現実に異世界転生などがなくて良かったと思った話(野生の猿が怖かった話)
無知ゆえに、猿を刺激するような行動を取ってしまっていました。
猿に限らず、野生の生き物が出没する地域に行くときは、自治体などから注意喚起がされていますので事前によく確認されることをおすすめいたします。
新年を迎え、遅ればせながらも初詣と思って、普段訪れることのない山の上の神社に参拝に行ったときのことでした。
山に続く道の脇に猿出没注意の看板、そしてその隣に野生の猿。
なるほどと思いながら山の中の石段に差し掛かったとき、近くのお堂から数匹の猿が走り出てきました。
その中でもやや大きめの猿の手には白くて丸いものがしっかりと握られておりました。おそらくは元々鏡餅だったものではないかと思います。
その猿は食べ物を手にしていたためかひときわ警戒心が強いようで石段の中央で私と向かい合う形となりました。
私としては早く通り過ぎてほしいなあと思いぼんやり猿を眺めていたのですが、その猿は一向に立ち去る気配は無く、ホーカッカッカというような鳴き声でこちらの様子を伺っていました。今思い返してみるとおそらくこちらを威嚇していたと思います。
【注】野生の猿と出会ったときは、目を合わせてはいけないそうです。ご注意ください。
その時のことでした、不意に背後の木に小さめの猿が駆け登りました。
びっくりして振り返ると、他にも左手のお堂の屋根に2匹、右手の竹やぶの中にもおそらく2匹以上の猿がこちらを見ているようでした。
私が眼の前の猿にだけ気を取られているうちに、前後左右を固められた上に高所を抑えられて地の利は完全に猿のものとなっていました。
私がそっと後退りして距離を取ると、正面にいた猿は竹やぶの中に消えてくれましたが、どうもかなり刺激してしまっていたらしく、私が石段を登り始めると再び姿を表して竹を登って上からしばらくこちらを監視していました。
幸いその後は特に何もなく無事にお参りを済ませて別ルートで下山したのですが、落ち着いてからふと思いました。
これって、もし異世界転生とかで相手が猿じゃなくてゴブリンだとか明確にこちらに敵対する生き物相手だったら、その時点で私の冒険はそこで終了していたんだな、と。
寝る前などに自分が異世界に転生したら、とか、現実にダンジョンができたら、などと空想したりしますが、空想の中だけで良かったと本当にそう思いました。
結論、野生の生き物は怖い。