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エピソード9怪しい盗賊団を捕まえろ①

ーーー


「いいか?おまえら。

 手筈通(てはずどお)りにやるんだぞ?」


「「「「へい おかしら 」」」」



なにやらよからぬことを企んでいそうな怪しい盗賊団


図書館から少し離れた場所で紫陽花(アジサイ)コンビや少年、

そしてりと!が出てくるのを待ち伏せしていた。



この人達の顔をよく見てみますと、、、


なんと!


全員まったく同じ顔をしているではありませんか!


おかしらと呼ばれた方も同じ顔、、、


……あなた達はどこで区別していらっしゃるのか?



「へっ、任せてくだせぃ。

 しかしおかしら?

 〈ねるねるじくね〉を奪っても、

 俺達じゃ使えませんぜ?」


……最初に発言した人なので、

あなたを盗賊Aと呼びますね


盗賊Aが言った



「そうだぜおかしら。

 異世界空間を作り出せるのは、

 七星(ななほし)みらいってやつだけだろ?

 魔法剣士が側にいるらしいですぜ?

 あの魔法剣士はかなりやべぇやつですぜ

 俺の肉体美みたいに体が引き締まってやしたぜ」


……あなたは盗賊Bと呼びますね



「おで、あの可愛い感じの

 ピンク色の髪の女の子の相手がしたいなぁ〜

 ぐふふっ。」


……次が盗賊Cです。

顔がニヤニヤしていて気持ちわルーーゴホン失礼

なんでもありません。



「バカ!

 まずは〈ねるねるじくね〉を奪うのが先だろ!」


……最後に盗賊Dがツッコミを入れた



同じ顔の盗賊団のおかしらが、

盗賊ABCDの4人に対して指示を出した



「あぁ、

 あの魔法剣士が持っている、

 【魔剣】ってやつはたしかにやべぇ……

 俺たちが元いた世界の

 【勇者の剣】に匹敵するほどの武器だぜ」



どうやらこの怪しい盗賊団は、

燃えさかる【七星(ななほし)みらいの保健室】から

七星(ななほし)みらいがみんなを脱出させた時にいた

異世界の方達のようです。


七星(ななほし)みらいの保健室】の入り口と出口は

どこから出入りしたとしても

自分の世界にしか通じていないので、

こちらの世界に来ることは稀なのであります。

ただし一部の人達には例外もあるようですが……


滅多にないことなのですが、

本来なら異世界の方達がこの世界に入り込んでしまった際には、

その大陸の国王と面会するはずなのです。


この怪しい盗賊団達は面会をせず

どこかに隠れていたみたいですね


……わたくしと一緒ですね。



「安心しろおまえら。

 七星(ななほし)みらいの他にも、

 もう1人、いや、、、3人か

 詳しくは知らねぇが、

 そいつらは"名前を残す"ことで、

 自分の力を使うことを許されているらしい。

 そしてそいつらは〈ねるねるじくね〉を使い、

 異世界空間を作り出せるみたいだぜ?」


 

怪しい盗賊団のおかしらがニヤリと笑っている



「「「「ほんとか!おかしら!」」」」



「あぁ、

 俺様の持っている〈アーティファクト〉

 【モブの心得(こころえ)】が

 そう教えてくれているから間違いねぇよ」



おかしらは

なにやら魔道具のような?

いえ、この世界には無いおそらく盗賊団達の

元いた世界の物と思われる〈アーティファクト〉と

呼ばれている異世界のアイテムを手に持ち喋っていた。


そしてそのアーティファクトを上に掲げては、

おかしらは呪文を唱えはじめたのだ




『オシエテ オシエテ モブノヤクワリ』




……なんとも切ない呪文ですね。



すると、


アーティファクトは地味にちょっぴり光り、

おかしらの頭の中にモブとしての立ちまわりと、

そして必要最低限の知識と情報が流れ込んできたのだ。



「ほほぅ。

 そいつの名前は『七森あいす』ってよ。

 王都の少し離れた場所で、

 守護神龍のお祭りが開催されるみてぇだ。

 そいつはそのお祭りでライブをするらしいからよぉ

〈ねるねるじくね〉を奪ったら、

 CとDがそいつを連れてこい!

