表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

しるし2(詩集)

ネモフィラ

作者: さゆみ


朝から降り続けるごく浅い雨は

少しだけ春の吐息を連れていた

冷たくもなく温かくもなく

ただやわらかい雨だった


春はいつもすんなりは来ないけれど

梅の花が咲き

やがて桜の花が開き

チューリップが揺れて

卒業やさよならや初めましてを

彩ってくれる

寒い日も暖かい日も共にしながら

春はうまれる


花に興味はあまりない

花の名前もよく知らない

母は小さな庭で我が子のように

小花を愛でていたけれど

私には出来なかった


小さい頃お気に入りの長靴を履いて

レンゲ畑を駆け抜けた

白詰草で首飾りや王冠を作った

タンポポの綿毛をふぅーと吹いた

空は青かった

きっと私は笑った


一人ぼっちで居た堪れないとき

近所のおばさんがお花見に行こうと

私の手を引っ張った

桜並木の土手に着いたら

そこは桜吹雪が舞っていた

もう散ってゆくだけなのに

それが美しくて

さみしさは花びらと散っていった


花はいつも近くにあったのに

それを忘れていた

青空をぎゅっと固めたような花

道端に咲いていたあの花の名前を

知りたくなった

ネモフィラ<瑠璃唐草(るりからくさ)

春になったら

私はあなたを見つけたい

道端に咲く青空を……

愛でてみたいな










ネモフィラの花言葉は「成功」「愛国心」「可憐」「私はあなたを許す」などだそうです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] お花はいろんなことを教えてくれますよね。
2019/10/21 01:30 退会済み
管理
[良い点] いろいろな言葉が使っているので、読んでいて飽きないです。
[良い点] 〉春になったら 私はあなたを見つけたい 道端に咲く青空を…… 愛でてみたいな ラストに胸がキュンとなりました。 〉花はいつも近くにあったのに それを忘れていた こういう描写、僕は好き…
2014/03/02 17:20 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