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始まり


「い.....いたい.....会いたい.....」


またあの夢だ。

顔も名前も知らない誰かが俺の耳元で囁く。


「早く.....あい...たい...」


この夢はかれこれ一年ほど前から続いている。

最初の方は驚いたし、恐れもした。だが一年もたつと慣れを通り越してこの声が快感に感じる。実際、今はこの声がないと生きていけないと自負している。


「もう....時間..みたい.....」


(待って!)


と言おうとするが、声がでない。

隣にいたはずの体温がどんどん遠ざかっていく。


(待って!待って!待って!待って!待って!待って!待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って待って............待ってよぉ、いかないでよぉ............ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁいかないでぇぇぇぇぇぇぇぇ)


そこで目が覚める。目を拭うと手の甲には涙がついていた。

この夢を見たあとには必ず涙が出ている。

脳にあの声がこびりついて離れない。もう一度あの声が聞きたいと無意識のうちに思ってしまう。

そしていつも最後にこう思う


「顔も名前もわからないけど、きれいな声をしていたな。この声の人と会えたら、どんなに幸せなんだろう。この声の人と一生を一緒に歩めたらどんなに幸せなんだろう。一度でいいから会ってみたいな.....」


俺は知らないうちにこの声の人に恋をしていた。

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