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また会う日まで

前作の最終話でエバンとミリーがエドワードにあった所から始まります。

俺は肌寒さを感じて目を覚ました。


リリーにプロポーズをした時の夢を見ていた。


さっき、エバンとミリーにリリーと話があるから、1人にさせてくれてって言ったのに、そのままうたた寝をしてしまったようだ。


あの様子だとエバンもミリーにプロポーズしているんだろう。


リリーとは学園を卒業すると同時に結婚した。リリーの妊娠がわかったのはそのすぐ後だった。

リリーは騎士科で勉強出来たので十分よと、騎士団への入団は諦めて、遠征でほとんど家にいれない俺の代わりに伯爵代理と母親業をこなしてくれた。


リリーと2人の子供達との生活は本当に幸せだった。だから、そんな幸せが8年で終わるなんて信じられなかった。


「エド、私はね最後に子供を守って、魔獣を倒して立派な騎士として逝く事ができて最高に幸せよ。ゆっくり待っているから、子供達を宜しくね」


それがリリーの最後の言葉だった。


葬儀では何とか耐えたが、リリーがいないベットを見て耐えきれずに泣いてしまった時、エマが頭を撫でて慰めてくれた。


俺が泣いたのはあの日で最後だ。


いつかリリーに会う時に、泣いてばっかだったわねとか言われたら恥ずかしい。


「エマはあのアリスターと結婚しそうだぞ。エマは小さい時からアリスターを追っかけ回してたからな、アリスターは今までは作るのが難しいと言われてたポーションを大量生産できる様にしたんだ。リリーのような事はもう起きないと約束してくれた。ただ。。。少しズル賢いやつだから、ちょっとお灸を据えたら、エマに怒られてしまった」


あの時のエマはリリーが怒った時とそっくりだった。エマにリリーの腕力がなくて、本当に良かった。


「エバンはミリーの事が好きだったのに、大分時間がかかったな。俺がどれだけ苦労してミリーをこっちに呼び寄せたのかエバンはわかっているのかな?ミリーは君の夢を叶えて立派な女騎士になったよ」


俺はリリーの墓石に向かって話しかけた。


手にはリリーのハンカチを持っている。リックが俺の顔についたチョコレートを拭いてくれた時のハンカチだ。


そんな下手な刺繍のハンカチじゃないのあげるって言われたが、俺はこれが良いって結局返さなかった。


「俺達の子供は2人とも一気に結婚してしまいそうだよ。やっと子育てが終わったのに、俺は1人か。リリーがいてくれたらな」


そう言った時、リリーの墓の前の土が盛り上がった。


「え?リリー。会いたいけど、お墓から出てくるのはなしだよ」


しかし、出て来たのは子猫だった。


「何で猫がこんな所から。。」よく見ると、お墓の反対にも穴の様なものがあった


「お前の家族は何処にいるんだ?」


子猫は「にゃあーー」と鳴いて、俺の頬に頭を擦りつける。


緑の目の真っ黒な子猫。

「まあゾンビよりましだけど、猫とはな」


「にゃ?」


「独り者同士仲良くするか、さあ家に帰ろう」


俺は猫を抱えて屋敷に戻る。


「ねえ、お父様。この猫は女の子よ。何でリックって名前にしたの?」とエマは子猫と遊びながら聞く。


「リックは俺の1番大事な友達だったんだ。すごく強くて、チョコレートケーキが大好きな」


「猫にチョコレートケーキはあげちゃダメよ。お腹壊しちゃうわ」


それから何年が過ぎたろう。


俺は騎士団長を引退し、エバンに魔法騎士団長を引き継いだ。


ミリーは子育てをしながら、リリーの様に伯爵家の切り盛りをしている。


エマの所にもリリーそっくりの女の子が生まれた。どうやら、力が強いらしく、人形がどんどん壊されるとエマが嘆いていた。エバンは初の女性騎士団長にすると盛り上がっている。


猫のリックはなんと20年も生きた。


エマにそろそろ尻尾が分かれてくるんじゃないと言われていたが、流石に普通の猫だった様だ。


子供達は立派に育ち、孫に囲まれ、リリーがいない以外はとても良い人生だったと思いながら眠りについた。


「エド、エドワード!!早く起きて」


俺が目を開けると、緑の目が俺を見ていた。


「え?リリー?ちょっと待って、何で俺はリリーに運ばれているの?」


あの学科分けテストの日の様に、俺はリリーに抱えられて運ばれている。


「散々待たされたんだもの、エドワードが起きるまで待っていられなくてね」


「自分で歩けるから、下ろしてよ」


「えーー折角エドワードを好きなだけ抱きしめられるのに」


リリーは渋々俺をおろしたが、手はしっかり繋いだままだ。


「にゃーー」


足元には猫のリックがじゃれついている。


「リックが現れた時は、君が墓から這い出して来たのかと思ってびっくりしたよ」


「それもありだったわね。あなたが1人で寂しいなんて泣き言いうから。私の方が1人で寂しかったのよ。あなたにはエマもエバンもいたでしょ」


「そうだな、待たせてごめんな」


気がつくと俺もリリーも学園で出会った頃の歳になっていた。


「リリー、これから何処にいくんだい?」


「そうねー、何しようかしら。とりあえず模擬戦でもする?暇だったからずっと鍛錬してたのよ」


「それは俺は絶対勝てる気はしないよ」


「まあ、とりあえず私達の家に行きましょうか?」


「家があるんだ」


「そうよ、とりあえずイチャイチャしたいから、プライバシーは必要でしょう」


「。。。イチャイチャって」


「あら嫌だった?」


「嫌なわけないだろう。大賛成だ」


そういうと、俺はリリーを抱きしめてキスをした。


「そんなに慌てなくても、時間はたっぷりあるわよ、それこそ永遠に」


「ああ、楽しみだ。リリーはゴリラ姫じゃなくて、本当の妖精姫になったんだな」


「エドワードはもう寂しくない?」


「もう寂しくない。永遠に一緒にいてくれるんだろ?」



これで3部作は終了です。

この話が書いていて1番好きでした。

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