Milky way 第六話
彼女が俺を玄関へと引っ張った時に思った。この人は花のような人だと‥‥
凛とした姿も、雨にぬれながらも俺を助けてくれる姿も、匂いも色も髪も全てが。
「ここに服、置いとくね‥‥」 俺は彼女の「キャ!」という一言に体は固まり、動けなくなっていた。彼女は真っ赤な顔で、一度俺の顔をチラ見し、俺の顔も赤かったのかビックリしたような顔になり、そしてまた赤くして、家の中へと入って行った。
『寒さが吹き飛んだわ‥‥』逆に暑いくらいだ。彼女が見えなくなった後、彼女のお父さんの服であろう服に着替えさせてもらった。ズボンは‥‥さすがになぁ‥。
家の中からあの子の声が小さく聞こえた。「終わった??」俺はちゃんと返事をする。「あ‥ はい」 俺が返事をした後、家の奥のドアからヒョコッと顔を出し、俺が着替えたのを確認したのか、湯気のたったマグカップを持ってこっちに歩いてきた。「これミルクティーだよ! 毎日牛乳の!」そう言ってマグカップを僕に差し出す。「ありがとうございます‥‥ 僕にですか?」「そうだよ」「いただきます」俺は立ったままミルクを口にする。「こっちにきて、座ったら?」僕をジッーと見つめてそう言った。「でも床ぬらしちゃうんで‥」「じゃあこうしよう!」彼女は余ったタオルを床にしき始めた。「なんかピクニックみたい!!」「フフッ」俺はあまりにも可愛らしい彼女に少し笑ってしまった。「今、笑ったでしょ!?」「え!? いや‥」「笑った! ほら! これで大丈夫だから!」「え‥ いいんですか?」「うん!」
−−−−−− 俺が初めて彼女の家にあがったのは、今日が初めてだった‥‥ −−−−−−−−