Milky way 第四話
結局、もうあの子を見る事はなかった。見ようとも思わなかった。あの子を見て何になる?そう思ったから。
そしていつも通りの生活が過ぎて行った‥‥。
11月に入り、冬が着々の近づいてきた頃だった‥‥
いつも通りに牛乳配達だ。しかし今日はやけに寒い。空が曇り、太陽のヒカリがないからだろうか? 寒い。
孤児院を抜けたときに、先生から貰ったコートも、もう古くなってきてしまった。生地は伸び、穴が空き、冷たい空気が体に当たる。新しい服を買いたいが、冬服は分厚いので金がかかる。
ゴロゴロゴロ‥−−− ポツポツ‥‥
「おい、うそだろ?」 俺がこの言葉を言うと、それが合図だったのかのように止みそうにない大雨が降り始める。
仕事中で、しかも学校のある日で、大雨。
「最悪だ‥‥」 今、ココは佐藤さん家の前。 『あと、9宅‥‥』 牛乳配達を終えるにはあと9宅の家を回らなければならない、しかしもう俺の体はびしょぬれだ。
「よし、やってやる」そう言ってペダルを漕いだ。
小川さんの家の前。「ハァー」息は白くなった。寒くて体が凍え始めた。でも俺はこのビンを入れ替えなければ‥‥
自転車を止め、ビンを持ち、入れ替えに行った、その時!
−−−−− 声が聞こえた −−−−
「‥ッ! 待って!!」 その声は空から聞こえた。