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再会

 その声に無性に腹が立つ。怒りがこみ上げウィルが何を言っているのか分からなくなってしまった。

気が付くともう身体が動いており、洞窟の中へ入っていった。入ってすぐに仮にも見張りの兵が居たが、すぐに取り押さえて容赦なく拘束した。


「ウィル、私カイを取りあえず見守る。道だけはなんとか誘導するわ。」


『頼む、あいつ俺の声が聞こえてない。』


 洞窟内は少し入ると炎が灯されて僅かに視界が開けるようになった。奥からは見張りを倒されたとはつゆ知らずの兵士たちが笑い合っている。ここまで末端の部隊には幹部が捕らえられているという情報が入るのも遅いか、或いは分かっていて尚この体たらくなのか、そんなことはどうでもいい。生体カメラを確認すると、少し離れた場所に一つ反応があった。


「兵士たちは私が制圧する。あなたはロードくんの所に行ってあげて。」


「……ありがとう。」


 アレクシアの提案に少し安堵していた。彼女と別れ、もう一つの反応の場所へ向かう。付近に見回りらしき反応があった。背後からアレクシアの戦いによるものだと思われる叫び声が聞こえてくる。その声に見回りが反応し、こちらに向かって来ていてた。正面から銃を向けられても、クローラの身体なら問題ない。撃たれても、怯むことなく敵を制圧する。唯一、学生時代に力を入れた武道は、アレクシアとの訓練によって体に染み付いていた。やがて最奥に辿り着くと、鉄格子の中で一人の男が横たわっていた。


「ロード……!!」


心を静ませ、格子を破壊し牢獄の中へ入る。


『カイ、これは任務だ。彼の様子をこちらに見せてくれ。』


「……分かっている。」


 彼に近づき、声を掛けながら身体に触れて正面にする。


『こっちで貰っているロードくんの写真と一致してる。呼吸はありそうだな。だが、その目は……。』


 彼はまさしくロードだった。待ち望んでいた再会だったが、彼の状態は安心できるものではない。瞼に血を流した後がある。


『クローラの手を彼の目にかざしてくれ。こちらで遠隔操作して状態を見る。』


 ウィルに言われた通り、クローラの手をロードの顔にかざした。手のひらから光が現れ、彼の顔をスキャンしていた。


『カイ、安心してくれ。簡単な検査だが目の細胞は壊れていない。今は見えないかもしれないけれど、すぐに良くなるはずだ。人質はこれで保護したな、控えさせていた応援をそっちに向かわせる。』


「ありがとう。取りあえずロードを安全な場所に移動させる。」


『あぁ、頼むぞ。』


 ロードの身体を抱き起こすと、意識のなかったロードの身体が少し反応を見せた。


「ロード……!?」


 瞼を閉じたまま、少し唸りを上げて彼は意識を取り戻したらしい。続けてその名を呼びかけ続けた。


「カイアン……お前なのか……?」


 ロードに俺の姿は見えていない。例え見えていたとしても、今の俺はクローラによって別人になっている。しかしクローラは機能として変声がまだ不可能だった。クローラ同士の通信に声は不要であったため、後回しにされている機能ゆえだった。


「俺が分かるのか?」


「分かるさ……。」


 姿が見えない今のロードにとって、声が生身の頃と変わらなかったのは良かったのかもしれない。

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