23話 苦手なもの
(注)この物語には多少の流血、いじめ、殺人等の残酷な描写が含まれます。苦手な方はブラウザバックをお願いします。また犯罪行為を助長する意図はございませんのでご理解いただきますようお願い申しあげます
カフェを出てから、しばらく適当にアトラクションを楽しむ。そろそろお昼も間近というところで千里の足がとあるアトラクションの前で止まった。そう、お化け屋敷が楔の目線の先にあったからだ。ぎりぎり視界の端に移るぐらいの後ろにいた千里の姿が見えなくなった楔は立ち止まると、体ごと振り返ると口を開く。
「何だよ、地雷。……いきなり立ち止まるなよ、行くぞ」
「……やっぱり行くの?…やめない?絶対後悔するよ」
「……何で?まさかこんなのが怖いの?だっっさ……」
「っ……!んな分けないじゃん。お……お化けなんて怖くねえし!」
千里はそう言いながら楔から目線をそらす。もちろん怖くないなんて言うのは嘘だし千里も、気がつかれてると言うのも察してるし、楔も千里がお化けが怖くないなんて言うことはもちろんのこと、気がついている。だからこそこうしてからかってあそんでいるのだが、甲もわかりやすいのはさすがにどうなのだろう、と思う。仮にも人を守る警察官なのだから、もう少し演技力をつけたらどうなんだ、と思うが他人のことなのであまりとやかく言えないのだが。
楔は千里の言葉を聞いて、内心は面白がりながら、表面では何も考えてない風を装いながら口を開く。もちろん後ろに回って肩を押しながら。
「じゃあ良いじゃん。ほら、行くぞ」
「そ、それとこれは話は別だろ?!俺は逝きたくないです。いやですしにたくないです嘘ですほんとうはお化け屋敷怖いですお化け屋敷とかむりです吐く」
「素直でよろしい」
お化け屋敷が目前に迫ると流石に観念したのか、千里は息継ぎもなく、口を開くと、楔は若干引きながらも、「よろしい」と言うと、肩を押す力が弱まるのが分かる。千里は数歩先に歩いてから後ろを振り向く。この様子だと、どうやら最初から分かっていたらしい。千里はまじまじと楔のことを見つめた後に恥ずかしそうに頬をポリポりと顔をそらしながら口を開く。
「……楔にはなんか俺の弱点とか秘密知られてばっかだなぁ」
「気のせいだよ」
「そうかな」
「そうだよ」
千里の言葉に楔は若干驚きつつも気のせいだ、と言うと納得していない様子の千里は不服げに声を上げる。楔はそれを聞くと笑い出してしまいそうになるのだがそれをこらえて声を出すと、納得はしてなさげな千里の顔が目に入る。でも確かに考えようによっては楔は千里の隠し事脂が手なものはそれなりに知っている方だろう。幼馴染みに勝てるのかと聞かれれば、恐らく知らないが、それと同じぐらいは知っていると思う。それを口にしない理由は特にないのだが、なんとなくなだけだが。




