだった。



(おほほ。

やっとわたくしの番ですわね。

妖精さまにお会いできるなんて光栄ですわ♪

……あら?

あの少年がなぜここにいるのかしら??

ん?んん⁈)



「あ、あれは!

 紫陽花(アジサイ)コンビのおふたりですわ!

 こんなところで会えるなんて、、、

 これは運命ですわ!」



この後のくだりは本編の《エピソード8》にありましてよ♪



図書館から帰って来たモフ子。



「ただいま帰りましたわ♪」


なにやら機嫌が良いモフ子は、

2人に本を見せては説明した。



モフ子は図書館の妖精 『十六夜(いざよい)』から

導かれた本のタイトルを読み上げた。

    


「『白い涙の歌姫』。

 どうやらこの本は

 ロマンス小説みたいですわね♪

 内容は簡単に説明いたしますとこのようですわね」



ーーー

守護神龍であるにも関わらず、

人間の男に恋をしてしまう。

守護神龍は人間の歌姫の姿に化けては

想いを寄せる人間の男に歌を歌った。


その時に白い雪が振り続け、

その雪がまるで、

叶わぬ恋と知りながら歌い続ける歌姫の涙のように見えたのだとか……

ーーー



それを聞いた七森(ななもり)あいすは急に声を変え


『いいお話だねぇー。

 おじさん感動しちゃったな!』


いきなりおじさんの声真似を披露した七森(ななもり)あいす。



そこに笑いを必死に堪えながら

すかさずツッコミを入れる海原(みはら)いおり。


「お、おぃww

 配信ネタやめろっ!www」




「???」



モフ子は訳が分からず首を傾けていた。




「冗談は置いといてぇ〜♪

 お話はとっても素敵だよねぇ〜♪

 歌姫ちゃんがなぜ雪を降らせたのか

 なんだかわかるなぁ……♪」



声を戻し、普段の感じに戻った七森(ななもり)あいす。




(歌姫ちゃんてっ、、、

守護神龍さまをちゃん呼びですの⁈)



「あぁ……なかなか胸キュンだな」


海原(みはら)いおりも「うん、うん、」っと(うなず)いている


「え?

 なぜなんですの??

 たまたま雪が降ったからではないのですの??」


1人だけ理解していないモフ子だった。

そんなモフ子に、

七森(ななもり)あいすはわかりやすく解説してくれた。



「だってぇ〜、

 寒いと身体を寄せ合いたくなるんだよぉ〜?

 きっと歌姫ちゃんは〜

 恋は叶わずともぉ〜せめてもう一度だけぇ〜

 好きな男の人にぃ〜

 抱きしめて貰いたかったんだよぉ〜〜」



七森(ななもり)あいすが間延びした声の感じでそう説明している



「そうそう、こうやってな?……ぎゅぅぅ」



海原(みはら)いおりが突然後ろから七森(ななもり)あいすに抱きついた



「ちょっといおりちゃんやめてっ!」


真顔でまさかの拒否をする七森(ななもり)あいす。

その顔は『ダンディな顔付き』になっていた。



(あっ、その顔はダメですわっ……また笑いが。)



「え?

 いや、嫌なのか?わたしのこと嫌いなのか⁈

 え??臭い?もしかしておじさん臭い??」


海原(みはら)いおり本人からはとてもいい匂いがするので、

きっとこれはボケなのですわね。


「抱きついてくるとかぁ〜

 いおりちゃんなんか企んでそうだもん〜」


顔が普段の顔に戻った七森(ななもり)あいすだった。


なぜか相方を怪しんでいた。


(企むってあなた……おふたりの関係って……)



「でもおふたりのおかげで、

 抱きつきたくなる気持ちがわかりましたわ♪」



モフ子は2人の実演で、

多少なりとも理解することができた。




「そうだぁ〜

 いおりちゃん!

