Milky way 第七話
Milky way
第七話
「お‥ おじゃまします」「はは! もう玄関に来てるじゃん!」『確かに‥‥』俺は彼女が敷いてくれたタオルの上に腰掛ける。「ミルク、美味しい?」「あ、はい! すみません、なんか僕だけ‥」「いいのいいの!」「髪も濡れちゃったし‥」俺は彼女の濡れた髪にそっと手を乗せる。「え‥?」彼女の顔がまた赤くなっていくのを間近で見れた。
「••‥‥そういえば、自転車は?」「あ! やばっ!」俺は自転車を道に置いて、スッカリ忘れてた‥。「てゆーか俺もう行かないと!」「あ、そうだよね!」彼女が玄関のドアをガバッと開ける。
−−−−−−−− ザァーーーー‥‥ −−−−
雨の香りと冷たい風が一気にこの家の玄関に舞い降りる。雨は止むどころか、さらに強くなっていた‥「雨、すご‥」
彼女が小さい声で言ったのか、それとも雨の音で俺が聞こえなかったのか‥‥ 「傘! あ、でもさせる?」「‥ハイ! 乗らないで押せば」「じゃあ、これ! 私のだけど」そう言って傘立ての中から緑色の傘を取って俺に渡し、空のマグカップを俺の手から外す。「本当にいろいろとありがとうございました!」俺は深く頭を下げた。「また会おうね‥」彼女は確かに小さい声でそう言った。雨の中でも分かる、透き通った声だった。俺は下の方を向いていたので、彼女を見ることができなかったが、確かにそう言った。そして僕はこう言った。
「毎朝、会いにきますよ。」