17話作戦決行
(注)この物語には多少の流血、いじめ、殺人等の残酷な描写が含まれます。苦手な方はブラウザバックをお願いします。また犯罪行為を助長する意図はございませんのでご理解いただきますようお願い申しあげます
千里はその頃電柱の陰に隠れていた。如一の連絡を受け、千里がもし伊織が襲われるとしたら、人通りが少なく、逃げやすいポイントを狙うだろう、とのことで、先回りをしていたのだ。千里は今日伊織に警察をしていることを、それもトップに立っていることを話すのだ。先のことを思うと胸が苦しいし、この後のことを考えると、緊張なんてもんじゃなく、若干手が震えていた。千里は隣に立っている亜留斗にふと声をかける。
「にしても……。緊張してきたわ……。いろんな意味も込めて。大丈夫?俺生きてる?」
「……馬鹿なのか?安心してくれたまえ、お前はいつも通りだ」
「え、なんかそれすげぇ馬鹿にされてる気分」
そんな風に話をしていると、やや後方から如一と、零、それから和斗の声が聞こえる。
『和斗君!』『……君さぁそこ、どいてくれない?邪魔なんだよ』『お前が子の連続殺人事件の犯人か……』
それを聞くなり千里と亜留斗は静かに頷き合う。千里が動き出したとほぼ同時に零は地をけった。それとほぼ同時だった。
「そこまでだ!ゼロ」
「如一様っ……?!」
「はぁ……?!」
如一の声が飛んできたのは。伊織は何が起こっているのか、まったくわかっていない、とでも言いたげに困惑していた。それもそうだろう。まさか自分が狙われているなんて微塵にも思っていないのだから。亜留斗はいつの間にか伊織の後ろに回っていたのか、伊織の腕をひてその場から離れさせる。そこにも困惑えお見せる。何が起こっているのか理解が追い付いていなかった。そんな伊織の目に映ったのは駆けつけた如一がそのまま零を拘束するところのみ。
「おいっ千里!」
「わかってるっちゅーの!」
「え……」
そして、警察の格好をした千里の姿だった。伊織は信じられなくて後ずさりをした。それを千里はしり目に見ながら、押さえつけられていた零の手首に手錠をかけた。
「藤塚零、4時50分銃刀法違反及び殺人の容疑で逮捕する」
そう静かに告げた後に千里は静かに伊織に振り返る。伊織はじりっと一歩後ろに下がった。こうなるとはわかってはいたがやはり少し心に傷ができる。如一は慌てたかのように伊織に声をかける。
「待て待て、少し千里の話を聞いてやってよ」
「は……?」
如一の言葉と、亜留斗に腕をがっしりとつかまれているのもあり、身動きが取れなくなった伊織はおとなしく千里の言葉を聞くことを決めると、千里は小さく笑いながら「ごめんな」と謝罪を入れた後に小さく咳払いをしてから軽く背筋を伸ばしてから伊織の見たことがないような顔をしながら改めて自己紹介を受けた
「改めて、自己紹介をさせていただきます。今年からこの県の警視総監に配属しました、地雷千里です。紹介が遅れてすまなかった」
「……何?千里、馬鹿なの?僕が警察嫌いなの知ってるよね。わざわざ嫌われに来たの?」
「いずれ、ちゃんと話そうって思ったから。この事件が始まったときから嫌われたらそこまでだなって。それから……」
千里は伊織の瞳が厳しいものだ、という事はわかっていた。それでも目をそらすことなくまっすぐと伊織のことを見つめる。嫌われたらそこまでだ、といった後に続けて口を開く。
「二年前の事件!部下が申し訳なかった!」
そのあとに続いた言葉は、全身全霊の謝罪だった。千里は人前だという事も忘れて頭をすごい勢いで下げた。その行動に少なくとも伊織は目を見開く
「もし、伊織から詩織さんの話を聞いてなかったら、……また過ちを犯すところだった……。本当に申し訳ないです」
「……馬鹿じゃねぇの!?僕がそんなので嫌うわけないでしょ、助けてくれてありがとうね」
千里はその言葉を聞いて一度顔を上げた後瞳を少しうるませてから、再び「すいませんでした!」そう言いながら頭を下げる。
この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。




