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出会い


俺は今、朝ごはんを食べている。

両親が共働きなので家に帰ってくるのが遅く、帰って来るとすぐ寝てしまうため、食べ物等は自分で作らないといけない。


「今日も俺の作った料理はうまいな」


俺もそんなにナルシストではない、ただ単に俺しかいないこの部屋が寂しかったらからこの場を少しでも明るくしようとしただけだ。

う、嘘じゃな、ないんだからね!

かれこれしていると朝ごはんを食べ終わってしまった。

それから歯磨きや着替えなどをすませて玄関へ向かう。


「いってきまーす」

「...........」


両親はまだ寝ているようだ。

少し寂しさを感じながらドアを開ける。

なんと!そこには、今まで見たことないほど美しい景色が!......何てことはなくいつもと同じ景色が広がっていた。

学校までいく時間が暇なので、簡単に俺が通っている学校の紹介をしよう。


市立高岡南高等学校。それが俺の通っている学校の名前だ。偏差値も普通。女子の顔も普通。男子の顔も普通。特別先生が面白いなんてこともなく、世界で一番普通に愛されている学校とまで呼ばれる始末だ。

まぁ、そのあだ名は気に入ってるんだけどね。

そんな普通の学校でもひとつだけすごいところがある。市立高岡南高校は、生徒数がずば抜けて多い。1,2,3年生合わして軽く1000人を越える。なので校舎も大きく普通の学校の、4倍位はある。毎年迷子が出るとかでないとか、まぁ、ここら辺で俺の学校の話は終わりだ。他にも話したいことがあるけどやめなければならない。なぜかというとぉっっっお!


「やーやーおはよう拓斗くん!今日もいい天気だな!」

「何でドロップキック!?」

「いやーごめんごめんちょっとやってみたかった」

「はぁぁぁ....」


朝っぱらからドロップキックをかましてきたのは、同じクラスの谷川晴空。晴れた空とかいて、「はると」と読む


「何で腰なんかおさえてるんだ?」

「お前がドロップキックしなかったら腰なんかおさえねぇよ!」


今気づいたが、学校の近くというのもあって多くの生徒がこちらを見ていた。


「は、はやくいくぞ!」

「おい、押すなよ拓斗ぉー」


そのままの勢いで、クラスまで走った。いや走ろうとした。だがこの学校が広いことを忘れていた。


「「はぁはぁはぁっ」」

「何で朝からこんなに疲れないといけねぇんだよ!」

「お前が急に押してきたからだろぉ」


こんな言い争いをしても仕方がないので、二人で歩いて教室へ向かう。

二人で雑談なんかして歩いていると意外とすぐに2-Aとかかれた教室が見えてきた。

教室の扉を開けて中へ入る。するとなぜかいつもよりガヤガヤと騒がしい気がした。


「そーいや、今日転校生が来るんだったなー」

「え?しらねーよ?んなこと」

「お前寝てたしな、起こしてもよかったけど面倒だったからやめといた」

「起こしてよ!?」

「ごめんって」(笑笑笑笑)

「なんか今笑っているような気がした」

「え!?いや、笑ってなんかねーよ」

「ふーん」


すると扉が勢いよくガラララという音をたて開いた


「朝のHRはじめるぞー席つけー」


クラスの担任の山口先生がそう言うと皆が席につく。


「今日は転校生を紹介するぞー」


クラスがまたガヤガヤとざわつく


「静かにー、よし入ってきなさい」

「はい」


その一言で俺の全身に電流がはしった。この何度も聞いたことのある声、俺の好きなあの声。分からないわけがない、ずっと聞いてきたあの声。

教室の扉が優しく開く

その少女は10人中10人が可愛い、あるいは美人という顔立ちをしていた。髪は少し茶色がかった色をしていて髪型はロング、そして身長は158㎝くらいだろうか、胸は結構、コホンコホン、そんなことなんかどうでもいい。

やっと会えた。やっと見つけた。


「私の名前は川崎 美香といいます」

「家の事情でこの学校に転入することになりました」

「皆さんと仲良くしたいので気軽に話しかけてください」


あぁ、間違いない、あの声だ。聞き間違えるはずかない。ずっと聞きたかった声だ。


「おい!拓斗大丈夫か!?」

「え..?」


俺は頬から落ちてくる水滴に気がついた。

目を拭う。俺は自分でも気がつかないうちに涙が出ていた。

もう一度川崎 美香の方を向いてみる。目と目があった。すると




(やっと会えた)



口がそう動いているように見えた。

ヤバイ。ヤバイヤバイ。このままだとここで自分でも訳のわからないことをしでかすかもしれない。一旦ここから逃げよう。


「先生、気分が悪いので保健室にいってきます!」

「わ、わかった、早くいってこい」


俺はその場から逃げ出した。教室からは心配する声や、驚いたといった内容が聞こえてくる。

とりあえず逃げろ、逃げろ、逃げろ。

俺は無我夢中に走り続けた。




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