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現代編第1話 ~コンプガチャ死すとも課金は死せず~

「香澄!これを見るのじゃ!」

蠣乃神社の神・イヨが巫女服をモチーフにしたと思われるアイドル調の衣装を着て、巫女(?)の香澄に見せびらかしている。

「何ですかイヨ様、その格好は。」

「アイドルマスターのソーシャルゲームに巫女をモチーフにしたキャラが出ていてのう、それの真似をしたのじゃ。香澄もどうじゃ?これからは萌えにも気を遣う時代ぞ?」

はしゃぐイヨであるが、そんなイヨを冷ややかな眼で見つめながら、香澄は疑問を口にする。

「…いくつか聞いていいですか?」

「何じゃ?」

「ゲームは誰の携帯電話でやっているんです?」

「それはもちろん香澄のスマホじゃ。イヨさまはスマホが欲しいのに誰も買ってくれないからのう。」

「…ちょっと貸して下さい!」

香澄が自らのスマホで該当ページにアクセスすると確かにプレーした形跡がしっかりとある。良く見るとやけにレアカードが多い。

「あの…やけにレアカードが多いんですけど、ひょっとしてイヨ様、お金を払って引くガチャガチャとかやりました?」

「それはじゃな…。」

後ろ暗いところがあるのか、イヨは香澄から目線を切る。

「…なんで眼をそらすんですか。」

「…。」

「…やったんですね。何回やったんです?」

「ほんの30回ほど…。」

その回数に香澄は驚きを隠せない。

「30回って…これ確か1回300円だから…9000円!そんなに使ったんですか!それわたしの電話代になっちゃうんですよ!電話代にそんなに使ったことが知れたらお父様に怒られてしまいます!」

あまりの香澄の剣幕にさすがにイヨもびびり出す。

「まああれじゃ…丸恵には「イヨさまが使い込んだ」と言っておいてくれ…。そうすれば許してくれるはずじゃ…。イヨさまからも言っておくのじゃ…。」


後日、届いた請求書を見せながら香澄は父親の丸恵に事の次第を報告したのであった。

「というわけでお父様、わたしの携帯電話代、イヨ様が使い込みました。」

「まあイヨ様らしいね。わたしの時はファミコンをねだってしょうがなかったし。」

そう言って丸恵はやや遠い目をする。

「ファミコンって…あの物置にあるやつですか。」

「そ。でもわたしもはまったなあ。しかしまああれだね。スーパーじゃないマリオブラザーズ。あれ人間関係壊すね!ははは!」

「…。」

父親ののんきな反応にこめかみを押さえるしかない香澄であった…。


おわり

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