 お祭りは最初はわたし達の普段のライブをしてぇ〜

 それから最後らへんでぇ〜

 わたし達も白い格好をしてねぇ〜

 歌姫ちゃんにぃ〜

 なりきっちゃおうよぉ〜〜♪」



七森(ななもり)あいすが提案した



「いい考えだなあいす」 「いいですわね♪」



海原(みはら)いおりもそれに賛同し、

同じくモフ子も同意した。



お祭りで披露することも決まり、

【あいおらいと】の2人とモフ子は

王様に簡単なライブ会場とスタッフを用意して貰うよう頼みに行った。


そしてそれから色々と打ち合わせをしたのだった。


クタクタになりながらも屋敷に戻った三人。


今日は休むことにした。



次の日から

あいおらいとの2人は猛練習をはじめた。



お祭りの準備が順調かどうか?

ライブ会場はちゃんと建設が出来てるのか?


2人は王都から少し離れたライブ会場まで

屋敷から何度も行ったり来たりしていた。

そしてスタッフにもちゃんと指示を出しては準備を進めているのだった。



お祭り開催まであとわずか……

時間はとても少ない……



モフ子は夜中に目が覚めてしまい、

お水を飲もうとキッチンへと足を運ばせた。



屋敷を歩いていると、



【あいおらいと】の2人が泊まっている部屋から

明かりが少し漏れていた。



モフ子はそぉっと中の様子を伺った……



すると、、、



( な、なんですって⁈)



そこには【あいおらいと】の2人が、すごい気迫で、

お祭りに歌う曲と踊りを

一生懸命に猛練習している姿があった。



ふたりの頑張っている姿を見たモフ子は、

「……さすがプロのアイドルですわね」

っと感心し、

邪魔にならないようにその場を静かに去った。



朝になり、

モフ子は【あいおらいと】の2人を起こしに行こうと

屋敷の部屋を尋ねた。



ーーコンコンッ



ノックをしても返事はなかった。



まさか倒れてるのでは⁈っと

モフ子は心配になり、

急ぎドアを開けた。



するとそこには2人の姿はなく、

一枚の書き置きが残されていたのだ。


『ライブ会場に行ってきます!【あいおらいと】』



ホッと安堵したモフ子。



(まったく、、、

おふたりはいつ寝ていらっしゃるのかしら……)


またしても感心をし、

モフ子もライブ会場へと向かった。



モフ子が屋敷を出て街中を歩いていると、



「お祭り楽しみだねー」


手を繋ぎ街中を歩いている親子の会話が聞こえた。


……微笑ましいですわね。



続いては若い男達が友達とお祭りのことで盛り上がっていた。



「今年のお祭りは力を入れてるみたいだぞ!

 異世界の人が演出するってよ!

 楽しみだなぁ!」




……えぇ、おふたりに期待していいですわよ♪



今度はおじさんが歩いていた。


「けっ、

 毎年他の大陸にも見に行ってるが、

 どうせ今回もうちの国だけショボい内容なんだろ?

 けっ」


なにやら否定的なおじさんだった。


……毎回この国のお祭りに期待をして見にいらしてたのですのね、、、

おじさま安心してくださいませですわ。

今回は期待してもよろしくてよ♪



モフ子はなぜか自分のことのように、

お祭りの噂話に聞き耳を立ててはそう感じていた。


【あいおらいと】は時間が少ないにも関わらず、

ライブのステージを確認したり、

スタッフにもちゃんと指示を出したりと、

忙しくしていた。

それでも少しでも時間が空けば、

自分達は歌や踊りの練習を欠かせなかった。


モフ子はそんな一生懸命な2人のことを

いつのまにか大好きになっていた。


【あいおらいと】の2人も、

モフ子がわざわざ差し入れを持って来てくれたり、

練習を励ましてくれたりと、

出会えてからの時間は短いのだが、

3人はとても仲良く楽しく過ごしていた。



これから先も、

3人はずっと友達なんだと、

モフ子はそう勝手に思いこんでいた。



まさかそんな大好きな2人が、

突然、自分の前からいなくなってしまうなんてことは、

この時のモフ子では微塵も想像がつかないことなのだった……


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