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彼の足跡

 二つ返事で分かったと言ってしまったが、どういう状況かわかっていない。ウィルが状況を説明してくれた。


「実は前々から追っていたテロ組織の足が掴めたんだ。カイは知らないと思うけど、ヘルマンタワーの火事はテロだったんだ。そのテロ組織の足取りが掴めた。すぐに叩きに行ってくれ。今回は全員抹殺だ。」


「殺し……。いや、分かった。すぐに行く。」


「ヨシ、準備は俺がやる。カイはクローラに!」


 先に行ったアレクシアを追いかけ、クローラへ乗り込む。ウィルがすぐに操作し、すぐに現地へ到着した。少なくともその場所は海外のようだ。自然が少ない砂漠のような場所で、少し遠くに街が見える。心拍数が上がっている。ヘルマンタワーの火事に、ロードは巻き込まれて死んだ。でもロードは生きているかも知れない、それを知るためにクローラ部隊へ入ったのだ。ロードを、必ず取り戻す。


『アレクシア、カイ!聞こえるな!!組織が潜伏してるビルの地図を送った!任務は組織の壊滅と人質の救出!クローラの機能で敵か人質かはすぐに分かるはずだ。敵だと思ったら躊躇するなよ。戦場じゃあ迷ったやつから死ぬ。』


「了解。あとは任せて。行くよ、カイ。」


 アレクシアが走り出し、すぐその後を追った。彼女の背を見ながら、友の身を案じる。自分の視界にはマップと進むべき道、そして敵と味方がどこに居るのか記されていた。アレクシアは敵と人質を見分けるとすぐに突き進んでいく。そのため俺はどちらかと言えば人質の救出をメインに行動することにしていた。敵は勝手に蹴散らされていくため、ロードを探していく。


「大丈夫でしたか?もう平気ですよ。」


 ひと通りこのフロアにいた人質は解放出来たようだ。しかしまだロードは見当たらない。捕まっていた人に少し聞いて歩いてみた。


「あの、この人に見覚えありませんか?」


 即効で描いた似顔絵を見せながら聞いて周る。初めは知らないという人がほとんどだったが、やがてこの姿に少し反応を見せた者がいた。


「彼は……、彼に、助けてもらったんだ。ヘルマンタワーで拉致された後、俺達はここに連れてこられた。初めは今よりずっと酷くて、不毛で過酷な労働もさせられた。そこに立ち向かってくれたのが、その彼だ。それ以降。彼はまたどこかに連れ去られたが、こちらの環境は改善した。ただ彼が言ったから改善したとは思えない。きっと、その彼に何かしているのだと思う……。行き先も分からない。」


「そうか……、ありがとう。もうすぐ人がまた来る。それまで頑張ってくれ。」


 そう告げてそのフロアを後にした。少なからずロードの情報は得られた。だが、彼がどうなってしまったのか、不安ではち切れそうな思いだった。

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