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僕だけに聞こえる彼女達の本音がデレデレすぎてヤバい!  作者: 寝坊助
デレ3~主人公、まさかの離縁!? 幼馴染とクラスメートのバトルもヤバい!~
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41「そこまでよ! りお姉!」

 そんなこんなで、僕は美少女三人と一緒の湯に浸かっていた。

 こんな言い方をすると、どこのモテ男だよと思われるかもしれないけど。まあ彼女達が少し際どいとは言え水着を着ていることが、せめてもの救いか。

 

 でも水着姿とはいえ、特上の美少女と一緒に温泉に入るなどという非日常は、僕みたいに思春期真っ盛りの高校生にはかなり刺激が強いわけで。

 

 例えば。


「……ふう。いいお湯ですね。お母さまから聞きましたが、ここの温泉には美肌効果があるらしいですよ?」


「えっ、マジで!? ラッキー☆ この機会にいっぱい入っておかないと……ってりお姉。何胸を抑えてんの?」


「……だってぇ。こうしないと浮いてくるんだもん」


「「!!」」


 美肌効果で盛り上がるアリサとほみかに。

 巨大な胸が浮くことを気にするりおん。


 こんな会話は、学校にいてもまず聞こえてこないだろう。

 

「ほんと、胸が大きいとろくなことがないよ~。合う下着が中々ないし、透ちゃん以外の人からジロジロ見られるし、走る時邪魔だし、肩は凝るし。胸が小さい人が羨ましいなー。わたしも一日でいいから、貧乳になりたぁ~~い」


「りお姉ってたまにマジでムカつく時があんのよね……。ねえ、アリサさんもそう思わない?」


「……思います。いえ、これは決して私の胸が控えめだからではないのですが。透さんもいるのに品のない発言をしていると思いましたので」


「……あ、あはは。僕ちょっと、もう一回体洗い直してくるよ」


 胸の大きさをさりげなく自慢するりおんに、嫉妬するほみかとアリサ。僕は女達の修羅場から逃げるように少し離れた洗い場へ向かい、椅子に座った。いやね、水着着ててもやっぱり三人ともとんでもない美少女だし、生々しい会話とか聞いてたらムラムラしちゃうってもんだよ。僕はのぼせた体を少しでも冷ますべく、温めのシャワーを浴びた。


 その時。


「ねえ。透ちゃ~~~~ん? か・ら・だ。流してあげるよ♡♡」


「ちょ、りおん!?」


 いつの間にかりおんが、僕のすぐ後ろに立っていた。


「体を流すって……ああ、そうか」


 一瞬僕はいやらしい想像をしてしまった自分を恥じた。裸同士だったらそりゃマズいけど、今はお互い水着を着てるんだ。いや、それもマズいんだけどね。


 当然ながら、僕は海パンを履いてるので大事なところは見えていない。りおんの方はちょっと……色々見えてしまっている気がするが、僕が見なければ問題ない。ということで。


「悪いね。それじゃあ、お願いするよ」


「おっけー☆ まかせて? 透ちゃん♡♡♡♡」


(うふふ、やった。透ちゃんの了承を得た。これで、透ちゃんの体を思う存分洗える!)


 りおんは肉声も心の声もやる気まんまんである。

 やる気まんまんすぎて、何だか不安になってくるくらいに――。


「……ってりおん。何やってんの?」


 ボディソープを懸命に泡立てるりおんに僕が呆れ顔で突っ込むと、彼女はキョトンとした顔で聞き返した。


「ふえ? なにが? 体洗うんだから、ボディソープつけないとダメじゃない」


「それは分かってるよ。僕が聞きたいのは、何で自分の体に(・・・・・)ボディソープを塗ったくってるのかってことなんだけど」


「うふふ。透ちゃんったら冗談ばっかり」


 真剣に問い詰める僕とは間逆に、りおんはくすりと笑って、


「わたしは『透ちゃんの体を流してあげる』としか言ってないよ? どういう風に洗うかまでは言ってないじゃない。手で洗うってのは透ちゃんの思い込みだよ。わたしはこの通り、この豊満なボディで洗わせてもらうからね♡」


「……そういう引っかけはクリスティーナさんだけにしといてほしかったよ」


 ……僕は深くため息をついた。せめて温泉ぐらいはゆっくり浸かりたいというささやかな願いは、どうやらりおんによって打ち砕かれそうだ。


「それじゃあ、湯冷めしちゃうし早めに洗っちゃうね? ――透ちゃん、ちょっと後ろ向いて?」


「えっ、こう? ――ひゃっ!?」


 僕が風呂椅子に座りなおすと、りおんは自らの体を僕に押し付けてきた。


「あんっ♡♡ 胸が透ちゃんの背中に擦れて気持ちいい……。ねえ、もっと強く洗っていい?」


「ダ、ダメに決まってるだろ……。僕ら高校生なのに、こんな風俗みたいなこと……あうっ!」


「そんなこと言ってぇ。体は正直だよ? 透ちゃんの体、熱くなってるし堅くなってる。うふふ。透ちゃんも何だかんだ言って男の子なんだね。嬉しい♡♡」


 ……そんなことを言うが、ただでさえ柔らかいのに泡でさらに柔らかくなった身体が、りおんの胸が、寸分の隙間もなく僕の体に密着され、縦横無尽に滑るのだ。声を出すなと言う方が無理というものだ。

 

 あっでも、これ本当に気持ちいい……。僕がりおんの身体に心地よさを感じていた、その時。


「あっつ――――――――――――――――――い!!」


 何故かりおんが、悲鳴を上げ飛び跳ねていた。

 ビックリして僕が後ろを振り返ると――。


「そこまでよ! りお姉!」


「……りおんさん。抜け駆けは無しって言ったじゃないですか」


 湯気が昇る風呂桶を持ったほみかと。

 その横で不機嫌そうな顔をするアリサが立っていたのだった。

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