 ついでにお祭りもぶっ潰してやれ!

 へっへっへっ」



「じゃあいくぞ」っと、おかしらは目で合図をし、

先ほど図書館から出てきた紫陽花(アジサイ)コンビと少年、そしてりと!の目の前に姿を現したのだった。



ーーー




「おい!そこの青い髪の兄ちゃん!

 オメェが〈ねるねるじくね〉を持ってるだろ?

 へっへっへ、さっさとそいつをよこしな」


……シャウラさんのことを男と勘違いしているので、〈アーティファクト〉の性能は、

あまりよろしくないのかも知れませんね。



シャウラが〈ねるねるじくね〉を持っていることをなぜか当て一同を驚かせた。


いえ、


みなさんが驚いているのはきっと、

あなた達5人がまったく同じ顔だからでしょう。



「えっ⁈

 みんな同じ顔の人だぁ!

 これって五つ子ってやつなのかなぁ??」


少年は同じ顔が五人も並んでいる光景を

初めて目撃し、とてもおどろいていた。



「せやんなぁ♪

 かんみも思った!絶対そう♪」


甘飴甘味(あまあめかんみ)も少年の言葉に同意した。



「いいえ、違うわ。

 彼らは兄弟でもなければ、

 分身とかでもないわね。

 顔は同じでも

 なにかわからないのだけれども、

 1人、1人、少し違う感じがするわね

 ……なにかしら?」



りと!が盗賊団達のことを

マジマジと見ながらそう言っている。



……え?

あなたには彼らの違いがわかるのですか??

ナレーションをしているわたくしにはさっぱりです。



「こいつら、

 みらいさんの保健室にいたやつらだな?

 ふっ……何か異世界の力を使って、

 オレが持っていることを当てたんだろ?

 それに同じ顔ってことはアレか?

 どっかの世界の"モブキャラ"か?

 これを使って帰りたいのか、、、

 それとも他の異世界にでも行きたいのか、、、

 まぁそんなところなんじゃね?」



シャウラが〈ねるねるじくね〉を、

ポーンっ、ポーンっと、

空中に投げて遊ばせている。


そして盗賊団達を冷静に分析した結果の考察を述べていた。



「シャウラ、

 それ壊したらもう作らないわよ?」


りと!が〈ねるねるじくね〉のことを軽く扱うシャウラに釘を刺した。



盗賊団のおかしらが、

シャウラの的確な考察に涙目になり、

瞳を うるうる させながら反論してきた。



「う、うるせぇ!!

 俺たちゃなぁ

 モブはモブでも、

 元の世界なら中ボスクラスなんだよっ!

 そこそこ実力がある盗賊団なんだよっ!!

 それなのに、それなのに、

   いつも、

       いつも、

 『勇者パーティー』に、

 ボコボコにされるんだぜぇ……うぅ」



「「「「お、おかしらぁ〜〜」」」」


盗賊団達も一緒になって瞳をうるうるさせていた



……やはりモブキャラの敵さんだったのですね。


しかし、


状況は紫陽花(アジサイ)コンビ達にかなり不利。


少年と、りと!は戦力外。


この未知の力を隠し持っている盗賊団から

この2人を守りながら戦うと言うのは、

いかに紫陽花コンビと言えど

少しばかりキツイのでは??



