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僕だけに聞こえる彼女達の本音がデレデレすぎてヤバい!  作者: 寝坊助
デレ4~決着!? 最後に誰が選ばれるのかがヤバい!~
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7「あれ? これだけ?」

「それじゃあ次は、あたしの料理ね!」


 そして、いよいよほみかの番。

 意気揚々とほみかは、台所から調理済みの料理を、盆に乗せて持ってきたのだが――


「あれ? これだけ?」


 僕が率直な感想を述べると、ほみかは顔を真っ赤にし、


「な、なによ! ちょっと見た目はアレかもしれないけど、問題は味よ! 味味味! 文句は、食べてから言いなさいよね!」


(お兄ちゃん! ほみか一生懸命作ったから、お願いだから食べてえええええええええ!)


「ああ、ごめん……」


 ほみかの心の叫び声に対し、僕はお詫びをする。そして再び、ほみかの作った料理をつぶさに観察する。

 マヨネーズをかけたツナと、刻んだネギとショウガが乗ってるだけのご飯である。よく見るとトッピング用のチーズが乗ってたりするけど、あすかの作った本格的な料理に比べたら、どうにも見劣りがしてしまう。ほみかには悪いけど。

 

「それよりも。もう食べちゃっていいかな?」


「そうよ! さっさと食べなさいよ」


「はい。いただきます」


「ふん。心して味わうのよ?」


 ほみかの言うとおり、僕はスプーンでご飯をすくうと、ゆっくりと口の中に入れ咀嚼した。

 

「おお……」


 僕は感歎の声を漏らした。見た目はちょっとみすぼらしいけど、うまいぞこれ。

 どうも香ばしいと思ったら、ごま醤油がかけられてる。シャキシャキのネギもいけるし、ツナマヨご飯にとろーりとしたチーズも相性バツグンだ。


「あれ……?」


 飲み込んでから、僕はその違和感に気づいた。

 どうにも、初めて食べた気がしない。前に一度――それも、大分昔に、僕はこの料理を食べたような気がするのだ。


「まさか……」


 思い出すのに費やした時間は数秒だった。今から十年前、確かに僕はほみかにこの料理を作ってもらったことがあった。僕はさらに詳しく思い起こそうと、過ぎ去りし日々を追憶してみることにした。

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