現代編第8話 ~八百万の神は得意分野も様々~
ここ、蠣乃神社では神のイヨと巫女(?)の香澄の口げんかが勃発している。まあよくある話である。
「香澄!こんなに頼んでもまだPS Vitaを買ってくれぬと言うのか!」
「駄目ですよ!この前3DS買って差し上げたばかりではないですか!」
レベルの低い争いである。
「ふふふ…。」
ここにきて急にイヨの目がすわる。
「よかろう。香澄がそのつもりならばイヨさまにも考えがあるぞ。」
「な、何ですか?」
「イヨさまはこの前「もののけ姫」を観たのじゃ!神は闇に飲まれると(←多分にアイドルマスターシンデレラガールズに影響を受けた発言)祟り神になるという。イヨさまも祟り神となり香澄のことを祟ってやるのじゃ!」
「な…。」
ゲームを巡るけんかから一気に大きく出たイヨを香澄はやや呆れた表情で見つめている。
「なんじゃなんじゃ!その呆れたような表情は!神の祟りが怖くないのか!」
「怖いですけどね…でもイヨ様にはそれはできませんよ。」
あくまで落着きを崩さない香澄の様子にイヨはとうとう怒り出した。
「そうか!香澄がそのつもりなら本気で祟ってやるぞ!PS Vitaを買わなかったことを後悔するがよい!キエエエエッ!」
気合を入れるイヨ!…しかし何も起こらない。
「あれ?」
「なにも起きてませんけど?」
「おかしい!もう一回…キエエエエッ!」
それでも何も起こらない。
「な、何故じゃ!何故何も起きないのじゃ!」
「あ、それはですね…。」
焦るイヨに香澄が冷徹な解説を始める。
「祟り神様は神様の心の中でも荒魂を前面に出しているわけですよね。まあお祀りすれば強い味方にもなってくれますけど。でもイヨ様って「災いを退ける神様」で荒魂が祟り神様と比べてかなり弱いんですよね。(和魂はすごく強くて、そこはわたしも大好きですけど…今それを言ったら図に乗って「ではPS Vitaを買え!」と駄々をこねるであろうことは明白ですからね…。)」
「ぐああ…。」
どうやらイヨにも心当たりがあったらしい。
「まあイヨ様が祟りを起こそうとするのは外野手がキャッチャーやろうとするようなものです。」
「…。」
「というわけでPS Vitaは我慢して下さいね。」
「こ、この罰当たりがああ!」
もはや祟りではなく癇癪を起こすしかないイヨであった…。
ちなみにこのパターンのけんかは何代にもわたって行われている…多分…。
おわり




