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紡ぐ言葉  作者: 朔良
第二章 バラバラ殺人事件
12/29

13話 連続殺人事件への発展

(注)この物語には多少の流血、いじめ、殺人等の残酷な描写が含まれます。苦手な方はブラウザバックをお願いします。また犯罪行為を助長する意図はございませんのでご理解いただきますようお願い申しあげます

「地雷さん!別のところでまた似たような手口で事件が起こりました!現場は桜庭市3丁目の裏路地です!」

「!!」


千里は人間のいやな予感というのは実によく当たるものだ。そんな風に思いながら当たって欲しくない予感ほどそのとおりになるのだと実感した。すぐさま第一の事件現場に残す人員と第二の現場に向かうものの二手に分かれさせた。千里はもちろん、新たな現場に向かっていた。

「被害者の名前は笹原幸人(17)、的場学園の生徒のようです」

「……情報が早いな。さすが俺の片腕なだけあるね。期待しているよ、佐々木さん」


車を走らせてから数分後、千里のとなりに座った佐々木宗二朗がおもむろに口を開くと、被害者の情報を話していた。千里はその情報の速さに驚きつつニッと笑いながら感心していた。その顔を見ると宗二朗は満足げにほほ笑む。佐々木は千里のこの顔が何よりも大好きだった。

この男、佐々木宗二朗は千里が赴任した直後に千里の教育係兼補佐としてやってきたのだが、佐々木は正直な話、千里がこの数か月でメキメキと力をつけていき今のところ何も教えることはない、と思っていた。最近では逆に教わるようなことばかりで隣に座るこの小さな警視総監には頭が上がらなかった。それでも彼女のことが気に入った宗二朗は自分がもともと得意だった情報収集の技を少し前の事件の時に披露すると、ものすごく驚いた顔をして、「ありがとう、助かった」そう言いながらニッと笑った後に佐々木の提供した情報とともに千里が的確に指示を出したこともあった。それらはすべて小規模な事件で、こんな大きな事件は千里にとっては初めてだった。その初めての事件でまさか知り合いの命が狙われている、それに千里が気が付くのはあと数時間先になる。


千里たち警察が現場に着くとすでに野次馬が集まっていたので関係者以外に引き払ってもらい、被害者遺族に至ってはパトカーの中でほかの刑事の人に聞いてもらっていた。その間に千里は遺体の状態を確認する。

切り取られていたのは腰で上半身と下半身は真っ二つに分かれていた。千里はその様子を見て顔を青ざめさせながらまじまじと見つつも何かが胸につっかえている気がしていた。その答えは少し前に聞いた覚えがあって、のどまではでできているのに出てこないのだ。

「なんだっけ、そう、伊織……伊織に聞いたんだよ……この間……あぁ、くそっ……ここまで出かかってるのに……。何だっけ」

悔しそうに顔を歪めながら頭を掻きむしる。二年前の事件と同じところは体の特定の一部が切り取られている、というところで違うところは二年前は伊織の母親であった詩織さんの同じぐらいの年代の人……、専業主婦やサラリーマンといった働き盛りの年代だった。

今回は伊織や千里といった高校生がターゲットになっていた。

「あと少し、あと少しで何かつかめそうなのに……」

左腕、腰、二年前は左腕、腰、足────。どこかで聞いたことがあるような気がしてならなかった。そうだ、あの時だ。千里は不意に思い出す。この間薙刀部の見学をしたときに“薙刀を行う上でとても大切なところだ”と伊織が話していたことに。あの頃の詩織さんの薙刀の腕前はうっすらとしか覚えていない。弱いと言われていたが、それでも初心者に比べたら強いほうだろう。それから、特に気に留めていなかったのもあり、しっかりとは覚えていないが一時期、如一の母親と、伊織の母親は“今の如一たちのように戦っていたいた”のだ。

「まさか……。いやいや……」


そこまで考えると、千里は一つの嫌な予感に至っていた。できることなら当たって欲しくはない予想なのだが、それを肯定づけるかのように無残にも橘詞織は殺されていた。千里は一度苦虫をかみつぶしたかの様な顔をした後に二人の人に協力を求むメールを送るのだった────。


この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

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