すると、


どこからともなく聞き覚えのある声が……




    『僕達も加勢するよ!』




王都ギルドのマークをつけた短めの黒い髪をした女の人が

王都ギルドの部下の魔法使い達を引き連れ一緒に現れたのだ。


さらにその後ろには見知った二つの影が……



「レートさんだぁ♪」


少年は聞き覚えのある声に再び出会えてとても嬉しそうだった。



「やぁ少年くん

 りと!や十六夜(いざよい)の2人と知り合いになったんだね♪

 僕達はその異世界の人達を捕まえに来たのさ。

 かんみ、シャウラ。

 大丈夫そうだけど僕も加勢してもいいかい?」



この状況で紫陽花(アジサイ)コンビに遠慮して一言かけるのだからさすがだ。


(やはりこの人はまともだ!)っと、

少年の中でレートは高く評価されていた。



「さんきゅ♪」


甘飴甘味(あまあめかんみ)も再び会えて喜んでいた。



「あぁ、構わないぜ」


シャウラも顔には出さなかったが、

レートに再び会えて喜んでいた。


そして後ろにいた見知った二つの影の正体も

顔を出してきたのだ




『おぃおぃ、なんだよこれ??同窓会かぁ?』


『ふふふっ。ほんとね♪」



レート達と一緒に来ていたアカベコと七星(ななほし)みらいが現れたのだ。



「アカベコさん!みらいさんも!」


少年は2人にも元気よく挨拶をした。



「あら、ベコ。生きてたの?」



りと!がアカベコに言った。



「生きとるわッ!勝手に殺すな!」



アカベコも言い返した。



「みらいさんはどおしてここにぃ?」



少年は疑問に思ったことを口にした。



『ふふふっ。

    それがね

         急にね

 国王様がね

      この世界からね

 異世界の力を持つ者を至急、

 元の世界に帰らせなさいって言ってきたのよぉ。

 ほんと急よねぇ〜』


急なはずなのに、

この天然っぷりで言われると、

なぜか急とは感じられないのはなぜだろうか?



「それで僕の部下の探知魔法を使って、

 異世界の人達を探していたのさ。

 異世界の人達の魔力や気力は、

 こちらの世界の人とは少し違うからね。」


っと、レートが説明してくれた。



「みらいさんこれ。

 りと!が作ってくれたやつです。」


シャウラが〈ねるねるじくね〉を七星(ななほし)みらいに手渡した。


「あら?すごく良い出来ね!

 これならすぐにでも異世界空間を作り出せれるわ!

 なるほどぉ、

 ザナトス先生はコレを使ったのね、、、」


七星(ななほし)みらいが〈ねるねるじくね〉の出来の良さに感心している。



「ザナトス……あの野郎は絶対に許さねー!

 てか、

 やつはなんでこのアイテムを持ってたんだ?」



アカベコが憤怒を露わにしている。



「りと!お前の責任でもあったのかよ!」


シャウラがりと!に問い詰めるが、

りと!は

「わたしが作ったのは今回と、

 ギルド学園時代の時に作っただけよ?

 あなた達も知ってるでしょ?

 何個かなくなってしまったことを……

 あの時は、みらい先生以外に、

 異世界空間を作り出せる人がいるなんて、

 当然知らなかったもの。」



三人の言い争いの間に入るレート。



「まぁまぁ、ベコベコも今は落ち着こうよ?

 それにシャウラも、、、

 りと!本気で問い詰めてないからね?

 気にしなくていいよ。

 きっとあの時にザナトス先生が盗んだんだよ」



レートがアカベコやシャウラ、りと!を落ち着かせた



……が、



そこへ甘飴甘味(あまあめかんみ)が口を挟み、

火に油を注ぐ形となってしまった。



『はぃはぃあの時ね♪

 でもなんで、

 りと!は大量に

 〈ねるねるじくね〉を作ったんだっけ??』



甘飴甘味(あまあめかんみ)がギルド学園時代に、

自身が巻き起こした『事件』のことを、

自分が原因なのを忘れていたみたいなので、

一同はすかさずツッコミを入れたのだった。



シャウラ「かんみのせいだろ?」

アカベコ「甘味のアホのせいだぞ」

レート「かんみのせいだね。」

りと!「かんみ?あなたのせいよ?」

七星みらい「ふふふ。かんみちゃんでしょ?」


少年「なんのことかわかんないけど、

   かんみおねえちゃんのせいみたい」


甘飴甘味(あまあめかんみ)「まーじぃ⁈」



甘飴甘味(あまあめかんみ)が本気で驚いていたことに、

「忘れてんじゃねぇ!」と、

アカベコがさらにツッコミを入れたところで、

みんなが笑い出した。


……あの天然の七星みらいまでもツッコミにさせるとは、、、

甘飴甘味(あまあめかんみ)、 恐るべし。



『テメェらぁ!!!

