お腹に出して。

＜設定＞

職業訓練校通称”ショックン”に通う生徒、野山とマッチの昼休みの会話の一部。

＜主要登場人物＞

■マッチ（近藤雅紀）男　24歳元サラリーマン　

頭の回転は悪くは無いが勉強は苦手。勉強出来そうに見られるためよくガッカリされることが多い。

OLの彼女の行動に不満を抱いている。

■野山　　　　　　　男　24歳元警官　

警官を辞めた理由は決して明かさないがバカ。顔は男前だが昭和スター的な一昔前の顔立ち。ホモにモテることしばし。彼女は福島にいて遠距離。なんでも戦争に例えたがる。

（職業訓練校の昼休み。教室廊下の喫煙席にて）

野山「てか・・・ヒマだね・・・。」

マッチ「それもう3回聞いた。」

野山「マッチさー。とっておきの話とかないの？」

マッチ「ん～・・・やめとこうか・・・。」

野山「もったいぶんなよマッチ～。」

マッチ「てかホントに聞きたいの？」

野山「うん。」

マッチ「ホントに？」

野山「ホント。」

マッチ「かなり？」

野山「かなり。」

マッチ「ド・ウ・シ・テ・モ・コ・ノ・ハ・ナ・シ・ガ・キ・キ・タ・イ・デ？」

野山「す！」

マッチ「しゃーないね～、じゃあいくよ。」

野山「待ってました～！」

マッチ「えーと、これは～オレの友達の話なんだけどね。」

マッチ「オレの友達にさ、アレがすっごい長いヤツがいんの。」

マッチ「通称”サイヤ人”って呼ばれてたな、確か。」

野山「そんなに長いんだぁ。」

マッチ「性格いいんだけどアレが長いことにすげーコンプレックス持ってて結構奥手だったわけよ。」

マッチ「でもやっと彼女できてさ、いざセックスになったんだって。」

マッチ「アレが長いのがコンプレックスだからもちろん明かりはバッチリ消してね。」

マッチ「でも挿入の時そいつ彼女に正直に打ち明けたんだ。」

野山「何て？」

マッチ「長いのがコンプレックスなのと、そのせいでコンドームが合わないこと。」

野山「いい人だね。」

マッチ「そうなんだよ。そしたら彼女も彼氏の人柄に同情したのかイイ人だったみたいでさ、ゴム無いのは不安だけど最後お腹に出してくれるなら良いよ。って言われたんだって。」

野山「なんか愛感じるね。」

マッチ「まあでも彼女もゴム無しは初めてらしくてさ”絶対お腹に出してねっ”って釘はさされたらしいけどね。」

野山「そりゃ当然だよね。」

マッチ「で生のままいざ挿入よ。”エイっ！”てね！。」

野山「おっ盛り上がってきたね～！」

マッチ「で、彼女も”ウっ！！”ってね。」

野山「それからそれから？」

マッチ「そいつのアレが全部入ったかと思った瞬間・・・・」

マッチ「何ということでしょう！そいつのアレが長すぎて彼女の口からアレが飛び出してしまったのです。あらビックリ！。」

マッチ「ほんと彼女もビックリよ。」

野山「シガニー・ウィーバーも？」

（野山映画「エイリアン」のマネをしながら言う）

マッチ「ビックリ。」

マッチ「で、その彼女は文字通り言葉も出ないわけよ。」

野山「確かにしゃべれないね。アレで塞がってて。」

マッチ「そこで焦ったそいつが無言の彼女に言ったわけ。」

野山「何て？」

マッチ「”ごめん、お口に出しちゃった。”ってね。」

（二人とも無言でタバコを１本づつ吸う。）

マッチ「・・・パトラッシュ、もう疲れたよ・・・。」

野山「え～！？マッチ～、まだ3回目だよ？」

マッチ「おんなじ話連続ね・・・・。」

野山「OK！じゃあ次さ、”ごめん口に出しちゃった。”のとこを　”やっぱ日本にエイリアンはいないよね。テヘッ”に変えてみたらどうかな？」

野山「どう？」

野山「ねえ？」

野山「ねえ！」

（終わり）