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その選択があること

「ウィ……。」


 彼の名を呼びそうになって堪えた。


「クソ……。これじゃあ何も……。」


 クローラが自爆しても、基地にいるウィル自身は無事のはずだ。


『カイ、大丈夫!?そこはもう大丈夫だから脱出して!警察部隊には共有済み!!』


 アレクシアの声が聞こえ、その場を離れようとすると、下の階から怒号が聞こえる。どうやら後のことは警察に警察に任せても大丈夫なようだ。ビルを離れると、警察の指揮官と出会った。


「クローラ部隊、協力感謝します。あなた方がいて本当に良かった。今後とも、よろしくお願いします。」


「はい、こちらこそ。後はお願いします。」


 敬礼を交わし、警察車両のクローラが入っていたロッカーへ戻る。同じように身体を戻すと、またアレクシアから通信があった。


『おかえり!こっちに意識を戻すね。』


 最後にクローラの電源音が聞こえたのを最後に、俺は自分の身体へ戻ってきていた。隣を見ると、まだウィルは横たわったまま瞼を閉じている。


「アレクシア、ウィルは!?」


「大丈夫。自爆のダメージが少しあっただけだよ。時期に目を覚ますわ。」


「そうか……。」


「きっと、怖かったと思う。目の前で死を体験したんだから。でもね、もし二人が生身だったらあの爆発は防げずに多くの死者を出した。クローラがあったから、爆発を防げてウィルも死なず、彼の苦しみは少しで済む。生きるか死ぬかだったスパイの世界にとって、クローラは画期的なの。だから、あまり悲しまないで。」


 彼女の言う通りだ。クローラの機能があったからこそ、今回の任務は死者を出すことなく完了した。だが、あの瞬時の判断でウィルが自爆を選んだことが、衝撃だった。きっと、そのことで頭の中がいっぱいになっているんだ。


「もうすぐバックアップが終わる。ちょっとそこで休んでて。飲み物取ってくるよ。」


 アレクシアが部屋を出たあと、操作盤にはウィルの名前とその損傷について書かれていた。やはり、脳にダメージがあるらしい。その修復は78%終わったようだ。

すぐにアレクシアが戻ってきて、冷たいミルクティーを渡してくれた。


「ラインさんに聞いたの。ミルクティーが好きなんでしょ?」


「そうだけど……、あの人はなんで知ってるんだ。」


 そういえば情報管理局で出されたのもミルクティーだった。その時点でもう俺についてのことは全てお見通しだったらしい。


「ありがとう。頂くよ。」


 蜂蜜が溶かされた甘いミルクティーは、不安な心を沈めてくれる。少し落ち着いたなと思っていると、操作盤がピピッと音を鳴らす。それが目覚ましだったかのように、ウィルがベッドから起き上がった。

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