   さっきから俺たちを

      無視するんじゃねぇ!!』



(あっ……このおじさん達いたんだったね)



少年はすっかり怪しい盗賊団達の存在を忘れていた



『魔法剣士がいるのは話が違ってくるぜ。

 仕方ねぇ、

 勿体ねぇが……おい!D!

 お前の〈アーティファクト〉を使え!

 その後はCと七森(ななもり)あいすの確保に向かえ」


おかしらに命令された盗賊団のDは、

先ほどおかしらが持っていた物とは別の

〈アーティファクト〉と呼ばれる物を上に放り投げた


すると、


アーティファクトは粉々に砕け散り、

代わりに黒い霧が噴出しては

紫陽花(アジサイ)コンビ達の視界を眩ました。

黒い霧が晴れたと思ったら、

盗賊団達の姿は消えていたのだ。


そして代わりに複数のゴーレムが現れた。



「ちっ……逃げられたか。」



アカベコが舌打ちをした


レートはすぐに部下達に探知魔法を発動するよう命令した。


レートが部下に探知魔法の結果を聞き、

林の方に3人、お祭りの方に2人だとみんなに伝えた。



「ここは二手に分かれよう。

 ゴーレムは僕とベコベコで相手をするよ

 終わり次第、近くの林に向かうから

 モンスターや魔獣が相手なら僕達に任せてくれ。

 あぁ、それと、

 ギルド長から魔法使いをお祭りに配置するように

 依頼が来ていたんだった、

 かんみが行ってくれたら助かるよ!」


そうレートが言った。


レート、アカベコ、りと!が

林に逃げて行った3人を捕まえることに……


紫陽花(アジサイ)コンビと少年、

そして七星(ななほし)みらいは、

お祭りの方に向かった2人を追う形で

それぞれ分かれた。


七星(ななほし)みらいは国王の命令で、

七森(ななもり)あいすと海原(みはら)いおりの2人組からなる

アイドルユニット【あいおらいと】を、

お祭りが終わり次第、元の世界に返す為に、

お祭りへと向かった。



「ここからなら転移魔法が届くわ!」


そう言って七星(ななほし)みらいは呪文を唱え、

自分と紫陽花(アジサイ)コンビと少年を

お祭りのライブ会場にまで転移させたのだった。



残ったアカベコとレートが、

複数のゴーレムを相手に戦闘を始めた。



レートはゴーレムに蹴りを入れ吹き飛ばし、

次のゴーレムを拳で一撃で倒し、

そのまた次のゴーレムも両手で押し倒した。


まるで(まい)でも()っているかのような華麗な一連の流れを見せ、

次々にゴーレムを倒していった。



「さすがだな!

 ギルド学園時代の実技試験で

 お前は体術が100点だったもんなぁ〜」


アカベコがレートの華麗で柔軟な動きに関心した。


レートが魔力と気力を込めた重い一撃を、

ゴーレムに入れさらに倒した。


ゴーレムはどんどん2人によって倒されていく。



「シャウラも満点だったよ?

 それにベコベコは満点はなかったけど、

 他でも平均点が高かったじゃないか。」


話をしながらでも余裕でゴーレムの攻撃をかわし、

そして反撃していくレート。



「わたしと十六夜(いざよい)は座学は100点よ。」


りと!はギルドの魔法使いに守られながらも、

負けじと会話に参加してきた。



「そうだったな。……よっと!」


アカベコが最後のゴーレムを倒した。




「さて、

 俺たちは林の方の盗賊団を追うか……」


アカベコは林に向かった


レートも部下のギルドの魔法使い達を先導し、

りと!も後に続いたのだった。


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