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僕だけに聞こえる彼女達の本音がデレデレすぎてヤバい!  作者: 寝坊助
デレ1~妹と幼馴染のバトルがヤバい!~
37/217

37「一か八かの賭けだった」

「どうして?」


 僕の言葉を聞いて、りおんがきょとんとした顔で尋ねた。

 地面にへたり込んだままで。腰が抜けて、まだ立てないらしい。


「どうして……」


 まだ起こったことに対して脳がついていけてない。そんな表情だ。

 涙はもう止まっているようだが、それでも痛々しい姿だった。

 目は真っ赤だし、顔中涙の跡でぐしゃぐしゃだ。

 こんなに泣いてるりおんの顔を見るのは、子供の頃以来だったと思う。


「どうして、こんなことしたの? 一歩間違えば、透ちゃん死んでたんだよ?」


「うん。一か八かの賭けだった。でも、これしかなかった」


「えっ、どういうこと? これしかなかったって――」


「りおん。君はヤンデレ病に侵されてるんだ」


「……えっ? ヤンデレ病って、最近見つかったっていう、あの――?」


 僕がそう言うと、りおんは目を見開いた。やはり、自身がヤンデレ病にかかってることは知らなかったらしい。


「うん。あのヤンデレ病。だから、こんな芝居めいたことをしたのさ。調べてみたんだけど、ヤンデレ病に根本的な治療法はないらしい。だったら、いわゆるショック療法ならどうかと思ってね」


 りおんの顔が怪訝そうになる。自分がいきなり病気と言われたことに対してか、ショック療法の不確かさについてなのかは、わからない。


「で、でも! ひどいよ、こんなの!」


「なにがひどい?」


「だ、だって、わたし、本当に透ちゃんが死んじゃったかと思ったんだよ? それなのに、全部嘘だったなんて……、透ちゃん、ひどいよ!」


「でも、そうでもしなければ、君は自分の過ちを認めなかったし、ほみかに謝ろうともしなかった。そうだろ?」


「……それは……」


 僕がそう言うと、りおんは言葉を詰まらせた。


「荒療治だったことは認めるよ。けどね」


 僕は、不満そうな顔をしてるりおんを、見下ろしながら答えた。


「君がほみかにしたことをよく思い出してみなよ。少なくとも、幼馴染にするようなことじゃなかったはずだ。ならば、重度のヤンデレ病に侵されてると言える。このことから、生半可な治療方法じゃ逆効果になると踏んだわけだよ」


「……それは……わかるけど」


 僕は、なおも納得してなさそうなりおんに対して、


「ほら、立てるかい?」


 と、手を差し伸べた。


「う、うん」


 りおんは遠慮がちに僕の手につかまり、ゆっくりと体を起こした。

 その時。

 

 僕はりおんの頬を思い切り引っ叩いた。

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